旅の服選びにおいて、TPOは考慮すべきか。いつもと違う非日常で、そんな束縛は捨てるべき。確かにそうかも知れない。でも、こんな考え方ならどうだろう。海に似合う色を、風を心地よく感じる素材を、いつにない遊び心を。旅を全身で感じるために、洋服を纏いたい。
1.エルメス/誰に見られることなく自己満足を満喫する
旅先でエルメスを纏う。これ以上に心が満たされることはない。1枚仕立てのテクニカル素材が軽やかなジャケットは、さらに身体も解き放つ。足元も、サンダルで軽快に。極上の薄手レザーのインナーに、らしさを匂わせながら。
2.フェラガモ/旅の開放感が、色なき色をあざやかに見せる
大型ポケットや着脱できるパデッドインナーを備えたジャケット。ショーツにもなり、ドローコードでシルエットが変化するパンツ。ギミックに溢れるそれらも、白で揃えたなら開放的になる。
3.エトロ/せっかくの海だから、そんな言葉が似合うショーツ
これほどの大柄なペイズリーを楽しめるなんて、だから夏は嬉しい。ウエストにはマルチストライプが切り替えられるも、しかしサックスブルーとネイビー、そしてホワイトというカラーリングは実に爽やかで、青空を映したプールに溶けこむ。別段トロピカルな柄でなくとも、夏を満喫できるというわけだ。
4.ラルフ ローレン/潮風になじみつつ、でもあくまで品よく
ジャケットの胸に記すエンブレムにトラッドをにじませつつ、ショーツとの合わせにリラックス感は隠せない。それでいて、白で揃え、さらにカシミアのケーブル編みニットを肩掛けすれば、やはりあくまでもトラッドに。
5.ジョルジオ アルマーニ/主張と脱力、その両立が大人な旅服の奥深さ
シェブロン柄をあしらうコットンニット。ロールネックに旅着らしい余裕を感じる。柔らかなリネン×レーヨン地のワイドパンツとなら、なおさら。おなじみのネイビーも、ここでは海色で。
6.ディオール/見知らぬ土地へ、人へ。一歩踏みだす動機として
今季ディオールが示すテーマのひとつ、アドベンチャーを体現するコーディネイト。軽やかながら、どこかタフさもにじませるコットンブルゾンに、カーゴショーツを合わせる。「CDダイヤモンド」柄もいいアクセント。
7.ブリオーニ/色ではなく素材でリゾートの空気を感じる
リネンにカシミアとシルクをブレンドしたジャケット。大型ポケットが躍動的にして、実に品がいい。黒のシーアイランドコットン製ポロシャツやウールスラックスとでモノトーンに。色はないが、その風合いは実に華やかだ。