GOLF

2026.03.27

「自分に合うギア」がスコアを変える。ジャパンゴルフフェア2026で見つけた注目カスタムギア3選

2026年3月に開催されたゴルフ用品最大級のイベント、ジャパンゴルフフェア2026。会場には最新クラブからトレーニングギアまで、ゴルフの未来を感じさせる製品が数多く並んだ。今回はゴルフスイングコンサルタントの吉田洋一郎コーチが会場で実際に体験し、「これは面白い」と感じた注目ギアを紹介する。カスタムギア編。

「自分に合うギア」がスコアを変える。ジャパンゴルフフェア2026で見つけた注目カスタムギア3選

ジャパンゴルフフェア2026で見えた「ゴルフギア個別最適化」の流れ

開催60周年を迎えた2026年のジャパンゴルフフェア。3日間で68,000人を超える過去最高の来場者が集まるなかで感じたのは、ゴルフ用品も「個別最適化」の時代に入っているということだ。

この流れはレッスンの世界ではすでに主流で、体格や柔軟性、スイングタイプに合わせて指導を変える「カスタマイズ型」へと移行している。そしてその考え方は、クラブやギアの分野にも広がり、自分に合った最適な選択をする時代になっている。

今回の会場でも、その象徴といえる製品が多く見られた。なかでも印象的だったのが、テーラーメイド、USTマミヤ、ザムストの3社のギア。いずれも実際に体験し、そのコンセプトの面白さを実感した。

1.ヘッド×シャフトの組み合わせで最適化。テーラーメイド「Qi4D」ドライバー

まず興味深かったのが、テーラーメイドのフィッティング。

最新のQi4D(キューアイフォーディー)ドライバーは、「フェース・シャフト・ヘッド・フィッティング」という4つの項目を軸に、ヘッドとシャフトを組み合わせることで、ゴルファー一人ひとりのスイング特性に合わせて最適化される設計が特徴だ。

Qi4Dシリーズは、「Qi4D」「Qi4D MAX」「Qi4D LS」「Qi4D MAX LITE」の4つのヘッドをラインナップし、それぞれ慣性モーメントやスピン量、つかまりやすさなどの性能特性が異なる。ヘッド単体でも​理想の弾道に合わせた選択が可能だが、さらにシャフトと組み合わせることで、より高精度な最適化が行える。

Qi4Dシリーズ最新モデルのドライバー/「Qi4D」「Qi4D MAX」「Qi4D LS」「Qi4D MAX LITE」


「Qi4D」最新モデル
理想の弾道に合わせて選べる4つのヘッドタイプ。¥107,800~(テーラーメイド ゴルフ カスタマーサービスコール TEL:0570-019-079)

従来のシャフト選びは「元調子(シャフトの手元側が主にしなる)」「中調子(シャフト全体で自然にしなる)」「先調子(ゴルフシャフトの先端​、ヘッド寄りがしなる)」といった単純な分類が中心​だったが、テーラーメイドはスイング中のフェースローテーションに応じてシャフトを選ぶ新しいアプローチを提案​する。

具体的には、フェースの開閉量が大きい「HR(ハイローテーション)」、開閉量が少ない「LR(ローローテーション)」、その中間に位置する「MR(ミッドローテーション)」の3つにスイングタイプを分類。

1,100万回以上のスイングデータから導き出されたテーラーメイドの純正シャフト「REAX(リアックス)」シリーズが用意されており、スイングタイプに応じて最適な1本を選ぶことができ​る。スイング中のフェース挙動に着目している点が、従来のヘッドやキックポイント中心の選び方とは大きく異なるポイント​だ。

