23万部のロングセラー『夢と金』の著者であり、今、ビジネスパーソンが追うべき人物の筆頭である西野亮廣さん。大小さまざまなプロジェクトのリーダーとしても活動している西野さんは、企業やチームのコンサルも行っている(#ニシノコンサル)。前回の「経営者は社員に好かれようとするな!」という提言に続き、今週も、芯を食った経営者論。「ルールを守る」とは一見大事なことに思えるが、経営者やプロデューサーがその感覚でいると、大きな落とし穴が待っている!? 今回も、音声メディア「voicy」で配信中の「#西野さんの朝礼」から編集してお届けする。(※今回の記事を音声で楽しみたい方はコチラ)
今日は【お金の取り方、払い方】というテーマでお話ししたいと思います。
第196回
「ルール」というものは自分で考えて行動することが苦手な人の為にあるものであり、もしくは、そこに参加する全員の「最大公約数」的なもの。決して、その場の「最適解」じゃない! 「ルールを守ること」が経営者やプロデューサーの仕事ではありません!
「ルール」というものは自分で考えて行動することが苦手な人の為にあるものであり、もしくは、そこに参加する全員の「最大公約数」的なもの。決して、その場の「最適解」じゃない! 「ルールを守ること」が経営者やプロデューサーの仕事ではありません!

