GOLF

2025.04.17

マキロイ優勝の2025年。シェフラー、松山英樹…ロレックスが支えるゴルフ界の最高峰「マスターズ・トーナメント」

マスターズ・トーナメントは、選ばれし者だけが挑めるゴルフ界最高峰の舞台。長きにわたり、その伝統と格式を支え続けているのがスイスの腕時計ブランド、ロレックスである。グリーンジャケット、オーガスタ、そして時間の哲学。その深い結びつきを紐解く。

ロレックスのレジェンドテスティモニー
©Rolex/Chris Turvey

選ばれし者たちが挑む舞台で時を刻み続ける

PGAツアーのメジャー大会のなかでも、「マスターズ・トーナメント」は特別な存在である。

毎年春のジョージア州オーガスタに世界最高峰のゴルファーが集い、「グリーンジャケット」を懸けて戦う。その舞台であるオーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブは、単なる競技場ではない。徹底して管理された自然美、神話的ともいえるホール構成、そして非公開の招待制という格式。まさに“選ばれし者のための聖域”だ。

この伝統と格式の象徴ともいえるトーナメントを、25年以上にわたり支え続けているのが、スイスの腕時計ブランド、ロレックスである。

1999年にトーナメントパートナーとなり、2008年からは「インターナショナル・パートナー」として、より深く大会と関わっている。その関係性は単なるスポンサーの域を超え、競技文化そのものを支える哲学的な結びつきといえるだろう。

ゴルフは“静寂のスポーツ”と称される。マスターズでは選手一人ひとりが秒単位のリズムを持ち、ホール間の移動やショットの準備にも厳格な進行管理がなされており、ティーグラウンド横に設置されたロレックスのクロックはその「規律と緊張感の象徴」として機能。しかもこのクロックは大会期間中、技術者による定期的な調整と点検が行われ、常に信頼できる時間を提供している。ロレックスの精度哲学は、ここオーガスタ・ナショナルでも例外ではない。まさに、ロレックスの存在は「静かなる支配者」と呼ぶにふさわしい。

マスターズの会場であるオーガスタ
オーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブは、マスターズ・トーナメントの舞台として知られるゴルフ界の聖地。美しく管理されたフェアウェイと咲き誇る花々、静寂に包まれた緑の楽園で、世界のトッププレーヤーたちが技と精神力を競い合う。格式と挑戦が交差する場所である。©Rolex/Simon Bruty

「ロレックス テスティモニー」という体現者

ロレックスでは、共通する価値観を体現するアスリートを「ロレックス テスティモニー」と呼び、彼らと単なるブランドアンバサダー以上の関係を築いている。この「テスティモニー」という言葉には、長期的なパートナーシップ、競技への哲学的共感、そして人格的信頼を含めた体現者という意味が込められている。

その代表格が、2022年と2024年にマスターズを制し、現在世界ランキング1位のスコッティ・シェフラーだ。2024年にはパリオリンピック金メダル、フェデックスカップ制覇と圧巻の成績を残し、現代ゴルフ界において最も安定感のある選手のひとりとされている。

2024年のマスターズトーナメントのスコッティシェフラー選手
2022年と2024年にマスターズを制し、ゴルフ界の頂点を極めたスコッティ・シェフラー。圧倒的な安定感と勝負強さで知られ、ロレックス テスティモニーとしてもその名を刻む存在。グリーンジャケットに袖を通す姿は、現代ゴルフ界トップの象徴といえる。©Rolex

「ジャック・ニクラウスやタイガー・ウッズと肩を並べることは、夢のようだった」と語る彼にとって、ロレックス テスティモニーに選ばれたことはキャリアの誇りでもある。2022年の初優勝の際には、前年の覇者・松山英樹からグリーンジャケットを着せてもらうという象徴的な場面も記憶に新しいだろう。

一方、2021年に日本人として初のマスターズ制覇を成し遂げた松山英樹もまた、ロレックス テスティモニーである。アジア人初の快挙として世界を驚かせた彼は、現在も国際大会での活躍を続けており、2025年1月にはPGAツアー通算11勝目を挙げている。

2025年大会ではローリー・マキロイがジャスティン・ローズとのプレーオフを制し、初のグリーンジャケットを獲得した。

マスターズ優勝者に与えられるグリーンジャケットには、公式には語られない逸話がいくつもある。たとえばジャケットは通常、オーガスタ・ナショナルに保管されているが、勝者には翌年の大会までの1年間に限り持ち出しが許される。そして次回大会では、前年の優勝者が新たな勝者にジャケットを着せる。これは格式と伝統の継承を象徴する、唯一無二の儀式である。

ロレックスはこのセレモニーを陰から支える存在であり、勝者の記録と記憶を、広告や映像などを通じて世界に共有してきた。ロレックスの広告に登場するのは、常に「本物の勝者」である。

2024年のマスターズトーナメントの松山英樹選手
2021年、アジア人として初のマスターズ制覇を成し遂げた松山英樹。その勝利は日本ゴルフ界の歴史を塗り替えた偉業であり、世界中に感動を与えた。ロレックス テスティモニーとしても活躍を続け、今なお国際大会で存在感を放つ。©Rolex/Augusta National 2024

マスターズという文化資産への敬意

ロレックスは4つのメジャー大会すべてをサポートしているが、マスターズとの関係性は別格。その理由は、オーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブという「文化資産」ともいえるコースに対する深い敬意にある。完璧なコース管理、厳格な観戦ルール、メディアへの制限、すべてが“格式”のために設計されているのだ。

ロレックスはその思想に共鳴し、広告の数さえ抑制しながら控えめに、しかし確実にブランドを浸透させている。その姿勢こそが、ロレックスをブランド以上の存在に押し上げている所以でもある。

ゴルフの競技時間は長い。1日5~6時間をかけて18ホールを回るなかで、選手たちは集中力と規律を保ち続けなければならない。そのすべての時間に寄り添い、選手の“呼吸”を支えるのがロレックスの役割だ。

マスターズ・トーナメントという舞台において、ロレックスは「記録の支援者」ではなく、「記憶の伴走者」である。勝者が刻む歴史と、観客が目撃する奇跡。そのすべてを時の流れの中に正確に収めること。それこそがロレックスが果たしてきた、そしてこれからも果たし続ける使命なのだ。

ロレックスとマスターズ・トーナメントについてはこちら

TEXT=安部毅

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