ゴルフギアは進化がめざましく、同時にゴルフファッションの多様化がここに来て一気に進んでいる。ギアやレッスンプロに精通するゴルフライター出島正登氏と、ゴルフのファッションとビジネスに注目しているゲーテ前編集長の二本柳陵介が新作を解剖。第4回目の今回は、「PXG『0211 Z』シリーズ」をご紹介! ゴルフギア連載はこちら
“全ての人”がパフォーマンスを高められるゴルフクラブ
アメリカの大富豪、ボブ・パーソンズが2014年に創業されたゴルフメーカー「PXG」。「よい製品を作れなかったら、世に出すことはない」というボブの言葉通り、革命的な開発を続け270を超える特許を取得してきた。そんなPXGが日本市場で新たな革命を起こすために始動。その第一弾が「0211 Z」シリーズ。至高のクラブと評される「PXG」から発売されたエントリーモデルだ。
出島 これまでのPXGのイメージとは少し違う切り口のエントリーモデルが発売されましたね。今回の「0211 Z」シリーズ、僕は良いなと思いますが、二本柳さんはPXG自体のイメージはどうですか?
二本柳 実際に本社(米国)に取材に行かせてもらったこともあります。ゴルフは創業者であるボブ・パーソンズが手がけている色々なビジネスのなかのほんの一角なんでしょうけど、スケールの大きさはインパクトがありましたね。個人的なイメージで言えば、彼にとっては趣味の延長というか、売れなくても痛くも痒くもないって感じで(笑)。
出島 確かにそんな雰囲気は感じますね(笑)。
でも、その趣味を潤沢な資産で突き詰めると物凄いものができるんだなという驚きもありましたね。PXGと言えば、個々に合わせたフィッティングが売りの一つですが、二本柳さんもフィッティングはされましたか?
二本柳 フィッティングはしてもらったんですが、結果的にアイアンは少し重く感じましたね。僕みたいに手で振っちゃいがちなタイプには難しいのかなぁ。でも、ちゃんと当たれば5Iで190ヤードくらい飛んでいたので、ポテンシャルはすごく感じました。
出島 今回の「0211 Z」は手打ちでもいけますよ! 特にアイアンは。
二本柳 使ってみて、どうでしたか?
出島 やさしいですよ、本当に。ボールもかなり上がりやすい。前のPXGは二本柳さんが言うように「上手い人しか使っちゃダメ」みたいなイメージがあったと思いますが、今回のモデルは性能的にも価格的にもやさしくなりました(笑)
幅広いユーザーに浸透させるっていう意味では、手に取りやすい、買いやすいっていうのはすごく大事。顔(ヘッド)の好みはあるだろうけど、とても良いクラブですよ。
二本柳 ちょっと違和感あるけどなあ(笑)。
出島 やっぱり、打ってみないとわからないですかね。
二本柳 飛距離は出るの?
出島 出ます出ます。前のPXG のイメージを持っている人には、最初は受け入れられないかもしれませんね。
二本柳 確かにね。でもPXGのパターは好きなんだよね。ロングパットが寄るイメージがあります。
出島 座りが良くて見た目も格好いいですよね。クラブは見た目重視の二本柳さんには大事な部分ですよね。ブランドとして格好良い系のイメージを持っている人は多いと思うから、PXGを使いたいと思っている人は多かったように思いますけど、いかんせん価格の部分の壁がありましたからね。僕もお金持ちだったら絶対にフィッティングに行っていましたよ。
PXGはこれからどうなっていくのか
二本柳 最初はわーっとみんな飛びついたけど、今は根強いファンがいるブランドというイメージ。今後どのような展開になっていくか注目ですね。
出島 そうですね。だから、好きな人をもう少し増やしたいという意図があるのかもしれないですね。より幅広い人が手に取れるシリーズだと思います。フルオーダーのようなイメージが強かったので、そこが逆に手に取りにくさを強めていた。ただ、メーカーとしての取り組み方は、他とは違う感じがして差別化はされていたので、その特別感を守りながら、日本人向けに進化してほしいなと思っています。
Masato Ideshima(右)
研修生を経てゴルフ出版社に勤務。現在はフリーライターとして、ゴルフメディアを中心に活動。国内男子のAbemaツアーのライターも担当。ゴルフ歴30年。ベストスコア70。研修生時代に工房をしていたこともあり、自身のクラブは自分で調整。年齢と共に効率良く飛ばせて、スコアが出せるギアを探し続けている。
Ryosuke Nihonyanagi(左)
ゲーテ前編集長。長谷部誠『心を整える。』などベストセラー多数担当。長年、アコーディアの会員誌を製作。ゴルフ歴は6年。ギアは見た目派。ウエアは白が好み。スイングを綺麗するのが目標。ベストスコアは81。