「ゲーテ」2022年11月号のファッション特集に登場した成田凌が、夢だったという写真家・操上和美とのシューティングの感想や、ファッションへの愛、そして演じるうえでの衣装へのこだわりなどを、フランクに語ってくれた。
「ゲーテ」11月号のファッション特集の撮影を終えた成田凌は、「いやぁ、夢がかないました」と言いながら、満面の笑みを浮かべた。
「子どもの頃からファッションが好きで、操上和美さんの写真に憧れていました。どうしたら操上さんに撮っていただけるんだろう、どこにチャンスがあるんだろうとずっと思っていて、ゲーテ編集部の方に相談したら今回、操上さんの撮影をセッティングしてくださったんです。しかもスタイリストさんは高校で一緒にサッカーをやっていた昔からの友人で、ふたりでレジェンドに立ち向かう気持ちでした(笑)」
では、念願かなってレジェンドと仕事をした感想は?
「僕も趣味で写真を撮るので、撮られている時や、パソコンの画面に映った画像を見ながら、何か盗めないかと思ってたんですけど、わからなかったです。なんでこんなに格好いい写真になるのか、全然わからなかった。ただただ、ひたすら楽しい時間だったことは間違いないです」
今回の撮影では、洋服に合わせて髪の毛のスタイリングについて、成田がアイデアを出していたことが印象的だった。
「スタイリング剤は一滴も使っていなくて、素の状態で撮っていただきたいと感じたんですね。今回の撮影に限らず、髪に関しては合いすぎないことを意識していますね。たとえば舞台挨拶とかスーツを着る時には髪をボサッとしてみたり、逆にTシャツの時にはかちっとキメてみたり」
あえて服装に似合いすぎない髪型を選ぶことについて、成田は「それが僕の戦い方なのかな」と、表現する。
「『MEN’S NON-NO』の専属モデルを8年間やらせていただいて、世の中には顔が格好いい人やスタイルがめちゃくちゃいい人が、沢山いることを知りました。だから髪型にしてもファッションにしても、自分の戦い方を見つける必要がありました」
つまり成田凌にとってのファッションとは、自分の戦い方を表現する方法なのだろうか?
「そういう面もありますね。今日はどこで誰と会うからとか、きちんと着るものを考えて出かける。それが誉められたり相手にいい印象を与えることで関係が深まったりすると思っています。逆に、今日はこれぐらいでいいかとか、適当な服で出かけた時に大事な人にばったり会ったりとか、日々、失敗もありますけれど(笑)」
成田は、ドラマや映画の衣装選びにも一家言持っている。
「衣装っていうのはもう、完全にその役を作るものなので、可能な範囲でアイデアを出したり意見を言ったりしますね。とあるプロデューサーさんからは、『衣装についてこだわりがありすぎるな(笑)』と言われたぐらいです」
そんな成田が楽しみにしているのが、2023年1月に東京芸術劇場で公演が行われる舞台『宝飾時計』だ。
「衣装の担当がkeisuke kandaの神田恵介さんなんですよ。昔、原宿の古着屋でアルバイトをしていた時に、お客さんがこぞって象のマークがついたKeisuke kandaの服を着てやって来ました。あの頃の自分に、“将来、神田さんと仕事をするぞ”と言ったら、どんな顔をするでしょうね(笑)」
操上和美に撮られ、keisuke kandaの衣装で舞台に立つ。成田凌の夢がひとつひとつ叶ってきたのは、おそらく「自分の戦い方」を貫いてきたからではないだろうか。
Ryo Narita
1993年埼玉県生まれ。2014年にドラマ『FLASHBACK』に主演し、俳優デビュー。以降、ドラマや映画を中心に活躍し、日本アカデミー賞新人俳優賞や同優秀助演男優賞などを受賞。’23年1月9日からの舞台『宝飾時計』のチケットが販売中。