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2023.10.12

引退したテニス・土居美咲、トップ50まで引き上げた外国人コーチの存在

女子テニスの土居美咲(32歳・ミキハウス)が2023年10月1日に閉幕した東レ・パンパシフィック・オープン(東京・有明テニスの森公園)を最後に現役を引退した。世界ランキングの自己最高位は2016年10月に記録した30位。外国人コーチに積極的に師事することで精神的にたくましくなり、長く第一線で活躍した。連載「アスリート・サバイブル」

土居美咲
2023年東レ・パンパシフィック・オープンを最後に現役を引退した土居美咲の引退セレモニー。

現役最後の東レPPO。「幸せなテニス人生」

国内最大の国際女子テニス大会。東レ・パンパシフィック・オープンで、土居美咲が15年のプロ生活に別れを告げた。

「現役生活は長かったと感じています。終わってみたら短かったと思うかなと思いきや、全然、長かった。それはやっぱり密度が濃かったからだと思います。子どもの頃から好きなことをして、 仕事でも好きなことをして、プロ生活をまっとうできた。とても充実した、本当に幸せなテニス人生でした」

ワイルドカード(主催者推薦)で出場して、予選から勝ち上がり迎えた2回戦。世界ランキング6位のマリア・サカリ(28歳・ギリシャ)に3-6、1-6のストレートで屈した。

1時間5分で完敗したが、鋭いリターンなど随所に好プレーを披露。試合後には1年前に引退した盟友の奈良くるみ(31歳)から花束を贈られ「最後に素晴らしい選手と試合ができて、こんなにうれしい終わり方はない。今まで頑張ってきたご褒美と思って楽しみました」と涙した。

コーチから学んだ“信じる力”

大会約1ヵ月前の2023年8月に今季限りでの引退を発表した。理由は腰痛の悪化。治療や、腰に負担を軽減するサーブのフォーム改善など手を尽くしたが、痛みがとれることはなかった。

手術での完治も難しいことから、コートを去ることを決断。「腰のケガは何回かあったけど、今年になってごまかせなくなった。色々と解決を試みたが、高いレベルでのプレーが難しい状態になり、引退を決意しました」と語った。

2008年12月にプロ転向。オーストラリア人のサイモン・ウォルュ氏や、アメリカ人のクリスチャン・ザハルカ氏ら外国人コーチと積極的に契約して着実に成長を遂げた。

2012年に世界ランキングで初のトップ100入りを果たすと、2015年10月のルクセンブルク・オープンでツアー初優勝。2016年には4大大会のウィンブルドン選手権で16強に進出し、世界ランキングも自己最高の30位にまで上昇した。

元世界3位のナディア・ペトロワ(ロシア)や伊達公子を指導した経験を持つザハルカ氏とは2015年から約7年もタッグを組んだ。土居は後進にも外国人コーチを勧める。

「外国人コーチの一番の利点は信じる力が強くなるっていうところ。自分以上に自分を信じてくれる力がある。技術的な面を教えるのは日本人コーチのほうが上手いと思うが、外国人コーチは選手の可能性を信じてくれる部分がすごく大きい。壁を破りたい時に外国人コーチはお勧め。視野も広がるし、一回ぐらい挑戦してみてもいいんじゃないかと個人的には思います」

4大大会シングルスには2010年全豪オープンを皮切りに通算36回出場。キャリア終盤は腰の故障に悩まされたが、手術などを伴う大ケガは一度もなかった。

ツアー通算1勝で、マッチ通算成績は403勝378敗。長年、第一線を走り続け「体の強さは自分の強みだと思っていた。そういうトレーニングや、体のケアの取り組みはプロになりたての10代の頃から、やってきた自負もある」と誇った。

今後の去就は未定。

「プランは特にないが、テニスに関わる何かはできたらいいなと。いろんなことに興味があるので、いろんなことに挑戦できたらいいなとは思っています。何かやり甲斐のあることを見つけられたら」

外国人コーチから学んだ“信じる力”を武器に、第二の人生でもチャレンジを続ける。

土居美咲/Misaki Doi
1991年4月29日千葉県生まれ。6歳でテニスを始める。2008年にプロ転向し、世界ランキングの最高位はシングルス30位、ダブルス78位。4大大会シングルスは2010年全豪オープンで初出場し、2016年ウィンブルドン選手権の16強が最高成績。左利き。身長1m59cm。

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連載「アスリート・サバイブル」

時代を自らサバイブするアスリートたちは、先の見えない日々のなかでどんな思考を抱き、行動しているのだろうか。本連載「アスリート・サバイブル」では、スポーツ界に暮らす人物の挑戦や舞台裏の姿を追う。

TEXT=木本新也

PHOTOGRAPH=アフロ

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