AND MORE

2023.07.03

医者に“wax man”と言われたけれど、一体どういう意味!?

35歳・英語力ゼロなのに、会社を辞めていきなり渡英した元編集者のお話、第203回。連載【英語力0.5レッスン「人のEnglishを笑うな」】とは……

Illustration=Norio

I am wax man!?

先日イギリスに長く住んでいたという日本人の方とお話しをしていました。その方は在英8年のうち、病院に行ったのはたった1度だけ。しかも100円ショップならぬ1ポンドショップで購入した綿棒の、ワタ部分が耳に残って取れなくなって行ったのだそうです。

「お医者さんに、耳にワタが入ってとれないって言ってるのに、『ワタなんか入ってない』とか“You are just a too much wax man”と言われてさ」

と、その方は笑いながらおっしゃいました。

しかしながら、トゥーマッチワックスマン、とは一体なんでしょうか。
わかったような、わからないような顔をしていたら、教えてくれました。

Wax=耳垢

この場合はそういう意味だそうです。

「ワタなんか入ってない、耳垢が溜まっているだけだ」と医者に言われたのだということです。

「ワックス」とは、日本語でもなんとなく、硬めのクリーム、という印象で、床に塗るワックスもあれば髪の毛につけるワックスもあります。英語でもそのニュアンスで、ろうそくの「ろう」なんかのことも「ワックス」と呼んだりします。

日本語も英語も文脈によってなんの「ワックス」なのか変わってくるので、前後をよく聞かないとなりません。

ただそれとは別に英語では「耳垢」のことも「ワックス」というのだそうです。

耳垢が床に塗るワックスのようにベタベタしている人もいれば、粉っぽい人もいますが、トータルで耳垢が「ワックス」なのがちょっと面白いなと思ってしまいました。

「ワックス」は基本的に、にちょにちょしたもののことなんだな、とこの会話で理解したのですが、辞書を見ていたら「上弦の月」のことをwaxing moonというのだそうです。
そんな綺麗な言葉から、耳垢まで「ワックス」なのが不思議すぎます。

医者に“just a too much wax man”と言われたその方は、数年経って再び耳の違和感が気になり別の病院に行ったところ、ついに耳の奥からワタが発掘されたそうで「何年も耳にワタを入れて過ごすなんて危ないことを」とその医者に怒られたということです。

その後日本に帰国しても、綿棒のワタが外れないか、耳に入れる前に綿棒チェックをするのが癖になってしまったそう。

「waxという単語を覚えられたのはいいけど、ひとつの単語を覚えるのにだいぶ命懸けだったな」と、今は健康体で笑っていらっしゃったので、なんともなくて本当によかったです。

過去連載記事

連載【英語力0.5レッスン「人のEnglishを笑うな」】とは……
35歳・英語力ゼロなのに、会社を辞めていきなり渡英した元編集者による英語力0.5レッスン「人のEnglishを笑うな」。「その英語力でよく来たね(笑)」と笑われて2年後、英語力未だ0.5であえなく帰国。だけど日本にいたって、きっともっと英語は覚えられる! 下手でもいいじゃない、やろうと決めたんだもの。

↑ページTOPへ戻る

TEXT=MOMOKO YASUI

PICK UP

STORY 連載

MAGAZINE 最新号

2025年1月号

シャンパーニュの魔力

最新号を見る

定期購読はこちら

バックナンバー一覧

MAGAZINE 最新号

2025年1月号

シャンパーニュの魔力

仕事に遊びに一切妥協できない男たちが、人生を謳歌するためのライフスタイル誌『ゲーテ1月号』が2024年11月25日に発売となる。今回の特集は“シャンパーニュの魔力”。日本とシャンパーニュの親和性の高さの理由に迫る。表紙は三代目 J SOUL BROTHERS。メンバー同士がお互いを撮り下ろした、貴重なビジュアルカットは必見だ。

最新号を購入する

電子版も発売中!

バックナンバー一覧

SALON MEMBER ゲーテサロン

会員登録をすると、エクスクルーシブなイベントの数々や、スペシャルなプレゼント情報へアクセスが可能に。会員の皆様に、非日常な体験ができる機会をご提供します。

SALON MEMBERになる