どこかひとつでも激烈に推せる個性があるだけで、人生の伴侶たる最良の1本となりうる。6つの推せるポイント別に、エネルギー漲る腕時計を一挙紹介。今回は「オープンワーク」で推す! 【特集 神推し時計】
正々堂々とムーブメントを披露できる、技術の高さと工芸的美しさ
メカ好きの心をダイレクトに刺激するのが、オープンワークの腕時計。誕生以降、基本的な構造はほぼ変わっていないというテンプの等時性(とうじせい)を生かした、機械式時計の計時の仕組み。その動きを直接拝めることは、“悠久の時”を感じられるロマンそのものといえるだろう。
そして、オープンワークの時計は内部機構をショーアップするために徹底的に計算されたレイアウトとなっており、“魅せる”ための工夫が凝らされている点も特別だ。
複雑機構を搭載したモデルは持っているだけでも誇らしいが、オープンワークの時計ならゼンマイ仕かけのクラシカルな世界を、ダイレクトに堪能できる。時計好きにとって、なんと贅沢な時間だろう。
1.グルーベル・フォルセイ|ダブルバランシエール コンヴェクス カーボン 42.5mm YOSHIDA SPECIAL
ふたつの調速機構を中央のディファレンシャルギアで調整する独自機構「ダブルバランシエール」。それを手になじむカーボン製コンヴェクスケースに収めた、高級時計店YOSHIDA限定のモデル。このボリューム感で42.5mmに抑えられたケースサイズも秀逸だ。限定30本。
2.ロジェ・デュブイ|エクスカリバー ドラゴン モノトゥールビヨン
オープンワークのフライングトゥールビヨンに、造形的にモダナイズされたドラゴンモチーフを組み合わせて迫力満点に仕上げた最新作。複雑機構を搭載しつつ、約72時間のパワーリザーブを誇り、高い実用性も備えている。世界限定28本。
3.モンブラン|モンブラン1858 アンヴェールド ミネルバ クロノグラフ リミテッドエディション
ミネルバ工房が手がけるハイエンドなウォッチメイキングを堪能できる、モノプッシャークロノグラフ。観賞用に基本輪列をダイヤル側に設計し、ブルーに仕上げたパーツをアクセントとした。側面の窓からも中を覗くことができる。世界限定100本。
4.クストス|メトロポリタン P-S スケルトン サファイア
フランスの凱旋門を中心としたパリの街並みに着想を得たダイヤルとパープルカラーで、「都市」を表現。サファイアクリスタルとも好相性で、微弱な永久磁石でスモールセコンドを動かす技術も挑戦的だ。
5.ロベルト カヴァリ バイ フランク ミュラー|RV1G205P1051
独創性やチャレンジといった理念を共有する、ファッション界と時計界の一流メゾンがタッグを組んで生まれたコレクション。四隅のビスがつくマッシブなトノー型ケースから覗く、ブランドロゴをデザインしたスイスメイドの自動巻きムーブメントが個性的な1本だ。
6.モーリス・ラクロア|マスターピース スケルトン ラベルノワール
スイスの人気カスタムウォッチメーカーが、マニュファクチュールキャリバーML134をアレンジ。サンドブラスト仕上げの地板パーツを採用するなど、陰影を強調した立体感のある見た目になっている。DLC加工が施されたケースもクールだ。世界限定288本。
この記事はGOETHE 2024年8月号「特集:神推し時計」に掲載。▶︎▶︎ 購入はこちら