新たな選択肢としてレクサスが提案するフラッグシップモデル“ラグジュアリー・ムーバー”こと「LM」。先代は中国を中心としたアジア諸国向けのモデルだったが、新型は日本へも導入される。前席とはパーテーションで完全に仕切られた広大な空間に置かれたシートで、身体を休めるか仕事をこなすかは自分しだいだ。連載「NAVIGOETHE」とは……
まさに“陸のファーストクラス”なクルマ
自分でステアリングを握らないエグゼクティブにとって、クルマがスポーティかどうか、ハイパワーかどうかは重要ではない。重要なのは快適かどうかに尽きる。ある地点から別の地点まで、どれだけ快適に過ごせて仕事がはかどるか、である。航空機のファーストクラスやビジネスクラス、新幹線のグランクラスやグリーン車はまさにそのためにある。
かつてエグゼクティブが乗るクルマはセダンと相場が決まっていた。そうでないと快適な乗り心地を実現できなかったからだ。だがシャシー性能が飛躍的に進化し、背の高いミニバンやSUVでも上質な乗り心地を実現できるようになった。今や高い位置に座っていても、カーブでぐらりと身体が揺さぶられるようなことはない。
ならば広い空間を確保できるミニバンやSUVのほうが、快適な環境を整えやすいのは明らか。トヨタ「センチュリー」がSUV化する時代だ。高級車=セダンの時代は完全に過去のものとなった。
レクサス「LM」もそういう背景から生まれた。これまでホイールベースを延長したリムジンにのみ設定されてきた前席と後席の間のパーテーションが設定され、その上部に調光機能つきの開閉可能なウィンドウ、中部に48インチモニター、下部にストレージがレイアウトされる。
通常のミニバンの2列目と3列目の中間あたりに左右独立の大型レザーシートが置かれ、フルフラットに近い状態までリクライニングが可能。従来の高級車が走行中の快適性を最優先してきたのに対し、LMは走行中と同様に停車中の快適性も重視する。LMはクルマを移動のツールから、移動に加え、仕事をしたり寛いだりするための空間へと昇華したのだ。
無事に仕事を終えたらワインバーへ直行……の必要はない。後席足元にはワインボトルが楽々入る冷蔵庫がある。仕事をまとめたその場で乾杯できる、万能な存在なのだ。
LEXUS LM500h
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