「何やってるの!」と叫びたくなる経営者さん・プロデューサーさんが時々いて…
「そんなところでお金をとったら、あなたが損するだけでしょ」という話をさせていただきます。
映画やら、ミュージカルやら、イベントやら、お店やら、商品開発やら、ブロードウェイ作品への出資やら、とにもかくにも、いろんな仕事をさせていただいておりまして、いろんな経営者さんやプロデューサーさんにお会いする機会が多いのですが、本当に「何やってるの! しっかりしなさいよ!」と叫びたくなるような経営者さんや、プロデューサーさんが時々いらっしゃいます。
それは、「お金の取り方と、お金の払い方が下手な経営者やプロデューサー」です。
それが冒頭申し上げた「そんなところでお金をとったら、あなたが損するだけでしょ」なのですが、とにもかくにも「お金の取り方」と「お金の払い方」が下手な経営者やプロデューサーって、いちいち杓子定規で、決められたルールの上でしか動けないんです。
「こちらのサービスは○○円です」「これをやる場合は、売上の○○%を入れていただきます」という感じで。
「こちらのサービスは、本来は○○円なのですが、御社に使っていただくことは、このサービスの宣伝になりますので、今回は無料でいいです」みたいな判断ができないんです。
「ルール上はそうだけど、ここは例外として認めた方が、トータルの取り分が大きくなるよね」という思考がまるで無い。
そもそも「ルール」というものは自分で考えて行動することが苦手な人の為にあるものであり、「ルール」というものは、そこに参加するAさんBさんCさんDさんEさんの最大公約数なので、AさんとBさんだけで仕事をする場合の最適解じゃないんです。
たとえば、DさんとEさんが喫煙者だった場合、AさんBさんCさんDさんEさんが参加するゲームでは「ここは禁煙です」「喫煙スペースはあちらです」みたいな看板が必要ですが(看板の制作費がかかってしまいますが)、AさんとBさんとCさんしか参加しないゲームだと、その看板を用意してしまうのは全く無駄でしょ?
経営者やプロデューサーは「ルール上は禁煙看板を立てることになってるけど、今回は喫煙者がいないから、禁煙看板は要らないよね」といった判断をしなきゃいけない。
ルールに従うだけなら、経営者やプロデューサーは要らないのだから。
お金を払う時も同じです。
このあたりは田村Pが上手いんだけど、エンタメっていつだって潤沢に予算があるわけじゃない…どころか、いつもカツカツなんです。
なのでクリエイターさんに「すみません。今回はこれぐらいの予算しか用意できず…」と頭を下げて、どうにかこうにか協力していただくということがよくあるのですが、それでも時々、予想外に売上が出たり、大型の案件が入って、潤沢に予算がある時があるんです。
本当に、時々。
その時は「いつもは無理をさせてしまっているから、今回は多めに払わせていただく」という判断をするのが良い経営者であり、良いプロデューサーなのですが、時々、「いやいや、ルール上、この仕事の金額は○○円ですので」としてしまう経営者やプロデューサーがいるんです。
普段、無理をさせているのに!
「『持ちつ持たれつ』ではなくて、『持たれつ持たれつ』の経営者やプロデューサーのお願いを、この先、誰が聞くねん」という話で、仕事相手は全員「人(感情で動く生き物)」なので、こういう局面でも「ルール」を持ち込む人間はことごとく爪弾きに合います。
クリエイティブの世界では特に。
クリエイターさんの守り方を間違えないで欲しい
なぜ、こんな話をしているかというと、これはもうご本人が聴いていたら、ソッコー対応していただきたいのですが、以前、とあるクリエイティブチームから「自分達で美術セットや衣装を用意して『えんとつ町のプペル』の写真を作りたい」という打診があったんです。
美術さんや衣装さんだけでなく、モデルさんも皆、無償(持ち出し)で。
そういったことに『えんとつ町のプペル』が使われるのは嬉しいし、そのアートワークが一人でも多くの方に見つかって、そのプロジェクトに参加されたクリエイターさん達の次に繋がるといいなぁと思って、応援の意味も込めて「どうぞ、使ってください」とIPを無償で提供したことがあったんです。
そこで出来上がった『えんとつ町のプペル』のアートワークがとっても素敵で、これはたくさんの人に見られた方がいいし、なんなら海外の関係者にも見つかった方がいいと思って、今年の夏のファミリーミュージカル『えんとつ町のプペル』のメインビジュアルにさせていただくことを打診したところ、「この写真を使うのであれば、○○円いただきます」と、かなりのお金を請求されたんです。
いろいろバグっててビックリしちゃったのですが、おそらく、そのカメラマンさんが普段撮られている写真の使用料の相場を言って来られたと思うんです。
でも、こんなことを僕が言うと少しカドが立ちますが、「マジで、どこからお金をとっとんねん」という話で、結局、その写真をメインビジュアルで使う話は流れちゃったんです。
そこで大きなお金を取ることにしてしまうと、クリエイターさんが持ち寄って仕上げたアートワークはもう世に出ないわけで、そのプロジェクトに参加したクリエイターさんが流した汗が無駄になってしまった。
そのプロジェクトに参加したクリエイターさん達は本当にこの展開を望んでいたのかなぁ?
「パブリックドメインにしろ」とは言いませんが、せめて、そこに参加したクリエイターさん達は自由に使えるようにしてあげないと、ボランティアで参加したクリエイターさん達がかわいそう。
ルールを守ると、こういうことがあります。
繰り返しますが、経営者やプロデューサーの仕事は「ルールを守ること」ではありません。
経営者やプロデューサーの仕事は「取り分を最大化すること」です。
クリエイターさんの守り方を間違えないで欲しいし、その撮影に参加したモデルの男の子のお母さんはきっと、まだ小さい我が子のその瞬間を残したいと思って、ボランティアで参加されたと思うんです。
そういうお母さんの気持ちに寄り添ってあげて欲しいなぁと思いました。
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■お知らせ! 2025年8月9日〜30日、ファミリーミュージカル「えんとつ町のプペル」が大劇場・オーケストラ版での上映決定!
開催日:2025年8月9日(土)〜 30日(土)
会場:KAAT 神奈川芸術劇場(神奈川県横浜市中区山下町281)
■お知らせ! ミュージカル「えんとつ町のプペル」密着ドキュメンタリー【BackStory】を毎週金曜日に配信!

総再生回数1000万回突破!(YouTubeショート・TikTok含む)
毎週金曜日20時にミュージカル『えんとつ町のプペル』制作の裏側ドキュメンタリーを配信しています!
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最新回は【意味不明】キンコン西野の文章は意味も文法もおかしい
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■お知らせ! キンコン西野のCHIMNEY TOWN、ブロードウェイで上演される『オセロ』に共同プロデューサーとして参加!

