35歳・英語力ゼロなのに、会社を辞めていきなり渡英した元編集者。「その英語力でよく来たね(笑)」と笑われて2年後、英語力未だ0.5であえなく帰国。だけど日本にいたって、きっともっと英語は覚えられる! 下手でもいいじゃない、やろうと決めたんだもの。英語力ゼロレッスン「人のEnglishを笑うな」第113回!
メロドラマは石鹸オペラってどういうこと?
オンラインの日本語レッスンでは、流暢な日本語を使う外国人に混じって、「日本語はあまりわからないけど日本のことを知りたい」という人もときにはやってきます。その場合は、拙い英語で話すしかなく、自分が英語のレッスンを受けるときよりもハードです。
先日はあるイギリス人女性にこう聞かれました。
「日本ではどんなドラマが流行っているの?」
海外の人も比較的知っている日本のドラマといったら「花より男子」なので、「まぁ、今のドラマではないけど」と付け加え、このドラマを説明してみたところ。
Is that soap opera?
(それはソープオペラ?)
と聞かれました。
「ん? オペラではないけど?」 と不思議に思いましたが、こういうことでした。
soap opera=メロドラマ
人々の生活や人間模様を描いたドラマのことで、ケンブリッジの英英辞典ではこう説明されていました。
a television program, usually broadcast five days a week, about the lives of a particular group of characters
(通常週に5回放映されるテレビ番組で、特定のグループの人々の生活を描く)
これはアメリカ英語の説明で、イギリス英語の場合broadcast five days a week(週5回の放送)、という説明はありませんでした。しかし「朝ドラ」「昼ドラ」は平日毎日やっていることを考えれば、納得できます。
この言葉の語源は、アメリカで日中に流れていたラジオドラマのスポンサーが石鹸会社だったことからきているそうです。日中、主婦が聞いているから、石鹸のCMが流れる、ということだったのでしょうか。
ちなみにレッスンで聞かれた「『花より男子』がsoap operaかどうか」という問題ですが、これは学園の中の人間関係を描いていますので、そう呼んで問題ないと思います。ただ個人的には「メロドラマ」といったら、小沢真珠さんが印象的だった昼ドラ、「牡丹と薔薇」みたいなドロドロした作品を思い浮かべます。
「そういえば、最近、昼ドラって見ないな?」とふと思って調べてみたら、もうこの「昼ドラ」枠そのものが今はなくなっていました。深夜枠ではメロドラマは健在ですが、昼間の明るい光の中で見る愛憎劇の方が、背徳感があったなぁと懐かしく思っています。
英語は地球規模で驚く!?
英語でもメロドラマを見てみよう、と思いいくつか見ていますが、どうもメロドラマは登場人物が多く関係も複雑で、よくわからないままに挫折してしまうことが多くあります。
しかしそんななかでしょっちゅう聞く言葉を発見しました。
How on earth do they do that?
「どうやって地球でそんなことができる?」
といった意味でしょうか。これは結構感情的になっているシーンでよく使われています。
How on earth=なんでそんなことをしたのか
「本当に信じられない」「バカじゃないの」といった、ネガティブな驚きを強調する時に使う言葉だそうです。
ちなみにこのearthをthe hell(地獄)に置き換えてもいいようで、こういうセリフもよく聞きます。
What the hell are you doing!?
「マジでお前なにやってんの!?」というようなことでしょうか。驚くと、地球、さらに地獄にまで英語は規模がひろがるのだなぁと、メロドラマのストーリーは全然把握できないながらも、興味深く感じました。
Illustration=Norio