GOLF

2026.07.04

球筋が安定しないから、オーバースイングを直す…でもそれは、トップを小さくしても改善しない

「オーバースイングを直したい」「トップをコンパクトにしたい」と思いながら練習しても、なかなか改善できない――そんな悩みを抱えるアマチュアゴルファーは多い。実は、オーバースイングはトップの大きさそのものが原因ではない。飛距離を落とさず、再現性の高いスイングを手に入れるためのポイントを、動画とともに解説する

吉田洋一郎の最新ゴルフレッスン/オーバースイングの直し方。トップを無理に小さくしても改善しない本当の理由

オーバースイングは「トップの大きさ」が原因ではない

近年は男女を問わずトップをコンパクトにするプロが増えている。

PGAツアーではルドビグ・オーバーグやトニー・フィナウが代表例だろう。トップの位置はコンパクトだが、飛距離はツアー屈指である。

日本人選手では、石川遼もスイング改造によってトップをコンパクトにした。また、渋野日向子もトップを以前より小さくし、ショットの再現性向上に取り組んでいる。

アマチュアゴルファーのなかにも「トップを小さくしたい」「オーバースイングを直したい」と考えている人は多い。しかし、実際には簡単ではない。

トップを小さくしようとしても、結局いつも通り大きく上がってしまったり、無理に止めようとして切り返しのタイミングがわからなくなったりすることがある。

動画で確認すると、「かなり小さく上げたつもり」が、実際にはほとんど変わっていないケースも珍しくない。あるいは、無理にトップを小さくしようとして飛距離が落ちてしまうこともある。

なぜオーバースイングになってしまうのか

多くのケースでオーバースイングは、トップの大きさだけに目を向けるのではなく、その原因に目を向ける必要がある。

原因の多くは、体と腕の運動量のバランスが崩れたり、切り返しのタイミングが遅れたりすることにある。その結果、クラブが必要以上に上がり、トップが大きくなってしまうのである。

特に多いのが、体の回転以上に腕を振りすぎるケースだ。右腕の運動量が多くなり、右脇が開きながらクラブを担ぎ上げるような動きになると、トップは自然と大きくなってしまう。

もちろん、ジョン・デイリーや横峯さくらのように、オーバースイングでも活躍した選手はいる。しかし、彼らは特殊な才能と、それを成立させる高い技術を備えた例外的な存在だ。多くのアマチュアにとっては、トップが大きくなりすぎることで再現性が下がり、方向性も不安定になりやすい。

​コンパクトトップを作る2つのポイント

トップをコンパクトにするうえで、まず重要なのが体と腕のシンクロである。

そのために意識したいのが、バックスイングで両肘と胸の関係性をできるだけ変えないことだ。両肘と胸で作られた空間を保ったままバックスイングを上げることで、胸郭の可動域以上に腕が動きにくくなり、トップは自然とコンパクトになる。

もうひとつ重要なのが切り返しのタイミングである。

多くのアマチュアはクラブがトップまで到達してから切り返そうとする。しかし、勢いよく上がったクラブはすぐには止まらない。そのため、切り返そうとした時にはさらにクラブが動き続け、結果としてオーバースイングになってしまう。

一方、コンパクトトップの選手たちは、クラブが上がっている途中で下半身が動き始めている。バックスイングで左腕が地面と平行になるあたりから左足への踏み込みが始まり、上昇しようとするクラブと下半身の動きが拮抗することで、トップが自然とコンパクトな位置に収まるのである。

さらに、この動きは飛距離アップにもつながる。

切り返しで左足を踏み込むことで地面反力を利用しやすくなり、体の回転速度を高めることができるからだ。トップが小さくなっても飛距離が落ちにくいのは、この切り返しの力を有効に使っているためである。

練習で意識したい2つのドリル

実際の練習では、まず体と腕のシンクロを高めることから始めたい。両肘と胸の空間を保つために、両脇にヘッドカバーやタオルを挟んで素振りを行うのも効果的だ。

腕を能動的に振ることを抑え、体と腕をシンクロさせてクラブを上げると、思った以上にトップはコンパクトになるはずである。

そこに、クラブがトップまで上がり切る前に左足の踏み込みを加えていく。クラブがまだ上がっている段階で左足を踏み込むことで、上昇方向の勢いが自然に減速し、切り返しへ移行しやすくなる。

最初は素振りで構わないので、体と腕のシンクロを保ちながら、クラブが上がる途中で左足を踏み込むタイミングを覚えることから始めてみてほしい。

多くのアマチュアはトップを小さくしようとして形ばかりを意識する。しかし、本当に大切なのは形ではなく動きだ。腕を振りすぎないこと。そして、クラブが上がり切る前に下半身で切り返しを始めること。

この2つが身につけば、無理にトップを小さくしようとしなくても自然とコンパクトになり、飛距離を犠牲にすることなく、再現性の高い「飛んで曲がらないスイング」に近づけるだろう。

動画で解説|オーバースイングを改善するポイント

◼️吉田洋一郎/Hiroichiro Yoshida
1978年北海道生まれ。ゴルフスイングコンサルタント。世界No.1のゴルフコーチ、デビッド・レッドベター氏を2度にわたって日本へ招聘し、一流のレッスンメソッドを直接学ぶ。『PGAツアー 超一流たちのティーチング革命』など著書多数。

TEXT=吉田洋一郎

PHOTOGRAPH=小林司

COOPERATION=取手桜が丘ゴルフクラブ

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