どこかひとつでも激烈に推せる個性があるだけで、人生の伴侶たる最良の1本となりうる。6つの推せるポイント別に、エネルギー漲る腕時計を一挙紹介。今回は「ユニーク表示」で推す! 【特集 神推し時計】
アクの強いビジュアルの裏に潜むブランドの研鑽が、自分を鼓舞してくれる
個性とは武器だ。しかし、決して安くない買い物である腕時計選びは保守的になりがちで、個性派は敬遠される向きもあるかもしれない。
他と違うユニークな表示の腕時計は見た目だけが個性的なのではなく、それを実現するために注がれた技術もまた、唯一無二のもの。つまり外見のユニークな個性の裏側には、それぞれのブランドが持つ独自の哲学や技術が隠れているというわけだ。
例えば、産地特有の表示法に重きを置く、時刻表示に特別なギミックを用いる、これまでにはなかったダイヤルデザインを採用するなど、アプローチ方法は多種多様。その個性表現に共鳴できたなら、思いきって保守的な物選びは一度やめて、新たな自分探しを腕時計で試してみるのも悪くないだろう。
1.グラスヒュッテ・オリジナル|パノマティックインバース リミテッド・エディション
グラスヒュッテ・オリジナルの時計製造を象徴するふた桁別表示のパノラマデイトやスワンネック緩急針を、大胆なレイアウトで表現した複雑時計。最新作であるプラチナモデルでは、ブランドと関わりの深い街、ドイツのドレスデンの風景を手彫りエングレービングで表現した。
2.ジャガー・ルクルト|デュオメトル クロノグラフ・ムーン
6分の1秒を計測するモノプッシャークロノグラフと、29.53日周期を刻むムーンフェイズからなる複雑機構を、極めて均整のとれたシンメトリー表示に。ふたつの香箱とふたつの輪列をひとつの脱進機で調整しており、驚異的な精度を誇るモデルに仕上がった。
3.フランク ミュラー|グランド カーベックス マスター ジャンパー
上から時、分、日づけを表示。いずれもジャンピングシステムで切り替わる独自機構だ。針を持たないこの意欲作は、最新のグランド カーベックス ケースを採用しており、ブランドとしての先進的な姿勢を示している。
4.ロンジン|コンクエスト ヘリテージ セントラルパワーリザーブ
中央に配置した2枚のディスクが回転することで巻き上げ残量を示すという、斬新なインジケーターシステムを搭載。ボンベダイヤルや立体的なインデックスが、時計全体に深みを与えている。また、約72時間というロングパワーリザーブを誇り、使い勝手にも優れる。
5.オメガ|スピードマスター クロノスコープ パリ2024
パリ五輪の開催を記念した最新作は、1940年代の意匠でよく見られたタキメーター、パルスメーター、テレメーターという3つのスケールを渦巻き状に表現した、“スネイル”デザインを採用。大会を象徴するシャンパンゴールドとブラック、ホワイトの配色のバランスも美しい。
6.レゼルボワール|390 ファストバック×ヒーローズ
クルマのメーター表示を模したインジケーターでおなじみのレゼルボワール。その新作は、1967年のアメリカン“ポニーカー”のメーターがモチーフだ。レトログラード分針とジャンピングアワーが組み合わさっている。世界限定66本。
この記事はGOETHE 2024年8月号「特集:神推し時計」に掲載。▶︎▶︎ 購入はこちら