映画やドラマでひっぱりだこの俳優・滝藤賢一さん。その家族愛は有名であり、親子6人で2LDK住まいだった話は、さまざまなテレビ番組などで語られてきたエピソードだ。しかし、そんな滝藤さんがついに2LDKを飛び出したという。その情報を聞きつけたゲーテ編集部は、インテリアショップ巡りに同行。ファッションや園芸など、多趣味で知られる滝藤さんのインテリアに対する情熱を追いかけた。「ハーマンミラーストア青山」に続き、訪問したのは「FRITZ HANSEN TOKYO」。
愛妻家の感性に共感する
次いで、滝藤賢一さんが訪問したのは「フリッツ・ハンセン」。1872年に創業したデンマークの老舗家具ブランドで、アルネ・ヤコブセンやポール・ケアホルムなどデンマーク出身の巨匠デザイナーと共に美しい家具たちを作ってきた。
今回訪れた「FRITZ HANSEN TOKYO」は2021年4月1日にオープン。外苑前駅から徒歩3分という好立地にあり、光が燦々(さんさん)と差し込む明るい店内は2フロア構造だ。Hygge(ヒュッゲ)といわれる北欧の心地よい暮らしを再現している。
滝藤 インテリアに凝り出すと、オリジナルと復刻の違いを楽しむのもひとつの醍醐味。例えば椅子の脚の数は面白い。ほらこの「アリンコチェア」は4本脚になってます。オリジナルのデザインは3本脚でスペシャル感があり、断トツカッコ良い!
スタッフ アリンコチェアは、アルネ・ヤコブセンによってデザインされました。3本脚は美しいのですが、やや安定性にかけるところがあります。しかしヤコブセンは座る人間には2本の足があるのだから安定に問題はないと、4本脚への改良を拒んだそうです。なので4本脚モデルは、彼の死去以降に生産されました。
滝藤 ホントだ! 5本脚だ! なんてこと考えやがるんだヤコブセン! 脚の数が1本違うだけで、全然違った印象になりますものね。こちらは定番の「セブンチェア」ですが、どうして”セブン“なんですか?
スタッフ 色々な逸話がありますが、本当のところは、製品番号の末尾が“7”だからです。
滝藤 なんだ、意外と普通の理由だなぁ(笑)。でもフリッツ・ハンセンには、素敵な椅子が多いですよね。ダイニング用の椅子はあえて統一せず、好きなものを集めた感じもいいかもな。しかも価格帯がこなれていますね。
スタッフ セブンチェアは約800万脚も販売され、世界で最も売れた椅子といわれています。こういった椅子はフリッツ・ハンセンのエントリーモデルですので、意識的に購入しやすい価格にしています。
滝藤 素晴らしいですね。しかもカラーバリエーションも豊富。カラフルな椅子が部屋にあると、毎日の生活が明るくハッピーになりそうですね。
スタッフ ちなみにこの「ドロップ」は、デザイナーのアルネ・ヤコブセンが、奥さんのお尻の形をイメージしてデザインしたそうです。雨粒型のシェルは座っている奥さんの体がよく見えるようにしているのだとか。
滝藤 奥さんの体をよく見えるようにだなんて……、まるで、僕のために作られた椅子じゃないか… 。
スタッフ こちらにあるのが、フリッツ・ハンセンのアイコンともいえる「エッグチェア」と「スワンチェア」です。
滝藤 知っていますよ、SASロイヤルホテルのためにデザインしたんですよね。どちらも雑誌などでは見たことがありますが、座るのは初めて。「エッグチェア」はかなり大きいな。
スタッフ レザー張りの場合、牛二頭分のレザーを使用しています。
滝藤 包まれるような感覚で、リラックスできそう。でも個人的には「スワンチェア」が好みですね。座り心地もいいし、この動き出しそうなデザインも好き。
スタッフ 世界の家具デザインのアイコンですからね。ちなみにサイズは1つですが、座面の高さは2種類あります。
滝藤 なるほど、滝藤家には高い座面の方が良さそうですね。男の子3人いますから。椅子自体はそれほど大きくないので、4脚くらい置いたりして。贅沢だな(笑)。若い頃に、インテリアショップが多く立ち並ぶ目黒通りを通っては、奥さんと一緒に家具巡りをしていました。その頃から、北欧家具には憧れがあります。
次世代を担う新進気鋭のデザイナーの作品もずらり
滝藤 フリッツ・ハンセンでは小物もたくさん扱っていますね。僕はとにかく真鍮モノに目がない。このフラワーベース、素敵ですね。
スタッフ これは「イケバナ」という製品で、花を1本1本、綺麗に飾ることができます。
滝藤 イケバナって、日本の生け花のことですか? デザイナーは日本人?
スタッフ こちらはハイメ・アジョンというスペインの人気デザイナーが手掛けました。彼は他にも「ロオチェア」という1.5シーターのラウンジチェアをデザインしています。フリッツ・ハンセンでは、アルネ・ヤコブセンやポール・ケアホルムのようなレジェンドデザイナーだけでなく、ハイメ・アジョンのような次の世紀を担うデザイナーとも組むことで、幅広い製品構成になっています。
滝藤 色々な時代やスタイルがあるけど、どこか統一感があるから、居心地のいい空間になるのか。そういえば、キャンドルホルダーもたくさんありますね。
スタッフ 実はデンマークは、キャンドル消費量世界一。冬が長い国で太陽光も弱いという理由もあって、家のいたるところにキャンドルを灯して暮らしています。光を大切にしているんです。
滝藤 光ひとつにもこだわって過ごす……。そういう生活って憧れますね。
FRITZ HANSEN TOKYO
住所:東京都港区南青山2-27-14 1F・2F
TEL:03-3400-3107
営業時間:11:00〜19:00
定休日:無休 ※2022年12月31日~2023年1月3日は休業
Kenichi Takitoh
1976年愛知県生まれ。2023年1月13日に初主演映画『ひみつのなっちゃん。』が公開。ドラァグクイーンたちの“ひみつ”をめぐる、ハートフル・ヒューマン・コメディとなっている。また、主演ドラマ『家電侍』(BS松竹東急)が1月4日21時〜放送。3月19日からはドラマ『グレースの履歴』(NHKBSプレミアム)がスタートする。現在、『探偵が早すぎる 春のトリック返し祭り』DVD-BOXが絶賛発売中。