トップセールスマンとして走り続けてきた、フィード代表取締役社長・中村建治による営業を極めたい人のためのバイブルが登場。『営業道 ～人間力を磨き、自らの市場価値を高める極意～』は、まさに営業という道を追求するすべての人に捧ぐ一冊だ。
一流の営業マンになるために必要なこととは
不動産を中心に多事業を手がけるフィード中村建治社長へのインタビューは自身初めての著書『営業道』の発売当日に行った。しかし、取材当日はどことなく沈痛な面持ち。“最も尊敬する経営者”と記した、稲盛和夫氏の逝去が公表された翌日だったのだ。
「起業したての30代に、稲盛さんの『企業の本分は従業員の物心両面を豊かにすること』という言葉を読んで衝撃を受けました。社長とはどうあるべきか？ 会社は何のためにあるのか……仏様のような深い思索に感銘を受け、以来講演を拝聴し、著書はほぼすべてを読破しました」
社長業には師匠はいない。人がかけてくる言葉には何かしらの思惑がある。だから偉大な先達の本に書いてある練られた言葉のほうが心に響く、と中村社長。迷い悩んだ時、壁にぶち当たった時は、稲盛さんほか、孫子、本田宗一郎や松下幸之助、そして幻冬舎 見城徹の言葉を反芻（はんすう）し、決断・実行してきた。著書内にも多数の至言・箴言（しんげん）の引用がある。とはいえ、『営業道』は名言集ではない。
「自身の営業体験やノウハウを包み隠さずふんだんに盛りこみ推敲（すいこう）に推敲を重ねた結果、脱稿・完成まで約5年半、800時間以上かかりました。私の長年の仕事の集大成。渾身の1冊です。若い人にもぜひ読んでほしい。働き方改革や流行りの“デジタルトランスフォーメーション”とは正反対の内容かもしれませんが、まさに温故知新です」
この本で何かを感じてもらえたら嬉しいと表情を和らげる。
「言葉を選ぶ、空気を読む、相づちを打つなど、どんな場合でもそれを究めてほしい。営業の本質は“自社商品やサービスを通じ、お客様の人生を幸福で豊かにすること”。作業とは異なる、素晴らしい“仕事”です。ぜひ営業という道の求道者になってほしいと願います」
『営業道 ～人間力を磨き、自らの市場価値を高める極意～』
中村建治 著／幻冬舎 ¥1,980
難しいとされる宝飾品営業では通算契約数2000本、成約率97%という偉業を達成した著者が30年の経験を注ぎこんだ渾身の一冊。「心と技の両方を磨いていくこと」が一流の営業マンに通ずる道だという。悩める営業マンや部下を持つマネージャー、これから就職しようとしている学生など、仕事をするうえでの心構えや手引きとなるはず。
Kenji Nakamura
1972年京都府生まれ。30年以上にわたり営業として宝飾品、美容など数々の業界で活躍。理論と実践を繰り返すことで今なお走り続ける。独立後、2011年には不動産事業へ。認知獲得のためヘネシーやポルシェ、DIESEL LIVINGなど世界的ブランドとのコラボを次々と実現し、グループの年商を約100億円に拡大させた。
