WATCH

2023.07.22

チューダーの新工場に見る、時計生産の未来とは?

スイス時計の本質は、“伝統を継承する職人技”にある。しかし世界的に需要は拡大しており、欲しくても買えないという状況が続いているのも事実。人を尊ぶのは当然としても、生産体制を進化させる時期に来ているように思える。では、伝統あるスイス時計ブランドは時計生産の未来をどう考えているのか?

チューダーの社屋
ブランドカラーの赤を効かせたチューダーの社屋。この建物と並ぶグレーの建物がケニッシで、両棟はつながっている。

チューダーの最新マニュファクチュールに時計製造の最先端を見る

圧倒的なスペックとタイムレスなデザインで人気を集めるチューダーは、“集約すること”で徹底的に効率化を進める。新工場の立地に「ル・ロックル」を選んだのは、ここがスイス時計の中心地でサプライヤーが集中し、優秀な時計師が多く住むエリアだからだ。

さらに社屋を傘下のムーブメント会社、ケニッシとつながるように設計して流通のロスをなくし、組み立て中のムーブメントはRFIDタグつきの台座に載せて工程を管理。重要工程である精度検査は、最新機器とロボットを使って24時間365日稼働させている。

精度検査を行うロボット
精度検査を行うロボットは、パレットに並ぶたくさんのムーブメントを順々に検査機にかけて精度を調べる。人間には不可能な速度と正確性が武器だ。
針づけを行うロボット
手間のかかる針づけの工程も、ロボットの仕事。

人の手が必要な工程には優秀な時計師を配する一方で、自動化できる工程は徹底的に効率を高める。“伝統と革新”を生産現場にも取り入れる、それがチューダーの強みなのだ。

ケニッシのベースムーブメント
ケニッシのベースムーブメントは、クロノグラフなどのモジュールを組みこむことを前提とした高性能設計。大きさも大中小の3サイズ展開にして、生産の効率化を進めている。
チューダー「ブラックベイ」
ブラックベイ
COSC認定クロノメーターと15,000ガウスの耐磁性能という、マスター クロノメーター規格を準拠した自社製ムーブメントMT5602-Uを搭載。200m防水ながら、美しいバーガンディベゼルが華やかな雰囲気を醸しだす。自動巻き、SSケース、径41㎜。¥572,000(日本ロレックス)

問い合わせ
チューダー TEL:0120-929-570

TEXT=篠田哲生

PICK UP

STORY 連載

MAGAZINE 最新号

2025年1月号

シャンパーニュの魔力

最新号を見る

定期購読はこちら

バックナンバー一覧

MAGAZINE 最新号

2025年1月号

シャンパーニュの魔力

仕事に遊びに一切妥協できない男たちが、人生を謳歌するためのライフスタイル誌『ゲーテ1月号』が2024年11月25日に発売となる。今回の特集は“シャンパーニュの魔力”。日本とシャンパーニュの親和性の高さの理由に迫る。表紙は三代目 J SOUL BROTHERS。メンバー同士がお互いを撮り下ろした、貴重なビジュアルカットは必見だ。

最新号を購入する

電子版も発売中!

バックナンバー一覧

SALON MEMBER ゲーテサロン

会員登録をすると、エクスクルーシブなイベントの数々や、スペシャルなプレゼント情報へアクセスが可能に。会員の皆様に、非日常な体験ができる機会をご提供します。

SALON MEMBERになる