35歳・英語力ゼロなのに、会社を辞めていきなり渡英した元編集者のお話、第165回。連載【英語力0.5レッスン「人のEnglishを笑うな」】とは……
トラヌタヌキノ、カワザンヨウ?
いつもの通り、日本語ペラペラのイギリス人とスカイプで話していました。
私が「イケメンにこう言われてしまったのだが、どう思う?」「困っちゃうなww」と年甲斐もなく、キャッキャと一方的に話していたら。
Don’t count your chickens.
と突然英語で言われました。
直訳すると「お前のチキンを数えるな」。
何を言われたのかさっぱりわからず、無視して話し続けたところ。今度は日本語でこう言われました。
トラヌタヌキノ、カワザンヨウ
これも一瞬何を言われているかわからなかったのですが、
捕らぬ狸の皮算用
のことでしょうか。
あとでこっそり調べてみたら。
Don’t count your chickens.とは、ことわざの一部で、全文は
Don't count your chickens before they are hatched.
ということになるそうです。「卵が孵化する前に、お前のチキンを数えるな」ということで、まだ孵化していないのに、「チキン食べれる〜」とはしゃぐな、ということでしょうか。まさに「獲ってもいない狸の皮を何に使うか考えてはしゃぐな」という「捕らぬ狸の皮算用」と意味は全く一緒です。
私は、先の会話で「イケメンに言い寄られて困っている」みたいな言い方をしていましたが、そもそも言い寄られていないし、勝手に困っているだけなので、会話の相手から見たらまさに私が「捕らぬ狸の皮算用」ならぬ「孵化してもない卵を前にチキン料理を考えている」状態だったのでしょう。
「だったら誰かいい人紹介してくれないかな」とぼやいたところ、彼女はこう言いました。
You can count on me.
直訳すると、「私を数えていいよ」。また“count”が出てきました。これは「私を頼りにしていいよ」ということ。まぁ、「誰か紹介するよ」と言っているのでしょう。
「でも、だいたい男友達イギリス人だから、もっと英語勉強したら紹介してあげるよ」
とのことでした。
英語を勉強するモチベーションがますます上がり、まだ紹介してもらってもいないのに、デートの時はどんなフレーズが役立つのかなど、調べてしまいました。まさに、捕らぬ狸の皮算用、“Don’t count your chickens.”とはこのことでした。
Illustration=Norio
連載【英語力0.5レッスン「人のEnglishを笑うな」】とは……
35歳・英語力ゼロなのに、会社を辞めていきなり渡英した元編集者による英語力0.5レッスン「人のEnglishを笑うな」。「その英語力でよく来たね(笑)」と笑われて2年後、英語力未だ0.5であえなく帰国。だけど日本にいたって、きっともっと英語は覚えられる! 下手でもいいじゃない、やろうと決めたんだもの。