「金華豚のロースト 低温調理」。表面を香ばしく焼いた金華豚は山形県・平田牧場産。火鍋スープのような味のソースで。¥2,900。紹興酒は「石庫門 12年」¥9,000。
老舗出身シェフの新境地
乃木坂の住宅街の路地に面した店の中は、中華色を感じさせないモダンな雰囲気。しかし厨房で鍋を振る増山剛氏は中華料理ひと筋のベテランだ。
増山氏がかつて修業したのは、日本に四川料理を広めた老舗『赤坂 四川飯店』。ゆえにアラカルト主体のメニューに並ぶのは四川料理が中心だが、創作的な要素や、現代的な調理法も取り入れられている。それは、シェフが大切にしている「味も栄養素も最高の状態になった旬の食材を活かす」ため。食材を活かす方法を追求していくと伝統料理の枠におさまらなくなり、自（おの）ずと「太刀魚の揚物」のような創作料理が生まれるのだとか。
香味野菜入りの甘酸っぱいタレをかけた「太刀魚の揚物 たっぷりの香味野菜がけ」¥2,800。料理は¥7,600のコースに組みこむことも可能。
夏のお薦め「金華豚のロースト 低温調理」も独創的で、濃厚なソースには四川料理らしいスパイシーな味わいがあり、低温調理でしっとり火を入れた金華豚はローストポークのよう。しっかりした旨味は、紹興酒やフランスワインと抜群の相性だ。
「夏野菜も食せる冷やし坦々麺」¥1,700。ナス、オクラ、ズッキーニなど、夏野菜が盛りだくさん。
〆の「冷やし坦々麺」には、1種類ずつ調理したさまざまな夏野菜がたっぷり。フレッシュな野菜の香りと穏やかな麻辣味のスープを満喫すると、「自分が美味しいと思うものをお出ししたい」というシェフの分かち合い精神に拍手を送りたくなる。
シェフの増山剛氏。『赤坂 四川飯店』で修業後、『広尾 はしづめ』を経て独立。
中庭にテラス席を設けた店内は、ホテルライクな雰囲気。2021年2月オープン。
乃木坂 結
住所:東京都港区南青山1-23-12 m&one南青山villa
TEL:03-4362-8100
営業時間:11:30～L.O.13:30、18:00～L.O.21:30
休業日:火曜、その他不定休あり
席数:20席
料金:コース¥7,600～（要予約）
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