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2020.07.20

アフターコロナのお金論④「家を買うという選択、家を貸すという選択」ABCash児玉隆洋

新型コロナウイルスにより、多くの人がお金について真剣に考えたはずだ。先行きが見えないなかで、今後 どうお金と付き合い、増やしていけばいいのか。この連載では、お金のトレーニングスタジオ「ABCash」 を運営する児玉隆洋氏が、コロナ後のお金と資産運用についてレクチャー。お金とは何か、投資とは何かを考える。

アフターコロナのお金論

住宅ローン、不動産投資のファイナンシャルポイントとは?

リモートワークの浸透で働き方が大きくアップデートされています。企業も強制的にリモートワークを導入せざるを得なくなり、今まで見えなかったリモートワークのメリットとデメリットも見えるようになりました。ここから世界中で、働き方の次の当たり前が構築されていく。そんなタイミングで見直されるのは、人生最大の支出である「住居」です。

ビフォーコロナでは、住むことが主目的でしたが、これからは住みながら仕事もできる場所、という概念に住宅も進化していきます。そういう転機ですので、これからの人生や働き方を考えて、引越しや住居購入を検討されている方もきっと多いのではないでしょうか。そして購入する場合は、ほとんどの方が住宅ローンを借りることになると思います。ここに大きなファイナンシャルポイントがあります。

そこで今回のテーマは、住宅です。前回に続き住宅第2弾となる今回は、住宅ローンと不動産投資のファイナンシャルポイントをお伝えします。

スーパーのお惣菜があと10分で50円引きになると待つけど、住宅ローンの金利を工夫することに時間を使うのは難しいし面倒だからいいや、となっている人も多いのではないでしょうか。確かに、金融はものがあるわけではないのでなかなか捉えにくいのですが、頑張って工夫して金利は徹底的にこだわるべきだと思います。なぜなら少しの工夫で支払額が大きく変わるからです。

例えば、金利が1%違うだけで、どのくらい支払額が変わるのか。住宅ローンの借入額5000万円で返済期間35年の場合、金利が1%だと利息だけで約900万円、金利が2%だと利息だけで約1900万円の支払総額となり、その差は約1000万円にもなるのです。

ではなぜ多くの人が、実は私もそうでしたが、金利などの金融分野を苦手とするのでしょうか。その理由として、金融は手にとって触れられるものではないので、イメージがしにくいからです。さらに、学校でお金の基本を教えてもらう機会がなかったことにも原因があると思います。

海外に比べて日本の金融教育はまだ遅れていますが、ついに2022年から高校生の授業で金融教育が行われることが発表されました。 ’22年以降、英会話教育、プログラミング教育に続く、日本の新しい教育は金融教育となります。 ですので、これからの若い世代は当たり前のように金融リテラシーを身につけて、社会にでてくることになるでしょう。人生のお金のことについて、他人に言われるがままではなく、自分で納得して決断する人が増えるのです。そういう若手社員に、「先輩! 住宅ローンの変動金利と固定金利、勉強したこと忘れちゃって、どっちがどういいのか教えてください!」と聞かれるシーンがあるかもしれません。

それではお金のトレーニングです。

住宅ローンで家を買う場合、変動金利か固定金利か、どのポイントで判断すればいいのでしょうか?

今後の金利動向は誰にもわかりませんが、借入期間が長ければ長いほど金利上昇リスクは高まります。変動金利の場合、金利上昇というリスクを抱えます。ただ変動金利のメリットとして、スタート時の金利は低く 設定されるというメリットがあります。ですので、資金余裕があり返済期間が短い場合は変動金利のメリットを最大享受できますし、反対に、資金余裕がなく返済期間が長い場合は固定金利のほうがリスクを下げられるということです。このポイントをもとに、資金余力と返済期間から最終判断するべきです。

もう一つお金のトレーニングです。

投資用不動産を買って家賃収入を得る場合、広告に書いてあった利回り10%で収支をシミュレーションして大丈夫でしょうか?

これは危険です。広告に書いてあるのは表面利回りである場合が多く、この表面利回りには実際に費用として支払いがかかる固定資産税や管理費などの諸経費は考慮されておりません。諸経費まで考慮された利回り を実質利回りといいますが、収支のシミュレーションは実質利回りでやっておかないと家賃収入と返済バランスが計画と変わるので危ないのです。大事なのは実際にかかるキャッシュフローを計画できるかです。ちなみに、表面利回りをグロス、実質利回りをネットと呼ぶこともあります。

また、投資用不動産を買う場合、不動産仲介の両手と片手のメリット・デメリット、利回りの相場と計算式 (表面利回りは、想定年間満室家賃÷物件価格×100だけで計算できます)、キャッシュフロー、REIT(不動産投資信託)という金融商品があること、不動産投資ローンの相場(一般的に住宅ローンの約2~3倍程度です)、住宅ローンと投資ローンの審査ポイントの違いなどが説明できるレベルに知識をつけてからスタートすることをお薦めします。不動産投資は、魅力的にみえるので飛びつきたくなるかもしれませんが、投資額も大きいため後悔しないようにしっかり準備しましょう。

少し前の時代だと、お金の知識をつけることは難しかったかもしれません。でも今はインターネットも当たり前になり、日本の文化も変わりつつあります。お金とは汚いもの、子供はお金のことなんて考えなくていい。そういう文化だった時代から、子供たちが義務教育として金融教育を受けることができる、日本はそういう社会にアップデートされます。

日本の文化も、今まさに変わる節目なのです。

Takahiro Kodama
1983年宮崎県生まれ。大学卒業後、サイバーエージェントに入社。Amebaブログ事業部長、AbemaTV広告開発局長を歴任。2018年、海外に比べて遅れている日本の金融教育の必要性を強く感じ、株式会社ABCashTechnologiesを設立。代表取締役社長に就任。2019年、すごいベンチャー100受賞、スタートアップピッチファイナル金賞。趣味はサーフィン。

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