スポ-ツ選手の使命が試合で勝つことなら、ビジネスパーソンのそれは、仕事で成果を上げること。そんな「ビジネスアスリート」に必要な、機敏に動ける体づくりのメソッドを、五輪メダリストから、メジャーリーガー、プレミアリーガー、名だたる経営者たちまでのトレーニングも担う吉田輝幸さんが紹介する本連載「目指せ!ビジネスアスリート⑦」。最短で最大の効果を生む最先端トレーニングを紹介する。前回に引き続き、背骨の柔軟性を高めるエクササイズ。背骨をやわらかくすることのメリットも再確認しておこう。【吉田輝幸の目指せ! ビジネスアスリート7】
上肢・下肢による寝返りトレーニング
体の末端ではなくコア(体幹)を軸として上半身、下半身を別々に使ってゴロンと寝返るのが体本来のあり方だ。
今回は、上半身には力を入れずに、下半身だけを使う寝返りトレーニング。寝返りをうちたい方向に片脚を大きく動かし、その動きと重さ引っ張られるように下半身が先に回旋、それにつられて上半身が回旋するという下半身と上半身の分離運動だ。
「脚は腕より重さがある分、重みにつられて体幹が回りやすく、前回よりスムーズにできる人もいるかもしれません」
と言う吉田輝幸コーチによると、上肢・下肢による寝返りトレーニングは、前回(上肢)と今回(下肢)をセットで行うことが有効だ。何でも、上半身と下半身を別々にねじりつつ連動させるという動きは、“あのスポーツ”のフォームに絶大な効果をもたらすと言う。ズバリそれは、
「ゴルフのスイングです。上半身を思い切りねじるバックスイングから、一気に戻す勢いに乗って腰が旋回、インパクトの瞬間、最大出力のパワーがボールに伝わり、今度は安定した下半身の回旋でのびやかなフォロースルーへ。『腰を回せ!』とやみくもに頭にたたき込んでも、腰の上下が一緒に回るのとは全く違うのです」
スポ-ツにも、日常動作にも、機能的で効率のいい動きを取り戻すための原点回帰。寝返りトレーニングで「これまでとは、何か違う!」、そんな変化をぜひとも実感してほしい。
▼ローリング・ロウワーボディ
目的:体幹の安定性強化、体幹下部と上部を連動させる
部位:体幹・背骨の下部と上部
〈回数の目安〉3〜5回(左右)
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Teruyuki Yoshida
パフォーマンス、スペシャリスト。トレーナー歴25年で数多くのトップアスリート指導からヒントを得て最短で最大の効果を出せる「コアパフォーマンス®︎」を考案し、数多くのトップアスリートやアーティスト、ビジネスパーソンのトレーニング指導をおこなっている。