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2024.08.02
カップヌードルに学ぶ“ユーザー目線”。丁寧な仕事を生む「マーケット・イン思想」とは
「日本一、丁寧な仕事をする会社」をモットーに運送業界トップクラスの売り上げを誇る、池田ピアノ運送。常識を覆す施策を次々に取り入れ業界のイメージを一新してきた同社社長・池田輝男氏が、どんな業界でも通用するビジネスの絶対法則を紹介。書籍『「丁寧」なのに仕事が速い人の習慣』より、一部を抜粋してお届けします。
「丁寧とは何か?」は答えづらいが「丁寧かどうか」は感覚でわかる
「丁寧な仕事」とは、一体どのようなものを指すのか?
私はこれを、「相手を思いやる心がベースにある仕事」だと定義しています。
おそらく「丁寧とは何か?」と人に尋ねれば、返ってくる言葉はいろいろでしょう。
実際、私自身もさまざまな人に尋ねましたが、誰の答えも抽象的で、明確な回答などほとんどありませんでした。
けれども、実際に行われた仕事が「丁寧かどうか」と聞けば、満場一致で「丁寧な仕事」は認知されます。
つまり、感覚のなかで「丁寧さ」というものは確かに存在し、知覚され、認知される行為になっているのです。だから当然、これをハウツーとして体系化し、マニュアルに落とし込むこともできます。
丁寧な仕事は「マーケット・イン思想」に基づいている
日本の「ものづくり」は、そもそもこの「相手を思いやる心」に長けていたことで発展していった経緯があります。
たとえば日清食品の「カップヌードル」といえば、3分でつくれる手軽さと、世界中のあらゆる文化圏に向けた味の豊富さで、全世界に広がった食品と考えられがちです。

もちろん、それも「相手を思いやる心」なのですが、たとえばそのフタを見れば、かつてであれば包装ビニールの底についたフィルム状のテープで開け口を押さえるようになっていたり、現在であれば、フタを留める箇所が2つになっていたりと、味と直接の関係がない細かな部分にすら、「より使いやすい方法」を意識して改良を繰り返していることがわかります。
作り手が先につくりたいものをつくり、これをどう販売していくかを考える手順を「プロダクト・アウト」と言いますが、米国Apple 社の製品のように、こうしたイノベーションを引き起こすような新商品を生み出すことを日本企業は苦手としています。
しかし「プロダクト・アウト」の対極に位置する、「ユーザー側の視点に立ったものづくり=マーケット・イン」においては、今でも世界に誇れるだけの技術を持っていると私は考えているのです。
「マーケット・イン」は「プロダクト・アウト」の反対で、ユーザーのニーズや解決したい問題をくみ取って製品開発(商品・サービス開発)を行うことをいいます。
とくに現代では、マーケット・インに基づき、お客さまの満足度を高めることを重視する風潮が強まっています。それは私が属する運送業のように、そもそもサービスの質が求められてこなかった業界でも同様のことなのです。
お客さまが100人いれば、100通りの問題がある
私の会社は、「他の企業がマーケット・インの発想を導入していないこと」をチャンスととらえられたために、業界内における大きな差別化を実現して、業界売上トップクラスにまで飛躍することができました。
どんな商売にとっても、ゴールデンルールとなるのは、「お客さまの問題・課題を解決する」ということです。つまり、お客さまの問題を解決しさえすれば、「商売=ビジネス」が成り立つのですが、難しいのは、お客さまが100人いれば、100通りの問題があるということです。
お客さまの数だけ、お客さまが抱えている問題の種類がある以上、どんな形でもマーケット・インの発想でチャンスをつかむことは可能です。必要なのは自分の業界で「常識」とされることを、「非常識ではないか」と疑えるような逆転の発想でしょう。
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