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2022.12.08

錦織圭、引退も考えた。最大の試練を抜け出す糸口はいかに

2022年1月に股関節の手術を受け、夏以降はエントリーしていた大会の欠場を繰り返す。今回は’07年に17歳でプロ転向して以来、最大の試練を迎えている錦織圭を取り上げる。連載「アスリート・サバイブル」とは……

都内で開催されたユニクロのテニスイベントに参加した、左から錦織圭、ロジャー・フェデラー、国枝慎吾、ゴードン・リード。

都内で開催されたユニクロのテニスイベント。ユニクロのグローバルアンバサダーを務める(左から)錦織圭、ロジャー・フェデラー、国枝慎吾、ゴードン・リードが集結した。

フェデラーの言葉に勇気づけられる

一時は「引退」の二文字も頭をよぎった。男子テニスの錦織圭(32歳・ユニクロ)は2022年1月に股関節の手術を受けて長期離脱中。夏には室内でのリハビリが続き、コートに立つことすらできない状態だった。

「精神的に危ない時はありましたね。一度(現役を)やめることもちらつきました。7月、8月ぐらいですね。なかなかコートに戻れない時が本当につらかった。一日中、家でリハビリしてコートにも出られなかったので。でもフェデラーとかを見ていて、最終的には30代後半までできるかなと思えた」

2021年10月を最後に1年以上もツアー大会出場から遠ざかる。当初は今夏の復帰を目指していたが、想定通りにはいかなかった。秋には股関節は完治に近づいていたが、復帰に向けた本格的な練習中に右足首を捻挫して再離脱。夏以降はエントリーしていた大会の欠場を繰り返す。

「8月、9月ぐらいに股関節が治りかけて、あと1~2ヵ月ぐらいで試合に出られるかなと思ったんですけど、そこで新しいケガ、足首を捻った。大会に出場するには3週間先を見越してエントリーしないといけないこともあり、エントリーとキャンセルを繰り返した。今年はずっとそんな感じです」

ここ数年は故障に苦しんできた。’19年10月に右肘を手術。復帰を目前に控えた翌’20年3月に新型コロナウイルスの感染拡大により、ツアー大会の休止が決定した。ツアー再開初戦の’20年8月のウエスタン・アンド・サザン・オープン(米ニューヨーク)に出場予定だったが、今度は自身が新型コロナに感染。9月8日のジェネラリ・オープン(オーストリア・キッツビューエル)で375日ぶりに公式戦に出場したが、’20年9月30日の全仏オープン2回戦で右肩を負傷した。’21年1月に復帰し、夏の東京五輪では8強進出。調子を上げてきた矢先に股関節痛を発症した。

現時点で復帰時期は不透明。’23年1月の全豪オープン(16~29日、メルボルン)のコートに立つことを理想とするが、いきなりの5セットマッチはリスクが大きいため、出場には事前にツアー下部大会などでプレーしてステップを踏む必要がある。

「いつ戻れるかは僕自身もわかっていないので、明言できない。理想は全豪ですけど、フィフティ・フィフティぐらいかな。いきなり全豪は出られないと思います」

離脱中に世界では若手が台頭。現在の世界ランキングのトップ10は1位のカルロス・アルカラス(19歳・スペイン)、3位のキャスパー・ルード(23歳・ノルウェー)、4位のステファノス・チチパス(24歳・ギリシャ)ら25歳以下の選手で7人を占める。錦織の最高位は4位だが、現在は’10年以来のランク外。’07年に17歳でプロ転向して以来、最大の試練を迎えている。それでも引退がよぎった夏とは違い、現在は前を向いている。

’22年11月には都内で開催されたユニクロのイベントで、9月に現役を引退した元世界ランキング1位のロジャー・フェデラー(41歳・スイス)と共演。4大大会シングルスで通算20勝を誇るレジェンドから「ケイとコートで一緒に戦った日々を忘れることはできない。早くケガを治してカムバックしてほしい。ぜひ強くなって帰ってきてほしい」との言葉をもらい、勇気づけられた。

イベントでは子供にテニスを指導する機会もあり、錦織は「自分の背中を見て育ってもらえるように僕ももっと大きくならないといけない」と決意を新たにした。‘09年4月~’10年2月にも右肘疲労骨折で長期離脱したが、ツアー下部大会から出直しを図って復活を遂げた過去がある。’22年12月29日に33歳となるが、このままでは終わらない。目標のトップ10返り咲きへ、焦らずに復帰プランを固めていくだろう。

錦織圭/Kei Nishikori
1989年12月29日島根県松江市生まれ。5歳からテニスを始め、2003年に米国にテニス留学。’07年10月にプロ転向し、’08年2月にツアー初優勝を果たした。’14年の全米オープンではアジア男子シングルス初の4大大会準優勝。五輪は初出場の’12年ロンドンオリンピックで8強入り。’16年リオデジャネイロオリンピックは男子シングルスで日本勢96年ぶりのメダルとなる銅メダルを獲得した。’20年東京五輪は8強。世界ランキング自己最高位は4位。身長1m78cm。

■連載「アスリート・サバイブル」とは……
時代を自らサバイブするアスリートたちは、先の見えない日々のなかでどんな思考を抱き、行動しているのだろうか。本連載「アスリート・サバイブル」では、スポーツ界に暮らす人物の挑戦や舞台裏の姿を追う。

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TEXT=木本新也

PHOTOGRAPH=SportsPressJP/アフロ

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