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2021.09.29

現代ビジネスマンにとっても、最高の相棒に成り得るJEEPラングラー

歴史ある名車の”今”と”昔”、自動車ブランド最新事情、いま手に入れるべきこだわりのクルマ、名作映画を彩る名車etc……。本連載「クルマの教養」では、国産車から輸入車まで、軽自動車からスーパーカーまで幅広く取材を行う自動車ライター・大音安弘が、さまざまな角度から、ためになる知識を伝授する!

JEEPの中でも最も原点に近い存在

今、日本で最も売れている米国車ブランドをご存じだろうか。それがSUV専門ブランドの「JEEP」だ。その名を聞いて、90年代に300万円を切るエントリー価格と右ハンドル仕様の導入で大ヒットした、チェロキーを思い出した人もいることだろう。今回、紹介するのは、そのJEEPの中でも最も原点に近い存在であるラングラーだ。

軍用ジープを民政化した初期JEEPモデルの流れを色濃く残すラングラーは、堅牢なラダーフレーム、着脱可能なルーフとドア、悪路での路面接地性を高める前後リジットサス、ハイ&ロー切替可能なトランスファー付きの4WDシステムなどの特徴が示すように本格オフローダーとして作られている。これらが実現する性能は、大自然と対峙するためのものであり、それは2018年に発表された現行型JLも同様だ。しかし、現行型が乗用車としての性能を大きく進化させたのもまた事実なのだ。

直線を基調とした力強いデザインのラングラーを前にすると、かなり大きなクルマに思える。こんなクルマ操れるか!? とドキドキしてしまうほど。大きいグリルに、左右に張り出した幅広いフェンダーと大径タイヤ、背の高さなどを鑑みれば、迫力を感じて当然。その上、本物だけが持つオーラにも圧倒されてしまうのだ。

しかし、主力である4ドアモデルのラングラーアンリミテッドのボディサイズは、全長4870mm×全幅1895mm×全高1845mm(※2.0Lサハラ)なので、他のSUVと比較すると、輸入車でいえばBMW X3やメルセデス・ベンツGLCなどのDセグメントSUVより少し長い程度。都市部で気になる車幅に関しては、むしろ少しスリムなくらいである。

ステップとドアハンドルを使って車内に乗り込むと質実剛健なデザインのインテリアが広がる。一目で必要な操作ボタンが把握できるクラシカルなスタイルだ。しかし、そこは最新型モデル。ダッシュボードの中央には、カーナビ付きの多機能インフォテイメントシステムがあり、CarPlayやAndroid Autoにも対応。さらにアナログ2眼式のメーターパネルの中央には、インフォメーションディスプレイも備わる。

見た目はクラシックでも、機能は最新式となっており、ACCやブレーキアシスト付きの全面衝突警報、リヤカメラ、ブラインドスポットモニターなどの先進機能も標準搭載。衝突被害軽減ブレーキなど一部のアクティブなセーフティ機能こそないが、これもドライバー主体の運転と悪路走破を重視したジープの設計思想なのだろう。

街中を走ってみると、座面の高さよる前方視界の良さと四角いデザインが生む見切りの良さの恩恵でスイスイ走れる。あまり大きさを感じないのは、キャビンも四角くフロントガラスとの距離も近さによる恩恵だろう。唯一、注意が必要なのは、幅広のフロントバンパーの存在だが、ステアリングの切れ角も大きいので、よほど狭い道での右左折や駐車でなければ、問題とはならないはずだ。

クロカンであることを考量すると、ハードな乗り味を想像するかもしれないが、悪路など厳しい運転を前提としているので、乗り心地も良い。しかも静粛性も高いのだ。これはクロカンに相応しい堅牢な作りの恩恵なのだが、その素性を活かしたオーディオシステムも素晴らしい。上級グレードには、大口径ウーハー付きのアルパイン製サウンドシステムが備わっている。ポップやロックはもちろんのこと、ヒップホップも迫力の大音量で楽しめるほどだ。

街中での扱いに問題ないとなれば、遠出で必須となる高速走行時の安定性も気になるが、その点も心配なし。高速道路で求められる100km/h+αの巡行走行もそつなくこなす。1週間で遠乗りを含め、約1,000kmを走破したが、走りに不満を感じる点はなし。しかも燃費を重視して、後輪駆動のままで走っていたのだが、激しい降雨に見舞われた高速道路でも快適に運転することができた。ただ厳密に言えば、高速走行が苦手な仕様もある。

その原因はタイヤにある。今回試乗した「サハラ」には、オンロード性能を重視したオールシーズンタイヤが装着されている。しかしグレードによっては、マッドタイヤのようなオフロード走行を前提としたタイヤが装着されている。日常での快適性を重視するならば、用途に合ったタイヤを装着してあげなければ、ラングラーが不憫というものだ。そのくらい最新ラングラーは万能であり、ジープの皮を被った乗用車といっても過言ではない。

鞭を売った馬のごとく俊敏な加速

走りと言えば、忘れてならないのがエンジン。なんとラングラーの標準は、アメ車らしい大排気量自然吸気となる3.6V6DOHCエンジンなのだが、こいつはダウンサイズの2.0Lターボエンジンを搭載する。ただ侮っちゃいけない。最高出力はV6に迫る272ps。最大トルクは、V6の347Nmを大きく上回る400Nmを発揮する。最大トルクの発生回転は3000rpm。実際、ぐっとアクセルを踏み込むと、ラングラーは鞭を売った馬のごとく俊敏な加速を見せてくれる。

最新式エンジンなので、回転フィールやサウンドもお行儀が良い。強いていうならば、低速域からの立ち上がりは、やはりV6の方がモリモリと沸き上がるトルク感があり、なんともクロカンらしい。この辺は好みともいえるが、かなり本格的なオフロード走行時では、このトルク特性の差がコントロールにも表れるかもしれないが、それは限定的かつ特殊なケースでしかない。セコイ話かもしれないが、税金などは圧倒的に2.0Lが有利。ただし、クロカンという性質故、燃費については思ったほど期待できないことは、ラングラーの名誉のために付け加えておきたい。

もしあなたがラングラーに興味を持ったならば、どの仕様を選ぶかだ。そこには、ビジュアルや用途などの好みが大きく反映されることになるだろう。しかし、コンクリートジャングルには、ボディ同色フェンダーや着脱式ルーフ。メッキアクセントなどを取り入れ、ドレスアップされたサハラが最適だ。それはオンロードを意識したタイヤセレクトも含まれる。なんてったって活躍のメインは、本当の砂漠ではなく、「東京砂漠!」なのだ。しかし、いざとなればパートタイム式4WDが実力を発揮。もし必要とあれば、心を解き放つ勢いを増すために、ルーフを全て取り払うことさえできる。

豪華なSUVが溢れる時代だが、ここまでの柔軟性と懐の深さを備えるクルマは限られる。そしてコスパの面でもオーナーを裏切らない。かつてはアウトローな男たちに愛されたラングラーだが、現代ビジネスマンにとっても、最高の相棒に成り得る存在なのだ。

TEXT=大音安弘

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