GOLF

2021.05.21

チョロしないために! ダウンスイングで前傾角度を保つ方法

世界No.1のゴルフコーチ、デビッド・レッドベターの愛弟子・吉田洋一郎による、最新ゴルフレッスンコラム143回目。多くのアマチュアゴルファーを指導する吉田洋一郎コーチが、スコアも所作も洗練させるための技術と知識を伝授する。

前傾姿勢を保つために骨盤を意識する

スイング中「頭を動かさないように」と指導されたことのある人は多いだろう。世の中には頭を動かさないスイング理論もあるが、多くのツアープロはスイング中に頭の位置が上下左右に移動している。PGAツアー選手の中でも、ローリー・マキロイなど飛距離の出る選手はダウンスイングで頭が下がる傾向がある。

アマチュアの場合、プロとは逆に切り返しで頭の位置が上がってしまい、前傾角度が起き上がってしまう人が多い。ダウンスイングで体が起きてしまうと、体の軸が垂直に近くなり、体が開いたり、クラブが振り遅れてボールの飛ぶ方向が安定しなくなる。

知り合いのアマチュアで、同じように切り返しで頭の位置が上がり、前傾角度の起き上がりに悩んでいた人がいたが、頭の位置を変えないようにしてみたり、前傾角度をキープしようとしてもなかなかうまくいかないと嘆いていた。ダウンスイング中の頭の位置や前傾姿勢を改善するためには、頭の位置を意識しても改善しない。頭が上がってしまったり、体が起き上がったりしてしまうのは、その根本原因となる骨盤の動きに問題があることが原因だ。骨盤と足の使い方が適切になれば、頭の位置は自然と改善する。

骨盤の前傾姿勢を保つのに有効なスクワット

ダウンスイングで頭の位置と前傾姿勢を適切に保つために、スクワットの動きをマスターすることをお薦めする。スクワットで行うお尻を後ろに出す動作は、ダウンスイングの動きと共通するものがある。スクワットと同じイメージでダウンスイングをすると、骨盤が前傾することで自然と頭の位置は下がり、前傾角度がキープできる。

スクワット動作のポイントは骨盤を意識することだ。膝の曲げ伸ばしを主体としてスクワットを行う人を見かけるが、股関節から動かすようにしないと膝に負担がかかり、膝を痛めてしまうことがある。骨盤を前傾させることを意識して、膝はそれにつられて受動的に動くようにするといいだろう。骨盤が後傾し、膝から下だけで歩いているような人を見かけるが、日常生活の中で骨盤を意識するだけで、姿勢もよくなり、ゴルフのスイングにも良い影響がでるようになる。

スクワットの動きをダウンスイングでいきなり行っても、ボールにうまくあたらないだろう。まずはクラブを持たずにダウンスイングの動作を行い、頭が沈み込む動きを確認してみよう。このスクワット動作によって、ダウンスイングで自然と前傾角度がキープされ、頭が沈み込む感覚がわかるはずだ。慣れてきたら左足1本で立ち、片足でスクワット動作を意識しながら素振りを行ってみるといいだろう。

切り返しで沈み込む動きを何度も繰り返して確認したら、左足一本で立ち、ボールを打ってみよう。切り返しで左足1本でスクワット動作を行い、ダウンスイング後半では左足を伸ばして抜重し、右肩が下がるようにして肩を縦回転させていく動きを確認する。ボールとの距離が近くなり、ダフリそうな気がするかもしれないが、沈み込んだ後にインパクトに向けて抜重しながら頭の位置が上がっていくのでダフることはない。この下半身の動きをマスターすることで、ダウンスイングで体が起き上がるのを防ぎ、力強い球を打てるようになる。

骨盤や股関節を意識してこなかった人が、いきなりスクワット動作をスイングに取り入れようとしても体がうまく動かない。まずは普段の生活で骨盤を意識し、簡単な運動から始め、徐々にスイングに応用するといいだろう。

TEXT=吉田洋一郎

PHOTOGRAPH=小林 司

COOPERATION=取手桜が丘ゴルフクラブ

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