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2022.12.29

史上最高額・推定50億円の契約金! ソフトバンク近藤健介の知られざる横浜高校時代

日本プロ野球のオフシーズン。ファンとして大きな見どころのひとつなのが、トップ選手たちのチーム移籍についてだろう。先日記事でも取り上げた涌井秀章をはじめ、2022年は大物選手の移籍が頻発している。そしてもう一人話題から外すことができないのは、日本ハムからソフトバンクへ移籍となった近藤健介。今回は、過去最大とも言われる契約金を叩き出した近藤健介がスターとなる前夜に迫る。連載「スターたちの夜明け前」とは……

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写真:東京スポーツ/アフロ

高校1年時から魅せていた圧倒的な打撃センス

8人の選手がフリー・エージェント権を行使し、そのうち5人の選手が移籍することになった今年のプロ野球。中でも大きな話題となったのが日本ハムからソフトバンクへの移籍が決まった近藤健介だ。

パ・リーグ5球団による大争奪戦となり、最終的には7年総額50億円(推定)という超大型契約を結ぶことになったのだ。ちなみに7年という期間はNPB(日本野球機構)の日本人選手では歴代最長タイであり、推定50億円という金額も総額では史上最高額と見られている。来シーズン、3年ぶりのリーグ優勝を目指すソフトバンクの本気度がうかがえる補強といえるだろう。

そんな近藤は全国でも屈指の強豪として知られる横浜高校の出身だが、入学当初からその打撃技術は際立ったものがあったという。初めてそのプレーを見たのは2009年7月24日に行われた夏の神奈川大会5回戦の対東海大相模戦だった。

この試合で近藤は1年生ながら5番、ショートで出場。ちなみに当時3年生でドラフトの目玉の1人だった筒香嘉智(前ブルージェイズ傘下・現在FA)は3番、サードで出場している。この試合も正直、筒香がお目当てだったが、試合が始まると近藤は2本のツーベースを放ち4打点と大活躍を見せ、チームの勝利に大きく貢献して見せたのだ。当時のノートにも筒香と同じだけの文量のメモが残っており、そこには以下のような記載がある。

「上背はないものの(当時のプロフィールは172㎝、73㎏)、パンチ力は一級品でインパクトの強さはとても1年生とは思えない。ヘッドが下がらずコンパクトに振り出し、インサイドアウトの軌道で合わせるだけでなく強く振り切れるので左中間の打球がよく伸びる。(中略)ステップも簡単に踏み出すことなく慎重で、ボールを長く見て呼び込むことができる。ショートの守備も派手さはないが、フットワーク良くスローイングの強さも目立つ」

キャッチャーとしても才覚を見せていた

入学してわずか3カ月程度の1年生、しかも野手に対してここまで称賛の言葉が並ぶケースはあまりなく、それだけ近藤のバッティングが目立っていたことがよく分かる。また、夏の大会後に筒香の取材で横浜高校の小倉清一郎部長(当時)に話を聞く機会があったが、ミート力に関しては筒香よりも近藤が上だろうと話していた。

その後も近藤のプレーを見る機会は多かったが、最も強く印象に残っているのが翌年春の県大会、対慶応戦だ。試合は延長戦の末2対4で敗れたものの、3番、キャッチャーとして出場した近藤は打っては2安打、守備でも盗塁を阻止するなどの大活躍を見せている。前年夏に初めて見た時と比べても更に打撃が力強くなっており、常に長打が出そうな雰囲気が漂っていた。

そして驚かされたのがキャッチャーとしての能力の高さだ。イニング間のセカンド送球は2.00秒を切れば強肩と言われるが、この試合で近藤は1.8秒台を2度マークしている。実戦でも素早い送球でコントロールも安定しており、堂々としたプレーぶりは2年生ながら完全にチームのリーダーという風格だったことをよく覚えている。

3年時には春夏連続で甲子園にも出場。最後の夏は怪我もあって調子はもうひとつだったが、3年夏の甲子園後に行われたアジアAAA選手権では高校日本代表にも選出。大会でも見事なスローイングを見せて優勝に大きく貢献し、ベストナイン(捕手)にも選ばれている。

プロ入り後は守備の不安定さが目立ち、現在は外野を守ることが多くなっているが、高校時代に見せていたプレーは捕手としての能力の高さも十分に感じるものだった。

今回の大型契約での移籍に対しては疑問の声も多く、入団会見の様子を見ても相当なプレッシャーを感じていることがうかがえたが、その打撃技術は現在のプロ野球界でもトップクラスであることは間違いない。新天地でもその持ち前のバットコントロールでヒットを量産し、騒がしい外野を黙らせるような活躍を見せてくれることを期待したい。

Norifumi Nishio
1979年愛知県生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。在学中から野球専門誌への寄稿を開始し、大学院修了後もアマチュア野球を中心に年間約300試合を取材。2017年からはスカイAのドラフト中継で解説も務め、noteでの「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも多くの選手やデータを発信している。

連載「スターたちの夜明け前」とは……
どんなスーパースターでも最初からそうだったわけではない。誰にでも雌伏の時期は存在しており、一つの試合やプレーがきっかけとなって才能が花開くというのもスポーツの世界ではよくあることである。そんな選手にとって大きなターニングポイントとなった瞬間にスポットを当てる!

過去連載記事

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TEXT=西尾典文

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