今年、創業150周年を迎えるデンマーク発インテリア「フリッツ・ハンセン(FRITZ HANSEN)」。150周年を記念して4月29日(金)までの期間限定で、東京・九段ハウスで「フリッツ・ハンセン 150 th―タイムレスデザインの証 」展を開催している。事前予約制だが予約が埋まりつつあるので早めにチェックをしたい。
東京・九段ハウスが名作家具により、異次元の美しさに包まれる
舞台となるのは東京・九段下の歴史ある邸宅「九段ハウス」。昭和2年に竣工し、太平洋戦争で周辺の多くの建物が消失する中、激動の時代を乗り越え、ほぼ建築当時のままの姿を今に伝えている登録有形文化財だ。
「フリッツ・ハンセン」のコレクションが、約95年前に建てられその建築物内の至る場所に展示された様は、まるで九段ハウスが邸宅としての息を吹き返したかのよう。その生き生きとした美しい光景に驚かされるだろう。
この展示会では「フリッツ・ハンセン」の歴史を紹介するほか、デンマークデザインの父と呼ばれるアルネ・ヤコブセンが建築からインテリア、プロダクトデザインまで手掛けたコペンハーゲンの「SASロイヤルホテル」606号室のオマージュや名作家具のアニバーサリーモデル、現在のコレクションが展示されている。
「エッグチェア」「セブンチェア」「PK31」などの名作家具や、照明やインテリア小物などが揃うのでそれぞれのアイテムはもちろんのこと、それらを彩る空間づくりにも注目してほしい。インスピレーションを刺激するような発見があるはず。
また、九段ハウスはアーチ、スパニッシュ瓦といった趣深い装いに加え、1階にはスクリーンポーチ、2階にベランダ、3階には屋上など、半屋外空間が多数存在し、四季を肌で感じることができるのも魅力のひとつ。3階の屋上にお目見えしたのは、2021年にフリッツ・ハンセンが傘下に収めたアウトドア家具ブランドSKAGERAK(スカゲラック)。1976年に創業したSKAGERAKの家具は、何世代にもわたって愛されるデザインなので、こちらもチェックを忘れずに。
デンマーク発祥の家具の進化を体感できる特別展
1872年にデンマークで創業した「フリッツ・ハンセン」は、アルネ・ヤコブセン(1902-1971)、ポール・ケアホルム(1929-1980)、ハンス・J・ウェグナー(1914-2007)などの巨匠たちと共に、北欧デザインの輪郭をつくりあげてきた。
そして現在、キャスパー・サルト(1967-)、ハイメ・アジョン(1974-)、Nendoをはじめとする、世界の第一線で活躍する若手デザイナーたちとともに名作家具を生み出している。
デザインとクラフツマンシップにおいて、真のラグジュアリーと言えるものは「時間の試練に耐えることができる」という想いを持つ、フリッツ・ハンセン。過去のデザインの伝統を継承し、次世代の名作を作り続ける想いを体感できる特別展では、こんな家具と人生を共にしたいと思える体験を味わえるはず。
フリッツ・ハンセン 150thータイムレスデザインの証
会期:2022年4月16日(土)~29日(金)
時間:10:00-18:00
会場:九段ハウス
東京都千代田区九段北1-15-9
入場料:無料
来場方法:予約サイトにて。※新型コロナウィルス感染拡大防止対策として、予約制。