ヴィエリス代表取締役であり、大の読書家である佐伯真唯子が選書。ビジネスパーソンに薦めたい本とはーー。
吉本興業に学ぶ、起業のあるべき姿
ダウンタウンの元マネージャーであり、吉本興業会長の大﨑 洋さんと、あの『ビリギャル』の著者で吉本社外取締役も務める、坪田信貴さんが行ったトークショーの内容をまとめた本書。
いわゆる「吉本騒動」で同社に怖いイメージを持ったこともありましたが、坪田さんにコロナ感染が疑われた時、大﨑さんはなんと、坪田さんに会長宅での療養を勧めたそう。
そんな大﨑さんの人情味溢れる話が満載で、吉本自体の印象もがらりと変わりました!
特に印象的だったのが、大﨑さんが思いつきで始めたという沖縄国際映画祭の話。
ノウハウも何もないところからスタートして、毎年6億円の赤字を出し、大変な思いをたくさんしながらも、地元の人たちと一緒にお祭りを作り続け、町を盛り上げてきた吉本。
「地方に行き、手作りで大きなお祭りを作るのもお笑い芸人の役割」
「公共性のあることにお笑いの吉本が関わっていきたい」という大﨑さんの考えは、ビジネスと地方創生のあり方について大きな示唆(しさ)になると思います。
吉本興業という日本屈指のエンタメ企業がこれから何をし、社会に対してどんな役割を果たしていくのか。
その未来戦略が詰まった濃密な1冊です。
『吉本興業の約束 エンタメの未来戦略』
大﨑 洋 坪田信貴 著
文春新書 ¥850