PERSON

2025.03.05

ラルク・TETSUYA、ヴィンテージの名作椅子が並ぶ、プライベートスタジオに潜入

どんな家具を置き、どんなアートを配するか。インテリアが、その空間に身を置く者に与える影響は大きい。時に癒やされ、時に鼓舞される、L'Arc~en~Ciel・TETSUYA氏の暮らしを彩るインテリアを考察! 【特集 アートな家具】

レコーディングスタジオの椅子に座るTETSYA氏
都内に新しくつくられたTETSUYA氏の活動拠点。2階のレコーディングスタジオはさながら美術館のよう。

佇まいが美しくて心地よいラウンジチェア

1991年の結成以来、L'Arc~en~Cielのリーダーでありベーシストとして、音楽シーンの最前線に立ち続けるTETSUYA氏が、新しいプライベートスタジオを築いた。いち早く内部を訪れると、1階が撮影スタジオ、2階はレコーディングスタジオ、そして3階がオフィス機能を持つつくりとなっている。

TETSUYA氏が長い時間を過ごすこととなる2階レコーディングスタジオは、機材が並んでいるというのに無機質な雰囲気はなく、身を置いていると温もりと懐かしさのようなものがふつふつと湧いてくる。

緩やかなアールを描く天井の形態や、床材をV字になるよう並べるヘリンボーン貼りの床面など、凝りに凝ったこだわりの内装に加えて、家具をヴィンテージで揃えている効果が大きそうだ。

「楽器、クルマ、腕時計、そして家具などはヴィンテージばかりで集めています。今回はスピーカーもイームズのデザインによるヴィンテージにしてみたところ、音質もすばらしくて、うれしい驚きでした。用いられているマグネットの種類が現在のものとは違っていて、その関係で音がいいようです」

空間の空気感を決定づけているのは、自身のコレクションから厳選して並べられた椅子の数々だ。TETSUYA氏の関心の軸は、20世紀前後に生みだされたフレンチ・ヴィンテージの名作。目下のお気に入りは、背もたれに頭部まで預けられるかたちのジャン・プルーヴェの「ヴィジター アームチェア」だ。その座面に身を沈めて音楽に聴き入ったり、備えつけのスクリーンを下ろして映画を観るのが、至高の時である。

フレンチヴィンテージの椅子が存在感を発揮

新拠点へ移る以前のプライベートオフィスの1階の事務所は天井が高く、気持ちのよいスペース。こちらにも、TETSUYA氏の審美眼によって選び抜かれた家具の数々が配されている。

とりわけ目を惹くのは、ずらり4脚並ぶジャン・プルーヴェの「ディスマンタブルチェア」と、窓際にさり気なく配置されている「マルクール ベンチ」。いづれも希少なもの。

「ディスマンタブルチェアは12脚セットで購入しました。並べて置くと場にリズムが生まれます。ベンチは背もたれにバックボードがついていて、空間にしっくり収まります」

壁面にくくりつけられたシャルロット・ペリアンのシェルフも落ち着いた佇まいで、よきアクセントとなっている。

2階のミーティングスペースの中心に置かれたテーブルと椅子は、ジャン・プルーヴェの復刻版だ。アパレルブランドG-Star RAWとスイスのファニチャーのヴィトラがコラボレーションして再現し、期間限定で販売された貴重なもの。

さらにはジャン・プルーヴェのデイベッドを置いた一角もある。壁際にはピエール・ジャンヌレの椅子が並び、棚上や床上にはバンクシーやロイ・リキテンシュタインの絵画作品がさり気なく置かれる。強い主張のモノが目白押しなはずなのに、全体として見事な調和がとれていて不思議だ。

「小さい頃から建築やインテリアには関心があったし、自分の周りには気に入ったものだけを置きたいタイプでした。自分の好みがブレることはないので、空間に自然と統一感が出るのかもしれません」

名作と文字どおり一体化しながら仕事したり生活する愉しみを、TETSUYA氏は日々享受しているのだ。

敬愛するデザイナー

1.ジャン・プルーヴェ
椅子のコレクションの多くを占めるのがジャン・プルーヴェ。「どの角度から眺めても美しいフォルムが刺激的です」

2.ピエール・ジャンヌレ
フレンチヴィンテージのなかでも近年特に注目を集める。「今の時代と共鳴する『何か』を感じさせてくれます」

3.シャルロット・ペリアン
キャビネットや壁つけシェルフが独特の雰囲気と色合いを放つ。「日本のテイストも入っていて親しみやすいです」

TETSUYA
L'Arc~en~Cielリーダー、ベーシスト。シンガーソングライターとしてソロ活動だけではなく、L'Arc~en~CielのトリビュートバンドであるLike-an-Angelの活動なども精力的に行っている。2025年4月26日にはEX THEATER ROPPONGIにてLike-an-Angelのライヴが控えている。

【特集 アートな家具】

この記事はGOETHE 2025年4月号「総力特集:惚れ惚れする人生の相棒、アートな家具」に掲載。▶︎▶︎ 購入はこちら

TEXT=山内宏泰

PHOTOGRAPH=永禮賢

HAIR&MAKE-UP=荒木尚子

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