長瀬智也と久保田光太郎、ふたりのキーパーソンに訊くお互いのこと。Kode Talkersの音楽性もここから見えてくるものがある。
久保田「長瀬は長瀬。まったくブレない」
彼が10代だった時から1ミリも変わっていません。
歌っていても、ギターを鳴らしていても、飯を食っていても、長瀬は長瀬。まったくブレない。
小さなことは気にしない。好きか好きじゃないか。楽しいか楽しくないか。旨いか不味いか。旨ければ、和食だろうが、イタリアンだろうが、中華料理だろうが、ジャンルは関係なく好き。
ギターも細かいテクニックで聴かせるのではなく、かっこいいリフを決めたい。そういうタイプ。いつも本気で純粋。真っ向勝負の男です。
でも、矛盾するように思うかもしれませんが、長瀬はとても繊細な心の持ち主でもあると思っていて。愛についても、夢についても、思っていても断言しない。そういう切なさを持っているんじゃないかと思います。
長瀬「Kode Talkersは必然だった」
自分の20代のほとんどは、音楽やギターと向き合う時間を彼と過ごしてきました。彼がいつも言うことは、上手く歌えとか間違えずに演奏しろ、ではなくとにかく「唄え」と。若かった僕にはその意味がわからなかったけど今となっては「唄え」という意味が痛いぐらいわかる。
これは芝居で言うセリフに魂を吹きこむ感覚に少し似ていると思うけど、そんな単純なことの難しさに今でも頭を悩ませる。そのたびに、彼と話し合ったり答えを見つけたりを繰り返してきた。
自分も誰かの音楽の上手さに感動したいなんて1ミリも思わないけど、その人がこの世の中を見て何を思ったり感じたりしているのかが気になる。きっと音楽ってそういうことを伝えるためのツールだと思っているから。
もう45年ぐらい生きてきて思ったことは、使う機材やら道具なんてなんでもよい。ただ自分の歌と音質の追求は一生自分と向き合う作業になることの覚悟はとっくの昔にできてます。
そんな話を彼としていくなかで、「長瀬はレスポールにハムバッカーのセットはずっと弾いてきたからP90でやってみたら?」と言うアイデアが出て。自分も好奇心が湧き、今回はシングルコイルをチョイスしました。
彼はいつも音楽で楽しむことを大事にしている。
そんな細かな感覚すらも怖いぐらい彼と似ている。そう考えた時にKode Talkersは必然だったんでしょうね。
Kode Talkers
長瀬智也と久保田光太郎をコアメンバーに、ドラムス、ベース、キーボードを加えた5人編成のロックバンド。長瀬のストレートなボーカルと、久保田が大切にする楽器そのものの鳴りが、リスナーの胸を揺さぶる。2023年6月に1stアルバム『Kode Talkers』を自主レーベル、CHALLENGER RECORDSからリリース。2023年9月から東京と大阪でライヴを予定している。
Instagram:@kodetalkers_official