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2022.06.14

旬房 さかい|3年目でミシュラン一つ星を獲得する金沢の実力店

食に対して尋常ではない情熱を傾ける、秋元康小山薫堂中田英寿見城徹が厳選したとっておきの店を紹介する、最強のレストランガイド「ゲーテイスト2022」。伝統に敬意を払いながら常に進化。四季折々の食材を美しい料理に昇華する和の匠の技に酔いしれる。【Part2:和の神髄】

旬房 さかい

「毛蟹 蟹酢のジュレがけ」。内子の入った大ぶりの毛蟹を使う。

中田英寿「工夫されていて軽やか。優しいのに、味がしっかり感じられる」

店主の酒井浩平氏は、大阪の浪速割烹の名店や金沢の名割烹『浜長』で修業し、2013年に独立。3年目でミシュラン一つ星を獲得する実力店だ。

 石川県の銘酒「手取川」の蔵元に紹介されたお店です。金沢もいろいろ行きましたが、ここが一番好きかも。日本酒に関してもとても勉強熱心で、地酒だけでなく季節のお酒も交えて楽しませてくれますよ。

旬房 さかい

「蒸し鮑 白ずいきとクレソン」。熱々の薄葛仕立てで鮑の風味が倍増。(料理はすべて¥16,500~のコースの一例)。

 懐石料理なの?

 一品一品丁寧ですけど懐石というイメージではなく、もっと直球勝負。酒井さんは、あえて京都ではなく大阪の浪速割烹で修業した人なので。

 『㐂川(きがわ)』?

旬房 さかい

「白甘鯛と白ガス海老のお造り」は煎り酒で。日本海でしか獲れない白ガス海老は甘海老よりもプリプリで甘味も濃厚

 『㐂川』の分店で北新地の『有尾』です。浪速割烹は、素材で勝負しながらもそれだけじゃない美味しさと親しみやすさがありますよね。酒井さんの料理も北陸ならではのよい素材を生かしながら、出汁や煎り酒などを上手に使っています。雑味がなく、優しいのに味がしっかり感じられる。こういう絶妙のバランスって難しいと思うんです。

 確かに。優しいけど味がしっかり、っていいよね。

旬房 さかい

おまかせのコースのみだが、キメキメではなく、客の好みに合わせて臨機応変にもてなしてくれる温かな人柄も魅力。

 予約は取りにくいの?

 取材をあまり受けていないようで、1ヵ月前くらいなら。

旬房 さかい

食べて飲みながらカウンター越しに酒井氏との話を楽しめる。

Shunbou Sakai
住所:石川県金沢市木倉町6-8
TEL:076-221-3911
営業時間:18:00~23:00
定休日:日曜
席数:カウンター8席、テーブル6席
料金:コース¥16,500~

【ゲーテイスト2022】
「秘密の店」
「和の神髄」
「洋の絢爛」
「名人の店」
「弩級な鮨」
「肉の魔力」

TEXT=藤田実子

PHOTOGRAPH=上野賢志

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