ENTERTAINMENT

2023.01.14

ソウルミュージックをロックに歌い上げる! ブルース・スプリングスティーンの新作アルバム

今、チェックしておきたい音楽をゲーテが紹介。今回は、ブルース・スプリングスティーンの『オンリー・ザ・ストロング・サヴァイヴ』。

ブルース・スプリングスティーン

「ただ歌うだけのアルバムを作りたかった」

スプリングスティーンの思いによりレコーディングされた本アルバム。コモドアーズ、テンプテーションズ、アレサ・フランクリン、シュープリームスなど、1960〜70年代のスウィートソウルミュージックを中心にカバーしている。コロナ禍のロックダウンのなか自宅スタジオにこもり、好きなナンバーを歌いまくったことから生まれたそうだ。

小気味よいギターのカッティング、華やかなホーンセクション、ゴスペルのクワイアのようなコーラス……。ところがこのアルバム、それほど“黒っぽさ”を感じない。スプリングスティーンがどんなにソウルミュージックやレジェンドたちをリスペクトしても、この人が歌う限りロックに聴こえてしまう。プロデューサーのロン・アニエッロは、ソウルフルにオケを仕上げる。黒く、黒くサウンドを作ろうとして、最後の歌入れでがらりとロックに塗り替えられる。

ただし、そこがこの『オンリー・ザ・ストロング・サヴァイヴ』の最大の魅力のひとつではないか。何を歌ってもロックにしてしまうスプリングスティーンだからこそのパワー、暑苦しいほど熱量の高い歌いまわしを体験することができる。

ブルース・スプリングスティーンの『オンリー・ザ・ストロング・サヴァイヴ』

ソニー・ミュージック ¥2,400。テンプテーションズの「雨に願いを」、シュープリームスの「またいつの日にか」などソウルの名曲をカバー。15曲収録。サム・ムーアをはじめゲストも豪華。

Kazunori Kodate
音楽ライター。『新書で入門 ジャズの鉄板50枚+α』『音楽ライターが、書けなかった話』(ともに新潮新書)、『25人の偉大なジャズメンが語る名言・名盤・名演奏』(幻冬舎新書)など著書多数。

TEXT=神舘和典

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