35歳・英語力ゼロなのに、会社を辞めていきなり渡英した元編集者。「その英語力でよく来たね(笑)」と日本人含め各国人からお叱りを受けつつ、覚えたフレーズの数々。下手でもいいじゃない、やろうと決めたんだもの。「人のEnglishを笑うな」第54回!
ビジネス用語としても頻発、知らないと恥をかく!?
以前、仲間内で飲み会のセッティングをしていた時のことです。
参加者が大人数になるのなら会場を変えようと考えた幹事が、こんなメッセージを送ってきました。
If you want to come, please give me a reply ASAP.(もし来たいなら、ASAPで返事をください)
よく「メールじゃなくてLINEに返事して」と言われたりすることありますよね。ASAPがなんだかわからず……私の知らないメッセージアプリのことなのかと一瞬思ってしまいました。
ASAP = As Soon As Possible(できるだけ早く)の略でした。
このASAP(「エー・エス・エー・ピー」または「アサップ」「エイサップ」と発音します)は、メールなどの文面で使われることが主で、時にはビジネスメールなどでもみかけます。ただそこまで丁寧な言い方ではないので、社内や部下への指示など、仲間内での使用が多いかと思います。
一方で「“なるべく早くしてほしい”を取引先に丁寧に伝えたい」場合は、“As soon as you get a chance(お時間がある時に、なるべく早く)”と言って、相手のスケジュールを思いやる表現を入れる、というイギリス人ビジネスパーソンもいました。
他にも、このような略式の表現がメールやSNSでよく見られます。
BTW = By the way(ところで)
FYI = For your information(ご参考までに)
THX = Thank you(ありがとう)
ケンブリッジの英英辞典ではこのような例文が紹介されています。
I hope you enjoyed your holiday in Florida. BTW, can you recommend a good hotel?(フロリダ旅行楽しんでね。ところで、どこかおすすめのホテルある?)
FYI,tomorrow’s staff meeting is scheduled for 10A.M.(ご参考までに、明日のスタッフミーティングは10時からです)
BTWは話題を変える時、FYIは「知っておくといいかもしれない」情報を相手に伝える時に使います。
THXは、上記2つよりさらにカジュアルに、仲間内のSNSなどで使われているようです。
またASAP、BTW、FYIは、日本でもビジネス用語として知られており、
「この資料、ASAPで目を通しておいて」
というふうに日本語に交えて日常的に使っているビジネスパーソンも多いそうです。ただ、「エー・エス・エー・ピー」って言うくらいならもう「至急」って言えばいいのにな、とは思いますが(ちなみに私は、以前日本で、他業種の方に「バジェットがショートして企画がポストフォーンした」と言われて、ついイラっとして「予算が足りず、延期になったんですね」と少しキレ気味で言い直してしまったことがあります。大人げなかったかなとは、反省しています)。
お酒好きは覚えておこう! 世界の「酒屋」の言い方
現在、私は「イギリス英語」の教科書を使いながら「オーストラリア人教師」にオンラインで英語を教えてもらっているため、毎日少しづつ、その違いを学んでいます。今回驚いたのは、「酒屋」という単語です。
Off-licence=(イギリス英語)酒屋
Bottle-o=(オーストラリア英語)酒屋
お酒好きの人が外国に住むことになったら、なるべく早く「酒屋」という単語を覚えておくと、街の酒屋を見つけやすく暮らしやすくなります。私も渡英2ヵ月以内にはこの”Off-licence”を覚えました。「店内で、客に酒を飲ませる店」はライセンスが必要で、「酒屋」は「店内では飲ませない」ため、“Off-licence”というのだそうです。
オーストラリアでは“Bottle Shop”または“Bottle store”といい、それを略してみなさん“Bottle-o(ボトロー)”と呼ぶのだそうです。
ちなみに「若者が“Bottle-o”で買うのは“Goon”だ」とオーストラリア人教師のベティが言っていました。“Goon”とは、大きな紙パックに入った格安ワインのことで、「悪い酒だから、めちゃくちゃ二日酔いするし、別名は“Shit wine(クソワイン)”」と言い切っておりました。
日本にも、大きい紙パックのワインはありますが、それよりも、ペットボトルに入った5リットルの焼酎の方がこの“Goon”のイメージ近いのかな、となんとなく思いました。
MOMOKO YASUI
ロンドン在住編集・ライター。1983年生まれ。男性ライフスタイル誌、美術誌、映画誌で計13年の編集職を経て2018年渡英。英語のプレスリリースを読むのに膨大な時間がかかって現在、仕事が非効率。