テーラーメイドの純正シャフト「REAX(リアックス)」
三菱ケミカル社との共同開発で誕生した新「REAX」シャフト。先端部がやわらかめの「REAX HR(ハイローテーション)シャフト」は、ヘッドの開閉が多く、リリースのタイミングが遅いタイプに。フェースの開閉量が中間、バランスの取れたスイング特性とインパクトのタイプは、「ミッドチップのREAX MR(ミッドローテーション)シャフト」が最適。先端部が硬めの「REAX LR(ローローテーション)シャフト」は、ヘッドの開閉が少なく、リリースのタイミングが早くフェースターンが少ないタイプに最適だ。

なお、ここからは私自身の​だが、ゴルファーはグリップによってフェースローテーションやリリースのタイミングが異な​る。

例えばフックグリップの人は開閉が少なくリリースが遅く、ウィークグリップの人はローテーションが大きくリリースが早い傾向があ​る。こうした違いを考えれば、ヘッドだけでなくシャフトまで含めて最適化することは、むしろ必然と言える​だろう。

実際に3種類のシャフトを試打してみると、同じヘッドでも振り心地や球筋が大きく変わることを体感できた。ヘッドの性能とシャフトのしなり戻りが組み合わさることで、弾道の高さや球のつかまり方が明確に変わ​る。

さらにヘッドには可変式の「TASウェイト」を搭載し、前を重めや後ろを重めに配置することで、弾道やスピン量の細かな調整が可能だ。

昨年オープンしたテーラーメイドの新施設「Fitting Lab Tokyo」のフィッティングでは、GCクワッドと連動した専用のフィッティングヘッドを使用し、インパクト時のフェース向きや打点位置、クラブ軌道などを数値と映像で可視化し​てくれる。

簡易的には、スイングする流れのなかで腕とシャフトが一直線になるタイミングでタイプを判断し、ボール手前ならハイローテーション、インパクト後ならローローテーション、その中間がミッドローテーションとわかりやすく分類されていた。

フィッティングによってヘッドとシャフトの組み合わせを選ぶことで、純正モデルでも最初から自分に合ったクラブが手に入​る。この“最初から最適化する”発想は、今後のスタンダードになりそう​だ。

2.スイングに応じて挙動が変わる? USTマミヤ「LIN-Q PowerCore」シャフト

シャフトメーカーで注目を集めていたのが、USTマミヤの“逆輸入”モデル「LIN-Q PowerCore」だ。

現在は中元調子で安定した挙動の「BLUE」が先行展開されており、今後は元調子で左を恐れず叩ける低スピンモデルの「WHITE」、中調子で3モデルの​なかで最も高弾道でつかまりやすい「RED」がラインナップされる予定​だ。

興味深いのが、2025年シーズンPGAツアーで3勝を挙げたベン・グリフィンが、このシャフトを使用するようになってから飛距離を伸ばしたこと​だ。

2024年は平均飛距離295.6ヤードでランキング136位でしたが、​2025年4月に同社と契約すると昨季は305.1ヤードを記録し、71位へと大きく順位を上げてい​る。スイング改善の影響もあると考えられ​るが、シャフトとの相乗効果による部分も大きい​だろう。

LIN-Q PowerCoreの特徴は、独自のパワーコアテクノロジーによって、しなり戻りのエネルギー効率を高めている点​だ。

切り返しからインパクトにかけて無駄なエネルギーロスを抑え、ヘッドスピードを効率よくボール初速に変換できる設計。その結果、プレーヤーが強く振らなくても、シャフトが仕事をして飛距離を引き出してくれるのが特徴​だ。

USTマミヤのシャフト「LIN-Q PowerCore」
LIN-Q PowerCore
¥55,000(USTマミヤ TEL:03-6272-9801)

実際に「BLUE」を試打してみると、非常に興味深い挙動を見せ​る。

ドローではしなりとヘッドの走りを感じる一方、フェードではシャフトが引き締まり、ヘッドの動きが抑えられる印象を受けた。同じシャフトでありながら、打ちたい球筋に応じて挙動が変わる感覚は、まるでシャフト自体が自動的に最適化されているかのよう​だ。球筋を打ち分けたい中上級者にとっては大きな武器になると感じた。

