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2021.07.22

”ネチネチした上司”って英語でなんていう?

35歳・英語力ゼロなのに、会社を辞めていきなり渡英した元編集者。「その英語力でよく来たね(笑)」と笑われて2年後、英語力未だ0.5であえなく帰国。だけど日本にいたって、きっともっと英語は覚えられる! 下手でもいいじゃない、やろうと決めたんだもの。英語力ゼロレッスン「人のEnglishを笑うな」第105回!

べたべた、むしむし、ねばねば
英語ではこういう!

梅雨が明けて毎日暑い中、オンラインでイギリス人英語教師と話していた時のこと。
「毎日蒸し暑い。体がベタベタする」と言っていたら

I hate hot and sticky weather.
(暑くてスティッキーな天気は嫌い)

と言われました。Stickyは「ねばねば・ベタベタする」という意味の形容詞ですが、天気に使われることを知らなかったので驚きました。

sticky weather=むしむしする天気

だということです。湿気が多いことをhumidという形容詞で表現することが多いですが、それとほぼ同じ意味です。本来stickyは糊のようなベタベタした物質を説明する形容詞ですので、蒸し暑くて、身体が汗でベタベタしてくる天気、そんな風にイメージできます。

聞いてみるとstickyは他にも「難しい」という意味にもなるのだそうです。ケンブリッジの辞書にはこんな例文もありました。

There were a few sticky moments during the meeting, but everything turned out all right in the end.
(ミーティングでは、何度か難しい瞬間があったが、最後にはすべて解決した)

これも、ベタベタとしたものに捕まって、脱出が難しい、そんな状態をイメージすれば覚えやすいかもしれません。(ゴキブリほいほいに捕まってしまったゴキブリのような感じでしょうか)

であれば、stickyは、「ベタベタ、ネチネチした人」という意味でも使えるのでは? と、こう言ってみました

My boss is sticky person.

「上司は、ネチネチした人なんだ」と言ったつもりでした。しかし教師は「??」という顔をしました。どうやらこの形容詞は人間には使わないようです。

「sticky personとは言わないけど、強いて解釈するなら、文字通りベタベタした物質がついている人っていうイメージになってしまう。あとはstinkyと言い間違えたのかなと思っちゃう」
とのこと。Stinkyとは、「ものすごい臭い」という意味の形容詞です。つまり私の上司は、ベトベトしたスライム人間か、あるいは悪臭を放っているか、ということになってしまいました。どのみち恐ろしい上司です。

なにかに執着した人、ネチネチした人、という意味で言いたければ、こちらが正しいそうです。

My boss is clingy.

clingyも、「粘着性のある」という意味なので、人やものに依存してぴったりと離れない、というようなイメージで使えるそうです。
“My ex-boyfriend is clingy.”というと「元彼がしつこいの」という意味になるそうです。まぁ私の場合は上司なので、付きまとわれているというか、1時間に1回は電話で進捗確認される、やっと仕事が終わっても飲みに連れて行かれる、という意味の「粘着性」ですが。いや、いい上司なんですよ。

みんなを安心させる魔法の呪文
クリスタルクリア

英語のレッスンでも、役所の手続きでも、こちらがわからないことを訊ねて、教えてもらった後に相手によくこう聞かれます。

Is it clear to you? (これでわかりましたか?)

まぁ、そもそも英語での説明を100パーセント理解できることはけっしてありません。小説や新聞記事なら「あらすじがわかればOK」、役所の手続きなら「とりあえず、次にやることがわかればOK」くらいの低めのハードルで暮らしていたので、そう聞かれると、あいまいな顔であいまいな返事しかできません。
そうすると先生や役所の人は不安になってもう一度説明してくれます。
わかったか、わからないかすら、自分ではわからないのですが、とりあえず、概要は理解した、これ以上彼らの手を煩わせたくない、そんな時にこういうことにしています。

Now it’s crystal clear!
(これでももう、よ〜くわかりました)

クリスタルクリア。「澄み切った、とっても透明の」という意味ですが、そこから、「一点の濁りもない明瞭な」「よ〜くわかった」「明らかな」という意味にもなっています。

先生や役所の人は、私が本当に理解しているのか不安なのでしょう。「わかった」と言っているのに“Are you sure? Is it crystal clear?”(本当? 本当にしっかり理解した?)とあまりにも聞かれるので、自然と覚えました。早く、本当の意味で英語が私にとってcrystal clearな言語になることを、私も祈っています。

Illustration=Norio

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連載
英語力0.5レッスン「人のEnglishを笑うな」

英語力ゼロのまま渡英、行けばなんとかなると思いつつなんともならなかった2年間のイギリス生活。帰国後はせっかく覚えたいくつかの英単語も忘れ去り、それでも時々は英語と格闘してみる現在、40歳。いつかはうまくなりたいから、恥を忍んで今日もブロークンイングリッシュ。下手でもいいじゃない、やろうと決めたんだもの。

TEXT=MOMOKO YASUI

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