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2023.08.16

北海道・十勝は世界に誇る、フライフィッシングの場

北海道の大地の恵みが織りなす自然に身を置き、動物・植物に耳を澄ませば、眠っている野性的感覚が呼び起こされるはず。大人こそ嗜むべき圧倒的な遊びから、今回は「フライフィッシング」をご紹介。【特集 北海道LOVE!】

自然の環境と対峙する不都合な遊び

十勝は日本が世界に誇る、国内有数のサケやマスの一大フィールド。

「十勝という場所は、世界チャンピオンを出せる土壌なんです」と言うのは、フライフィッシングの世界大会に出場するチームジャパンのひとり、歌野タケシさんだ。幼少期より釣りに親しみ、2012年に北海道・十勝に移住してからはフィッシングガイドに。シニアクラスで現在、世界ランキング68位に位置する。

「十勝は川が多い。生き物が生きるために必要な栄養分は川と雨でしか海に運ばれません。つまり、川が多いというのは山でつくられた養分がどんどん海に流れているということ。この環境はマス相手のフライフィッシングではアジアきって、ワールドクラスだと僕は思っています」

十勝水系にて
十勝川水系にて。ランチではビールやワインのサーブなどもある。
ニジマス
十勝で生まれ育った美しいニジマス。

フライフィッシングの歴史は古く、1400年代の文献が今も残っているという。

「自然が相手だから、掘っても掘っても掘り切れない。思うようにいかないからこそ工夫する。だから面白いんです。でも、自然に鈍感だったり、無頓着だと釣れない、現代人にとっては不都合な遊びでもあります」

フライフィッシングは敢えて本物ではなく餌になる虫たちに似せ精巧につくられた「フライ(毛ばり)」を使う。季節はもちろん、魚が食べている虫の違い、動植物の生態といった自然状況に耳を澄ます必要がある。

フライリール
フライリールはイタリア製、フランコ・ビバレ
リ社のもの。
毛ばり
水棲昆虫の成虫などを模した手づくりの毛ばり(フライ)は精密だ。

「相手に気づかれないように物音は立てずに近づく。相手の死角からキャスティングするなど、人間と魚の騙し合いなんです。フライを巻く時だって水中昆虫学の素養が必要ですし、楽しいうえに非常にアカデミックな要素があることもハマってしまう理由のひとつなのだと思います」

自然の厳しさと美しさは表裏一体。フライフィッシング沼にハマれば、きっと五感が研ぎ澄まされるはずだ。

歌野タケシ/Takeshi Utano
北海道・十勝を拠点に活動するポロシリフライズ&ガイド代表。1969年熊本県生まれ。幼少期より釣りに親しむ。1988年より、東京・神保町の「つり人社」で雑誌や書籍編集のため国内外で取材。2012年に十勝に移住。

【特集 北海道LOVE!】

この記事はGOETHE2023年9月号「総力特集:北海道LOVE!」に掲載。▶︎▶︎購入はこちら

TEXT=ゲーテ編集部

PHOTOGRAPH=歌野裕美

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