デンゼル・ワシントンやジェイク・ギレンホールといったレジエンド達が出演するブロードウェイ舞台『OTHELLO(オセロ)』。世界中から多くの観客が集まるブロードウェイの大舞台で、シェイクスピアの世界を新しい息吹とともに表現する本作は、その完成度の高さや挑戦的なアプローチで、世界中の演劇ファンからも高い関心を集めています!
上演:2025年2月24日~2025年6月8日(予定)
劇場:Barrymore Theatre(ブロードウェイ/ニューヨーク)
出演:デンゼル・ワシントン、ジェイク・ギレンホール ほか
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■お知らせ! 米国で最も歴史ある演劇賞である ドラマリーグ・アワード にノミネート
映画のお知らせ
■NEWS! コマ撮り短編映画『ボトルジョージ』が、フォトフィルム国際短編映画祭(Fotofilm International Short Film Festival)において『最優秀作品賞』と『国際最優秀ストップモーション賞』をW受賞! さらにオーフス映画祭(Annual Aarhus Film Festival)にて『最優秀短編アニメーション賞』を受賞!
■NEWS! アメリカ・ユタ州で開催された Desertscape International Film Festival にて「最優秀アニメーション短編映画賞」を受賞!

■NEWS! トルコ・イスタンブールで開催される Fotofilm International Short Film Festival(5月6日〜8日)において、ファイナリストに選出
■NEWS! 「ハリウッド短編映画祭」において最優秀短編アニメーション賞を受賞!
■NEWS!第97回アカデミー賞(米)の短編アニメーション部門のショートリストに選出されました!
監督:堤大介(トンコハウス) 脚本:堤大介氏と西野亮廣の共同制作 プロデューサー:松本紀子(ドワーフ)
■NEWS! 2025年5月3日に英国ロンドンで開催される「Unrestricted View Film Festival(アンリストリクティド ビュー映画祭)」など、世界各地の映画祭から招待され、上映されます!
■NEWS! フランスのランスで開催される『RED MOVIE AWARDS』の年間セレクションに『ボトルジョージ』がノミネートされました!
2025年5月23日・24日に、フランスのランス オペラ座(Opera of Reims)で授賞式が開催予定。詳細はこちら
■札幌国際短編映画祭で「アニメーション特別表彰」&「最優秀作曲賞」。アメリカ南カリフォルニア最大級の映画祭、ニューポート・ビーチ・フィルムフェスティバルで「短編アニメーション賞」。グローバルステージハリウッド映画祭にて「Best Short 2024」。続々受賞!
ロサンゼルスのマリリン・モンローシアター(@サンタモニカ)の【HOLLYWOOD SHORTSFEST】のオフィシャルセレクション、スイスの【ジュネーブ国際インディペンデント映画祭】に選出! そのほか
【San Diego International Film Festival】(米国)
【Newport Beach Film Festival】(米国)
【Austin Film Festival】(米国)
【SPARK ANIMATION】(カナダ)
【San Diego Asian Film Festival】(米国)
など続々!
西野さんの『ボトルジョージ』に対する想いとは? こちらをチェック!

■コマ撮り短編映画『ボトルジョージ』の専用劇場、『ボトルジョージ・シアター』がグランドオープン!

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『西野亮廣講演会』全国各地で続々開催決定!
『西野亮廣講演会』のお知らせです。
下記の都道府県で開催が決まっています。
- 5月20日(火)に東京
- 5月21日(水)に大分
- 6月17日(火)に東京
- 7月1日(火)に山口
- 7月7日(月)に静岡
- 7月10日(木)に愛知
- 7月15日(火)に宮崎
- 7月17日(木)に茨城
- 7月22日(火)に群馬
- 7月30日(水)に愛知
- 8月12日(火)に神奈川
私、西野亮廣がマイク一本で1時間半ほど喋る変なイベントです。チケットをお求めの方は、『西野亮廣全国講演会』で検索してみてください。サロンメンバーさんが作ってくださったイイ感じのホームページに飛びますので、そちらから。会場によっては、まだ、チケットを発売してなかったりしますが、そのへんはご容赦ください。