連載「意欲的新作ウォッチ」の第131回は、オメガ「スピードマスター X-33 マーズタイマー」を取り上げる。
オメガ「スピードマスター X-33 マーズタイマー」
2022年は、オメガの「スピードマスター」が誕生から65年を数えるアニバーサリーイヤー。スウォッチとのコラボレーションモデル「ムーンスウォッチ」などの話題作が目白押しだ。
数々の成功とともに多様な広がりを見せる「スピードマスター」のコレクションにおいて、欧州宇宙機関(ESA)とのパートナーシップによって誕生したスペースウォッチ「スピードマスター X-33 マーズタイマー」は異彩を放つ。
宇宙開発の分野で科学者を支援するために生まれた「スピードマスター X-33 マーズタイマー」の特徴は、その名からも分かるように、火星の時刻を表示できる点にある。ESAの特許のもとに開発したMTC(調整火星時間)機能は、1日が地球より39分長い火星日の本初子午線での日時を示す。
このほかにも、高精度かつ温度補正機能が付いたクォーツムーブメントCal.5622は、地球と火星における北の方角を正確に表示する太陽コンパス、MET(ミッション経過時間)、PET(フェイズ経過時間)、クロノグラフ、アラーム、パーペチュアルカレンダーといった多彩な機能を備える。
すべての表示機能は、アナログとデジタル双方の表示を駆使し、地球と火星のシンボルによって、一目で確認できるようになっている。
「スピードマスター」の不文律であるスタイリシュなデザインにも目を向けたい。
注目すべきポイントは、45mm径のグレード2チタン製のケースに合わせた、火星の塵を思わせるレッドヘマタイトカラーのシュウ酸アルマイト処理が施されたアルミニウム製のベゼルリングだ。このカラーリングは、ブラックからレッドヘマタイトカラーへのグラデーションを表現した秒針にも採用されている。
ブレスレットについては、グレード2とグレード5のチタンで構成。さらには、専用のNATOストラップの用意がある。
SFの世界然りだが、これまで人類は火星への好奇心に掻き立てられ、様々な創作を行ってきた。まだ見ぬ火星への有人ミッションと向き合うクロノグラフは、「スピードマスター」の歴史に名を刻む傑作となるだろう。
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オメガお客様センター TEL:03-5952-4400
■連載「意欲的新作ウォッチ」とは……
2022年も高級ウォッチブランドから続々と届く新作情報。その中から、新鮮な驚きや価格以上の満足感が味わえる“活きのいい”モデルを厳選! 時代を超えて輝き続ける、腕時計のパワーを改めて感じて欲しい。