自宅で楽しむワインの時間は、お供にする映画や本にもこだわりたい。ワインと同じくエンタメにも精通する藤田晋氏が提案するペアリングの妙を、堪能あれ。読書により深く浸らせてくれる極上の1本と、ページをめくる手がとまらないお薦め本。ワインと本の、贅沢なひと時を。
『世界のビジネスエリートが身につける 教養としてのワイン』
「会食でいろいろ飲んでも、いまいち覚えられない。そんな人にお薦めしたい1冊。」ブドウの主要品種やグラスの形によるワインへの影響の違いなど、ビジネスパーソンが教養として身につけておきたいワインの知識を丁寧に解説。40種以上の一流ワインを写真つきで紹介している。「読み物として面白く、気楽に読める。掲載されている一流ワインを合わせて」。¥1,760(ダイヤモンド社)
『起業の天才! 江副浩正 8兆円企業リクルートをつくった男』
「最近読んだ本で、ページをめくる手が止まらないほど面白かった。リクルート事件で逮捕された江副さんが、会社の拡大とともに政財界とのつながりが増え、期待に応えようと無理をする場面など、自分の近未来日記を読んでいるようで怖かった。ナポレオンが愛したシャンベルタンを飲みつつ読破を」。日本を代表する企業をつくり上げた江副氏の生涯を追う。¥2,200(東洋経済新報社)
『愉楽にて』
「林真理子さんによる日本の上流階級を舞台にした官能小説。モデルが身近にいそうな気がして、いったい誰なのだろうと想像しながら読んでしまう」。人妻やキャビンアテンダント、知的な中国人女性など多種多彩な女たちと情事を愉しむ50代の男たち。優雅かつ淫蕩な恋愛遊戯の世界が描かれる。「こういうストーリーには、『失楽園』にも登場したシャトー・マルゴーがよく似合う」。¥1,045(新潮文庫)
『野良犬の値段』
6人のみすぼらしい男たちが誘拐され、ネット上に現れた「誘拐サイト」でその名前と顔写真が公開された。前代未聞の劇場型誘拐事件が、日本社会全体に対して“命の価値”を問いかける。「圧倒的な面白さがあり、ワインを飲んで酔っ払っても読み続けられると思う。百田尚樹さんの構想力に負けないような、スケールと奥行きを感じさせるワインを合わせたい」。¥1,980(幻冬舎)
『ディズニーCEOが実践する10の原則』
ABCテレビの雑用係からウォルト・ディズニー・カンパニーのトップに上り詰めた著者が、自身の半生と成功哲学を語る。ピクサー、マーベル、ルーカスフィルムなど、総額9兆円に及ぶ買収劇の裏側も紹介。「仕事の難題を乗り越えながら、ディズニーのCEOへと駆け上がる気分が味わえる。ムートンやオーパスワンを手がけ、品質への妥協を許さない醸造家のアルマヴィーヴァを」。¥2,310(早川書房)