風をはらんでふわりとたなびく優雅な裾のラインが、歩く姿までもスタイリッシュに演出する春のコート。いつものコーディネイトにさっと羽織るだけで、瞬時にサマになるのも、多忙な身には頼もしい限りだ。スプリングコート、コーディネイト編。スタイリスト・野口強による連載「The character of G」。
1.ドリス ヴァン ノッテン/意外性に目を奪われる巧みなギミックに脱帽
コットンのスウェット地に伝統的なグレンチェックをプリントすることで、リラックスした着心地と軽妙なひねりがミックスされた一着。カジュアルダウンした着こなしでも、どことなく上品さが加わるのもいい。
2.ザ・ロウ/風にたゆたうほどの軽さは高感度なブレンディングから
端正に仕立てたジャケットの上に羽織った、一重仕立てのリラックスフィットコート。シルクとリネンを絶妙にブレンドした極薄のテクスチャーが、着ていることを感じさせないほど。ほどよいドレープで洗練さも際立つ。
3.セリーヌ/モードなテンションを加えることでよりクールに
上質なベージュのトレンチにほどよい緊張感を添える極細のナロータイ。ジャケット代わりのラムレザーブルゾンもいいアクセントに。
4.プラダ/Vゾーンの洗練度を上げる同色・同素材のレイヤード
ベージュのドリズラージャケットと、その上に羽織ったオーバーコートはどちらも同じコットンブレンド素材。重ねただけでミニマルな魅力を放つアイテムの底力に感服。
5.トム フォード/王道のマスターピースには洒落た遊び心を添えてみる
ほどよい張り感とかすかな光沢が、着た時に美しいシルエットを生みだす極上のトレンチコート。レオパード柄を織りであしらったシャツと組み合わせ、春らしく軽やかに着こなしたい。異なる黒の質感が、ほのかな色香を加えてくれるはず。