唯一無二の時計が一堂に会するチャリティオークション「オンリーウォッチ」が開催。今や時計界の一大イベントのひとつにもなっているこのオークションについて、その全貌を明らかにする。
ふたつとない時計が集うチャリティオークション
近年、さまざまな分野でオークションが大きな盛り上がりを見せているが、高級腕時計もその例外ではない。
2021年11月6日で通算9回目を迎えた「オンリーウォッチ」は、モナコのアルベール2世公の後援の下、世界有数のオークションハウスであるクリスティーズと、モナコ筋ジストロフィー協会が主催するチャリティオークションだ。筋力低下を引き起こす遺伝性筋疾患、デュシェンヌ型筋ジストロフィー治療のための研究資金を集めることを目的に'05年から開催され、過去8回のオークションで得た収益は実に7000万ユーロ(約92億円)にものぼるという。
2年に1度開催されるこのオークションが世界中の時計愛好家から熱い視線が注がれている理由は、約50にものぼるブランドが参加し、それぞれが世界で1点だけの時計を出品するというコンセプトにある。
各社が創意工夫を凝らしたユニークピースは、まさに唯一無二。市販化される前の新しい素材や技術などが惜しげもなく披露されることもあり、出品される時計を眺めているだけでも時計好きにとっては心が躍る。さらに、新進気鋭のブランドがこの場でスポットライトを浴びることで、今後のさらなる躍進につながる可能性も生まれているという。
前回の’19年に行われたオークションでは、パテック フィリップが出品した「グランドマスター・チャイム」が、3100万スイスフラン(約34億円)で落札され、腕時計の世界最高落札価格を記録したことでも大きな話題に。今年も歴史ある名門ブランドから新興ブランドにいたるまで、バラエティに富んだ時計が揃い、その落札価格からもわかるようにオークションは大いに賑わいを見せた。また、事前にクリスティーズへの情報登録を済ませれば簡単に参加できるのも、「オンリーウォッチ」の大きな魅力といえる。
世界に1本しかない腕時計を所有することはすべての時計好きにとって憧れであり、夢のようなことではないだろうか。「オンリーウォッチ」への参加を通じ、社会貢献とともにユニークピースを手に入れる。それを受け継いでいくことには、他のオークションでは味わうことのできない喜びや感動があるに違いない。
Keyword 1. 唯一無二のコラボ
他では決して実現し得ない、刺激的なコラボレーションモデルが登場。腕時計の新たな可能性を感じさせるタイムピースだ。
Keyword 2. 唯一無二の素材
「オンリーウォッチ 2021」では新素材や希少素材を採用したモデルも多数出品。その革新性は多くの時計愛好家たちを驚かせた。
パテック フィリップが腕時計史上最高額を更新!
2019年11月に開催された「オンリーウォッチ」において、パテック フィリップは20の複雑機能と両面に文字盤を持つステンレススチール素材の「グランドマスター・チャイム」を出品。その結果、腕時計史上最高額の約34億円で落札された。