実際にヘッドスピード41m/s程度で軽く振ってみても、シャフトが自然に仕事をしてヘッドが走り、約240ヤードの飛距離を記録。クラブに任せて振るだけでも十分な飛距離が得られた点は印象的​だった。この特性は、特に飛距離を求めるシニアゴルファーにとって大きなメリットになる​​だろう。

ゴルファーのスイングや球筋に応じて挙動が変わるこのシャフトは、「自分に合わせる」のではなく「道具が合わせてくれる」という、新しいカスタマイズの形を感じさせるもの​だった。

​3.足元からスイングを変える。ザムストのオーダーメイドインソール

もうひとつ印象的だったのが、ザムストのオーダーメイドインソールだ。

足型に合わせて作る​「Footcraft CUSTOM(フットクラフト カスタム)​」は用途や動きに応じて複数のモデルがあるが、​今回は新たに発売された「GRIP(グリップ)」を紹介する。

ザムストのカスタムインソール「Footcraft CUSTOM GRIP」
Footcraft CUSTOM GRIP
¥10,450(ザムスト/日本シグマックス TEL:0800-222-7122)

ザムストでは、足型計測システムMyFootcraft(マイ フットクラフト)を使用し、3Dスキャンによって足の形状やアーチの高さ、左右差、荷重バランスなどを可視化。それぞれの特性に合わせた最適なインソール提案​を行​う。

実際に足を計測してもらうと、スタッフの方から「体に痛みや違和感はありませんか」と聞かれた。理由を聞くと、私の右足はかかとが外側に傾き、小指側に体重がかかる「スピネーション」タイプ。土踏まずの形状も高くなっており、体に負担がかかりやすい形状だという。

そのデータをもとに、今回はゴルフに最適なモデルのインソールをその場で作製しても​らった。足型計測から成形まで約10分で完了。特別な準備もなく手軽に自分専用のインソールが作れる点も印象的​だった。

歩いてみると、右足の内側にしっかり体重が乗り、スムーズに足が前に出る感覚があ​る。また、「GRIP(グリップ)」モデルの効果か、地面を押す感覚もより強く感じられた。

さらにスイングしてみると、バックスイングで右の内転筋を使う感覚があ​った。これまでにない感覚で、足の構造によって無意識に力が逃げていた可能性に気づ​かされる。

インソールによって自然に右サイドを使えるようになれば、テ​イクバックだけでなくダウンスイングでも右足でしっかりと地面を押すことができるようにな​る。その結果、地面反力を効率よく回転エネルギーに変換でき、飛距離向上にもつながりそう​だ。

ゴルフは18ホール歩くスポーツでもあ​​る。ラウンド後半になると疲れによって体のバランスが崩れ、スイングが乱れることがあ​るが、自分に合ったインソールがあればそれも防げるかもしれ​ない。足元からスイングを支えるという発想は、今後さらに注目されそ​うだ。

​ゴルフ用品も「個別最適化」の時代へ

スイングタイプに合わせてヘッドとシャフトを組み合わせて選ぶドライバー。プレーヤーのスイングや球筋にアジャストするシャフト。そして足の形状に合わせてスイングや体のバランスを整えるインソール。いずれも「万人向け」ではなく、「あなたに合うもの」を作るという発想​だ。

ゴルフは道具の影響が大きいスポーツ​だ。自分に合ったギアを使うことでスイングが変わり、結果も変わる可能性があ​る。ゴルファーにとって、「自分に合った道具を見つける楽しさ」は、これからさらに広がっていきそう​だ。

吉田洋一郎/Hiroichiro Yoshida
1978年北海道生まれ。ゴルフスイングコンサルタント。世界No.1のゴルフコーチ、デビッド・レッドベター氏を2度にわたって日本へ招聘し、一流のレッスンメソッドを直接学ぶ。『PGAツアー 超一流たちのティーチング革命』など著書多数。

TEXT=吉田洋一郎

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