1972年の設立以来、一貫して日本(福井県・鯖江)製の高品質なアイウェアを生み出し続ける「EYEVAN」。その眼鏡をかけた仕事人たちを写真家・操上和美が撮り下ろす連載「人生を彩る眼鏡」の第13回は俳優・田中みな実。「人生を彩る眼鏡#12」
PERSON 63
俳優/田中みな実
かけているうちに、自分のものになってくる
「眼鏡はたくさん持っています。サングラスも含めたら、30本ほど」と話す、田中みな実さん。今回着用したのは、1960年代のフレンチヴィンテージを思わせる、EYEVANの「Conner-Sun」。クラシカルでボリュームのあるデザインが、彼女の艶っぽい美しさと芯の強さを引き立てている。
「やや重ためなデザインで、レンズの色がサングラスまでいかないぐらいの濃さなのが、デイリーでも使いやすいですよね。トラディショナルなべっ甲柄にブルーのレンズという組み合わせが好みです」
じつは、このモデルは普段も着用しているお気に入りだ。
「今の時季はデニムやTシャツといったカジュアルな装いにかけるだけでアクセントになって、こなれた印象のスタイリングに格上げしてくれます。今回のようにドレッシーな洋服に合わせるのも粋ですね。フェミニンな装いに、外しの要素として取り入れるのが洒落感があっていいなと」
存在感のあるデザインを素敵にかけこなしているが、これまでは華奢なデザインのフレームを選ぶことが多かったそう。
「私には重ためなフレームが似合わないと思っていたんです。でも、眼鏡はかけるうちに顔に馴染んでくるもの。“似合わない”と敬遠せず、最初のうちは多少の照れがあっても、かけ続けるうちに自分のものにしていきたい」
それは仕事に向き合う姿勢にも、通ずるところがあるのではないかと続ける。
「たとえば社内で配置変えなどがあって別部署へ異動になったら、馴染みがない仕事を任されるのは不安だけど、“オッケー、大丈夫”と、いつも通りのスタンスで取り組んでみる。そうすれば、いつしかその場所でも皆の信頼を勝ち取れるようになるのではないかと。たとえ最初は“フリ”だったとしても、それが本当の自信に変わっていくのは時間の問題だと思うんです」
現在、2本の連続ドラマに出演中。そのほかテレビやラジオのレギュラー番組も抱え多忙を極めるが、睡眠時間は最低でも7時間は確保し、ボディメイクやスキンケアも欠かさない。
「時間がないことを、言い訳にしたくないとは常々思っていて。スマホをなんとなく触っている時間、ダラダラしている時間をトレーニングやメンテナンスに充てるなど、より有意義に効率的に時間を使いたい。できない言い訳を考える前に即行動!」
リラックスタイムを設けなくとも、質の良い睡眠を充分にとることで翌日にはしっかりリセットされるのだとか。また、買い物をしている時間も、良いリフレッシュになっているそう。
「自分にとって馴染みのないアイテムを迎え、『どうやってコーディネートしよう?』と考える時間が案外好きです。やや難易度高めなスタイリングに挑戦することが刺激になり、日常にトキめきを与えてくれると思うから。たとえば、今季流行っている細くてつり上がったデザインのサングラスもこの夏、挑戦したいアイテムのひとつです。ファッションも働き方も、勝手に制限をかけてしまうのはもったいない!自分に飽きたら終わり。私は果敢に攻め続ける人生を選びたいです。」
田中みな実/Minami Tanaka
1986埼玉県出身。2009年TBSにアナウンサーとして入社。2014年フリーに。2019年ドラマ『絶対正義』で俳優デビュー。現在は、日曜劇場「ブラックペアン シーズン2」(TBS系)、「ギークス〜警察署の変人たち〜」(フジテレビ系)に出演中。ラジオ番組「田中みな実 あったかタイム」(TBSラジオ)では、12年以上パーソナリティを務めている。
問い合わせ
EYEVAN Tokyo Gallery TEL:03-3409-1972