PERSON

2022.12.30

大坂なおみが実践する、逆境を乗り越えるためのメンタル術とは

「DON’T CRACK UNDER PRESSURE」を掲げるタグ・ホイヤーのブランドアンバサダーとしても知られるテニスの大坂なおみ選手。ブランドと共鳴し合うトップアスリートの精神世界に迫りたい。

タグ・ホイヤーとのコラボレーションウォッチをつける大坂なおみ

タグ・ホイヤーとのコラボレーションウォッチ「アクアレーサー プロフェッショナル300 大坂なおみ リミテッドエディション」に合わせ、グリーンのニットでインタビューを受ける大坂なおみ選手。「ジェンダーニュートラルなダイヤルカラーやダイヤモンドがお気に入りです」。

自分を探求して、もっと人としての自信をつけたい

2022年9月に開催された東レ パンパシフィックオープン(PPO)は2回戦で棄権を選択した大坂なおみ選手。人生、上手くいく時もあれば、いかない時もある。ビジネスパーソンもたびたび直面する「逆境」を、大坂なおみ選手は幾度となく乗り越えて、数々の栄冠を摑んでいる。

「逆境は、当然そのなかに身を置いている瞬間は困難ですが、乗り越えた向こうには、必ずよりよい自分が待っています。自分が試されている、そして、それは必ず越えられると信じて向き合っています」

力強い言葉が並ぶ。そのために実践していることはメンタリティのキープだという。

「部屋の照明を落として、雨音や波音をイヤホンで聴きながら瞑想しています。そして、人生をポジティブに思い描き、“私は何がしたいのか”にフォーカスを当てるのです」

壁にぶつかった際、まず自分自身に矢印を向ける。これが、強さの源泉だという。

「東レPPOは、私の好きなトーナメントのひとつで、ここでプレイしたい気持ちは強かった。さまざまな要因があって、棄権を決断しましたが、今は前を向くしかありません」

テニスの試合をする大坂なおみ

©アフロフォト

今回の棄権とて、簡単な決断ではなかったようだ。こうした逆境のなかでモチベーションをキープすることは難しく思える。

「勝つためには、自分自身をよく知ることが重要。成長したいという気持ちこそが私を動かす原動力となっています」

もちろん、時にスイッチをオフにすることも大切だという。

「家族や友人と過ごす時間は、そう多くないですが貴重です」

一時期、苦しんだこともあったが、彼女にテニスがもたらした恩恵は少なくない。

「テニスは、私の大きな一部。ひと言では言い尽くせません。グランドスラムを獲得したり、自分を成長させてくれたり、多くの人と関わらせてくれた。感謝してもしきれないでしょう」

今は、その「成長」の先を見据えているようだ。

「テニスだけにこだわらずに、人間としての自信をつけていきたい。テニスで培ってきた自分の殻を破っている最中です。今まさに自分の幅が広がっているのを感じています。タグ・ホイヤーとのパートナーシップも同様。“時計作りで何がしたいのか”が明確で、時計作りに携わる多くの人のパッションを感じます。学ぶことが多いですし、出会えた私は幸せですね!」

Naomi Osaka
プロテニスプレイヤー
1997年大阪府生まれ。WTAツアーシングルス7勝ほか、アジア出身者初の世界ランキング1位獲得、日本人初となるグランドスラムのシングルス優勝など、輝かしい記録を誇る。

TEXT=高村将司

PICK UP

STORY 連載

MAGAZINE 最新号

2025年1月号

シャンパーニュの魔力

最新号を見る

定期購読はこちら

バックナンバー一覧

MAGAZINE 最新号

2025年1月号

シャンパーニュの魔力

仕事に遊びに一切妥協できない男たちが、人生を謳歌するためのライフスタイル誌『ゲーテ1月号』が2024年11月25日に発売となる。今回の特集は“シャンパーニュの魔力”。日本とシャンパーニュの親和性の高さの理由に迫る。表紙は三代目 J SOUL BROTHERS。メンバー同士がお互いを撮り下ろした、貴重なビジュアルカットは必見だ。

最新号を購入する

電子版も発売中!

バックナンバー一覧

SALON MEMBER ゲーテサロン

会員登録をすると、エクスクルーシブなイベントの数々や、スペシャルなプレゼント情報へアクセスが可能に。会員の皆様に、非日常な体験ができる機会をご提供します。

SALON MEMBERになる