健康志向が高まり、身体を鍛える人が増えている昨今。お隣・韓国でも全国各地で大小さまざまなボディビル大会や"美ボディ・コンテスト"が開催されており、ここから輩出された"マッスル美女"たちが脚光を浴びている。美しくもしなやか筋肉美をもつ女神をシリーズで紹介する。
「二兎を追う者だけが二兎を得る」を体現してみせたシン・ソウォン
2016年の『マッスルマニア世界大会・韓国選抜戦」で女子部門グランプリに輝き、勢いそのままに同年に行われた『マッスルマニア・マイアミ世界大会』でミス・ビキニ部門2位を獲得したシン・ソウォン。
韓国はもちろん、世界的な“美ボディクイーン”として認められるほどの実力を誇っている彼女のことを、フィットネスの世界に詳しくなくても知る者は多い。
というのも、シン・ソウォンの本職は女優でもあるのだ。2017年には日本でも有名な韓流スターであるイ・ジュンギ主演ドラマ『クリミナル・マインド:KOREA』にも出演。映画にも出演している。
女優として活躍する彼女がフィットネスの世界に踏み入るようになったきっかけは何だったのだろう。シン・ソウォンは言う。
「7歳の頃から女優になりたいという一心で頑張ってきましたが、なかなかチャンスが巡ってきませんでした。ただ待ってばかりもいられないので、健康で美しい体を作りフィットネス大会に出場して、自分だけの“価値”を高めようと決心したんです。外見を磨くことがすべてを解決してくれるわけではないけど、夢のための踏み台になってくれると信じて体づくりを始めました」
そこで目標に定めたのが韓国最高峰のボディビル&フィットネス大会「マッスルマニア」への出場だったそうだが、スポーツ実績はゼロ。加えて大会まで残された期間はたったの2ヵ月。無謀ともいえる状況下での挑戦だったそうだが、むしろそれがプラスに働いたという。
「これをやり遂げなければ役者の夢は諦めるという覚悟で、チャレンジしましたから。ジムで見習いスタッフとして働いて、朝6時から深夜まであらゆる雑用をこなしながら歯を食いしばってトレーニングを続けた結果、2ヵ月で10kgの減量に成功することができたんです」
こうした努力の甲斐あって、2015年の『マッスルマニア世界大会・韓国選抜戦」で大会初出場にもかかわらず4位という華々しいデビューを飾ると、翌年には前述の通り、グランプリを獲得。その後もさまざまな大会を総ナメにしていった。
そして、それからはトントン拍子に好機が舞い込む。前述の『クリミナル・マインド:KOREA』出演オファーが届いたのもその頃で、翌2018年には演劇『雨の日のインタビュー』で初の主演も務めた。
「『クリミナル・マインド』は端役でしたが、ドラマを通じて演技が私の胸をこんなにワクワクさせるのかと改めて気づけました。その後は演劇のオーディションに合格して、ありがたくも“主演”という身に余る栄誉をいただくことができた。自分の価値を高めようと始めた体づくりで、夢を掴めたことをとても嬉しく、誇らしく思っています」
だからこそ今も、女優とフィットネスモデルの仕事を両立させているというシン・ソウォン。二足の草鞋を履くうえで、最も大切なことについて彼女はこう答えている。
「やはり自己管理ですね。私はモデルや女優の仕事をしているため、他の選手のようにオンシーズン・オフシーズン(減量期と増量期)という概念がなく、常に体型の管理をしなければなりません。コロナ禍で家にいる時間が増え怠けがちになった時、体重が6kg増えているのを見て驚きました。その後、食事と運動で調整してなんとか11kgの減量に成功しました。日々自己管理を徹底させることが大事だと、改めて実感しましたよ」
自己管理を怠らない日常を過ごしているからこそ、昨年は韓国で最も知名度の高いフィットネス専門誌『MAXQ』が選ぶ「10大美女」にも選定された。フィットネス選手の活動を減らした今でも多くのファンから愛され、支持されていることがよくわかる。
「ずっと女優になることを夢見てきたので、今もあきらめずに努力しています。フィットネスを通じて、数多くの困難を乗り越えてきたので、演技もそういった覚悟で臨んでいます。フィットネスと演技の力を融合した私だけの魅力を多くの人に伝えたいです」
初めは回り道かとも思えた方法でも、誠意を持って己を高めていったシン・ソウォン。結果的に「二兎を追う者だけが二兎を得る」を体現してみせた彼女の今後に期待せずにはいられない。
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