ゲーテ創刊10周年を記念し、読者とともに「これからの10年」を 考えるイベントが、2016年4月、パークハイアット東京で開催された。大物ゲストによる熱気溢れるトークライブに、参加した読者は大盛り上がり!
「これからの10年」を闘う賢者のヒントがずらり
「今日ご登壇くださるのは、まさに『ゲーテ』を体現する方々です」
冒頭の挨拶で、本誌編集長がそう口火を切った。3部構成のトークライブに登場するラインナップを見れば、確かにそのとおり。10周年を迎えた『ゲーテ』はこれまで、「仕事が楽しければ人生も愉しい」という編集方針を一貫して掲げてきた。言うは易く、行うは難しのキャッチフレーズだが、今回の登壇者はまさにこの名言を実践し続けてきた稀有な人物揃いだ。
第1部に登場したのは、ゼットン代表取締役会長の稲本健一氏と、アスロニア代表取締役の白戸太朗氏。両人には、トライアスロンを介した強い結びつきがある。
飲食業を広く展開する稲本氏は、日本を代表するトライアスリート・白戸氏の指導を仰ぎながら、これまで競技に打ちこんできた。ハードな経営の傍ら、身体を動かすことで世界の見え方が変わるというのが両人の共通見解だ。
「例えば出張先でも朝一番で自転車で走ると、その街のスケール感や雰囲気を肌身に感じ、その後のビジネスが変わる」と白戸氏が話すと、「確かに仲間と走った後はポジティブな会話しか生まれなくなる」と稲本氏が頷く。
10年後の展望については、「今以上に要らないものを削ぎ落とし、人生を楽しみ、闘える身体づくりをしたい。1週間に1回は徹底的にトレーニングする時間を自分のためにロックすることも大切」と、稲本氏が体力増強の重要性を強調。白戸氏も「いつまでも闘える身体で、トライアスロンの楽しさを伝えていきたい」と熱い想いを語った。
第2部は、建築家・谷尻誠氏の仕事術に迫った。住宅や商業施設を多数手がけ、世界各国からもオファーが絶えない。幅広く仕事を展開できる秘訣を尋ねると、「これという作風を持たない。その都度ゼロから考え、捉われないことが僕の特長なんです」と持論を展開。本拠を広島に置き、「東京で刺激され、物事をゆっくり考えるのは広島で」と使い分けるスタイルも、この先変える予定はないという。
「〝違和感〞や〝新しいこと〞を感じ取る自分であるために、このほうがいいんです」と個性的な美学を語り、会場を魅了した。
秋元康、小山薫堂、見城徹も登壇!
ラストのトークライブは秋元康氏、小山薫堂氏、見城徹によるもの。年に一度、恒例となったレストラン特集でも競演する3人だが、ヒットを生み続ける方法論やクリエイティヴの源泉を、惜しげなく披露した。
「マーケティングとかでなく、企画は自分がまず顧客としてそれを欲しいかどうか?という発想で考える」と小山氏が切りだすと、「当たるものなんて氷山の一角。でも創っている時が一番楽しいのだから、成功も失敗も楽しむ」と秋元氏が説いた。そして最後は「結局、おふたりのように圧倒的努力で〝この人の代わりはいない〞という結果を出すこと。それ以外に成功の道はないということだ」と見城が締め括り、熱い拍手の中、聴衆の心に響く言葉の数々を残してトークライブは幕を閉じた。
*本記事の内容は16年4月取材のものに基づきます。価格、商品の有無などは時期により異なりますので予めご了承下さい。14年4月以降の記事では原則、税抜き価格を掲載しています。(14年3月以前は原則、税込み価格)