ファーストリテイリング、楽天、セブン-イレブン、日清食品など、名だたる企業のブランドコミュニケーション戦略、ロゴデザインなどを手がけている佐藤可士和氏。その手土産の流儀は仕事と同じく、相手のことをとことん考えることにあった。
佐藤可士和「手土産選びはケースバイケース」
さまざまな企業の経営者やクリエイターなど幅広い付き合いがあるクリエイティブディレクターの佐藤可士和氏。以前も同じものを贈った、なんてことが起きないようにプレゼントはリスト化。手土産選びはケースバイケースで、どんな時にもベストな手土産を渡せるようにいくつもの手札を持つようにしている。
「会社を訪れる時は配れるように個包装、会食時は日持ちがするのもの、プロジェクト完成時にはスパのギフト券などリフレッシュできるもの、と渡す相手やシーンを熟考して選んでいます」
雑誌『ブルータス』の手土産&お取り寄せ特集でも長年審査員を務めている佐藤氏は常に美味しいものへのアンテナを張り巡らせているが、強力な手土産仲間もいるという。
「僕の場合、マネージャーでもある妻・悦子が大のスイーツマニア。どんなに遠い場所へでも買いに行くし、行列に並ぶことも厭わない(笑)。そのためスイーツの手土産は、そんな彼女が買ってきた厳選品からさらに僕が厳選したものなので、みなさんに好評です」
クリエイティブディレクター・佐藤可士和のとっておきの手土産3選
1.入手困難なVIP限定品
été「バスクチーズケーキ」
佐藤氏のとっておきの手土産の一つが、紹介制のレストラン「été」のシェフ・庄司夏子氏が作るバスクチーズケーキ。マンゴーをバラに見立てたコフレ・デセールでも知られるが、バスクチーズケーキは限られた人しか購入できない入手困難な逸品。3日ほど日持ちもするため、会食の手土産に重宝しているという。
「正直、僕は甘いものが得意ではないんです。でも夏子さんが作るものは別。どれも濃厚だけど後味が軽やかでキレがいい。そして驚くほどお酒にも合うので、甘党にも辛党の人にも喜ばれる手土産です」
2.グルメなクリエイターも驚愕した
ユーセーアーヴェー「キャラメルサンド」
UCÀV(ユーセーアーヴェー)のキャラメルサンドも佐藤氏が自信を持ってお勧めする一品。
「板橋にあるパイと焼き菓子専門店なんですが、ここのキャラメルサンドが驚くほどうまい。サクサクのクッキーに濃厚なキャラメルがはさまれていて、口の中でバランスよく溶け合うんです」
このキャラメルサンドを、グルメなクリエイターの友人との会食時に手土産として渡したところ「次の日すぐにメールが来て『これ、すごいね。美味くてびっくりしたよ』と。普段そんなメールを送ってくる人ではないので、その反応が何よりうれしかったですね」。
3.お疲れさまの気持ちを込めた
アマン東京「アマン・スパ トリートメント券」
「大きなプロジェクトが終わったタイミングなど感謝の気持ちを伝えたい時に選ぶのが、アマン東京のスパのギフト券です」
実は佐藤氏は大のスパ好き。国内外含め数多くのスパを訪れてきた佐藤氏が絶賛するアマン東京のアマン・スパは極楽のひと時を提供する。
「トリートメント前にはスチームバスやお風呂など、バスエリアも使えて、ゆっくり身体を癒してもらえます。これは忙しい経営者の方にも喜ばれます」
さらに佐藤氏自身が空間デザインを担当し、浅草と原宿のグローバル旗艦店が、世界三大デザイン賞のひとつ「Red Dot Design Award 2022」のBrands&Communication Design部門で最優秀賞にあたる「BEST OF THE BEST」を受賞したくら寿司。そのギフト券を贈ることもあるという。
「お子さんがいる方には特に喜ばれます。『会社の皆さんでどうぞ』とか『ご家族で楽しんで下さい』と気軽な感じで贈ります。食事に行っていただければ、僕自身の仕事の紹介にもなるし、美味しく楽しい時間が過ごせること間違いなしです」