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2022.07.20

参議院選挙から考える、政治とお金のこと

新型コロナウイルスにより、多くの人がお金について真剣に考えたはずだ。先行きが見えないなかで、今後どうお金と付き合い、増やしていけばいいのか。この連載「アフターコロナのお金論」では、お金のトレーニングスタジオ「ABCash」を運営する児玉隆洋氏が、コロナ後のお金と資産運用についてレクチャー。お金とは何か、投資とは何かを考える。Vol.51。【過去の連載記事】

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株価、経済、政治は連動する

この夏(2022年)、参議院選挙が行われました。選挙運動の途中では、安倍元首相が銃撃されるという大変悲しい事件も起きました。学生時代、歴史の授業などで歴代の首相の暗殺の話は聞いたことがありますが、あくまでも歴史の話。現代においても起きるものだとは全く思っていませんでした。私と同じように、大きな衝撃を受けた方も多いのではないでしょうか。

今回の選挙において、国民の関心は一体どこにあったのか、まずは出口調査の結果から見てみましょう。

お金のトレーニングです。時事通信社が7月10日に行った、参議院選挙の出口調査で有権者が最も重視した政策はなんだったでしょうか?

答えは、「景気・雇用対策」です。「景気・雇用対策」が全体の30%以上を占める結果となったのです。次いで「年金・介護・医療」が15.7%、「子育て・少子化対策」が11.1%と続き、出口調査の結果では生活に身近な政策が有権者から求められている実態が明らかになりました。「物価高対策」は4位、「新型コロナウイルス対策」は8位となりました。

この結果を見てもわかるように、まだまだ日本では自分の生活や雇用、つまりはお金に対する不安を持っている人が多いことがわかります。お金のトレーニングスタジオ「ABCash」の生徒さんも、「漠然と将来のお金に不安を抱えている」「大企業だからといって一生安泰な時代ではなくなったと思う」など、将来の景気や雇用に不安を感じているミレニアル世代が多くいます。

今回の選挙は自民党勝利とニュースでも多く報じられていましたが、それは岸田首相にとって政権運営の追い風となります。衆議院を解散しなければ2025年まで大型の国政選挙のない「黄金の3年間」となるためです。そうなると、以前の「アフターコロナのお金論」でも触れた岸田首相が掲げる新しい資本主義・資産所得倍増計画も進みやすくなると考えられます。資産所得倍増計画では、資産運用をすることも大事になってきますが、それには株価も気になるところです。

では、お金のトレーニング。2017年、菅元首相は株価を表す言葉として、「株価は◯◯の鏡。そして◯◯の先行きを占う先行指標とも言われる」と述べました。この◯◯に入る言葉は何でしょうか?

答えは、「経済」と「景気」です。

「株価は経済の鏡。そして景気の先行きを占う先行指標」ということですが、国民の暮らしぶりが今後良くなると期待できる時は政治の安定を求め与党に支持が集まりやすくなり、そうでない時は逆の結果に向かいやすいという傾向があると言われます。

さらに世界をみてみると、2022年4月フランス大統領選挙の決選投票が行われ、マクロン大統領が再選を果たしました。フランス大統領の再選は20年ぶり。この結果マクロン大統領は2027年まで大統領を務めることになります。しかし、決選投票の翌月曜日の仏株式は下落しました。決選投票に向けマクロン大統領勝利の期待の高まりとともに株価は上昇していましたが、この日は世界的な株式市場下落の影響を受けたと見られます。選挙の期待感で上昇していた株価が、世界の株式市場の影響を受け下落する場合もあるのです。

このように、株価、経済、政治は連動していますので、ここを切り離さずに、大きな視点で捉えることはお金のスキルの基礎となります。

そして、自国だけではなく世界も見据えて未来を予測することもお金の大事なスキルのひとつです。

世界の「政治とお金」をもう少しみていきましょう。

例えば、以前もご紹介したエルサルバドルと暗号資産。エルサルバドルでは2021年にビットコインを法定通貨として導入。銀行口座を持つ人が少なく、海外に出稼ぎに行く人が多いという背景があります。海外から送金するのに、暗号資産であればスマートフォンで簡単に送ることができ、送金コストも省けるのです。

また、バハマとCBDC。バハマで、2020年世界で初めてCBDCとして「サンドドル」が発行されました。バハマは700以上の小さな島で構成され、現金を運ぶコストが高いのです。さらに銀行の店舗が減り、オンラインの金融サービスも普及していません。だから政府はサンドドルの発行で現金の輸送コストを減らしたり、国民が金融サービスにアクセスしやすくなったりする効果を狙いました。

デジタル通貨は世界で続々と誕生していますし、日銀も実証実験を始めています。

さらに、ジンバブエとインフレ。2000年代にハイパーインフレが起きたジンバブエでは、貨幣価値が下がり、パンを買う時に紙幣を台車で運ぶほどになりました。

でもこれは他人事ではありません。かつて戦前日本でも強いインフレがおきました。その時に「貯金・現金」だけで資産を保有していた富豪の多くが破産してしまったのです。つまり資産の分散ができていなかったのです。

ABCashでも「卵を1つのカゴに盛るな」という、資産形成の基本の基から教えて、それをちゃんと実践するところまでサポートするようにしています。貯金・現金だとリスクがありますし、円安の今では貯金・現金だと資産価値がどんどん目減りしている状況です。でも、そうと知っていながらも資産の分散という行動に移せていない日本人はきっと多いのではないでしょうか。

政治とお金。堅苦しいように見えますが、私たちの生活に一番影響があるといっても過言ではないと思います。金融教育が高校で必修化された今、政治のこともお金のことも学生が日々学んでいる時代です。私たちも学んだことを復習し、さらに新しいことを学び続ける姿勢を失ってはいけません。

人生100年時代と言われる今、そして変化が激しい時代の今では、お金のリテラシーを学び続けることは全ての人に求められる時代なのです。

Takahiro Kodama
1983年宮崎県生まれ。大学卒業後、サイバーエージェントに入社。Amebaブログ事業部長、AbemaTV広告開発局長を歴任。2018年、海外に比べて遅れている日本の金融教育の必要性を強く感じ、株式会社ABCashTechnologiesを設立。代表取締役社長に就任。2019年、すごいベンチャー100受賞、スタートアップピッチファイナル金賞。趣味はサーフィン。

ABCashについて

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