毎度お騒がせしております。キングコング西野です。今回の記事は、毎朝voicyという音声メディアで配信している「#西野さんの朝礼」でお話したことから、編集して紹介させていただきます。(※今回の記事を音声で楽しみたい方はコチラ)
【連載「革命のファンファーレ2~現代の労働と報酬」】
今日は「会社をダメにする経営者の共通点」というテーマでお話ししたいと思います。
第59回 会社をダメにする「右脳と左脳」の使い方
建築士の佐々木茂良さんや蜷川幸雄さんのアイデアの引き出し
先日、ちょっとした用事があって、建築士の佐々木茂良さんのアトリエにお邪魔しました。
佐々木さんは、2016年にお亡くなりになったんですが、亡くなる前に出会って、仕事でご一緒させていただいたことはないのですが、僕が佐々木さんにお手紙を書いたり、佐々木さんが僕の仕事場に遊びに来てくださったり、そういった仕事外での交流をとらせてもらっていたのもあって、今でも、ご家族の方とはチョコチョコとやりとりさせていただいているんです。
本当に素晴らしい(夢に溢れた)家を建てられる建築士さんなので、是非、皆さんにも、「こんな素敵な建築士さんが日本にいた」ということを知っていただきたいなぁと思います。
『ぬくもりの森』で画像検索してみてください。
佐々木さんが建てたお家がたくさん出てくると思います。
今回、そんな素敵な佐々木さんのアトリエに、2〜3年ぶりぐらいにお邪魔して、そこであらためて思い知らされたのですが、とにかくアトリエは本だらけで、インプット量がすごいんです。世界中の建物に関する本が全部あるんじゃないかというぐらいの量です。
要するに、建築デザインに関する引き出しが多いんですね。
これ、蜷川幸雄さんのアトリエにお邪魔した時もそうだったんですけども、蜷川幸雄さんのアトリエは壁とか床とか机とか無くて、いや、実際にはあるんですけど本で埋もれているんです。
もう、「本を積み木のように重ねて部屋を作ったんかい」というぐらい、360度、本なんです。
それがそのまま、蜷川幸雄さんのアイデアの引き出しになっているわけですね。
「自分達ならでは」の強みは右脳で創造する
ここから前回の続きです。
会社経営のノリで経営者が「世界観の創造」にまで着手してしまうのは、地獄の沙汰、という話をしました。
というのも、ここからは、「デザイン」とか「右脳」が必要なんです。
「右脳」というのは、「イメージ脳」のことです。
反対に、「左脳」は「言語脳」です。
ここの解像度をもうチョイ上げると、「イメージ脳」って、なんとなく、生まれ持ったもので、「才能」や「センス」みたいな言葉で片付けられがちですが、僕が知る限り、「右脳」で結果を出している人は、そうじゃ無いんです。
こういう風に整理すると分かりやすいと思います。
右脳=「イメージの引き出しの量」
左脳=「言語や計算の引き出しの量」
です。
どちらも「引き出しの量」なんです。
佐々木茂良さんの「右脳」ってオンリーワンなんですけども、それは生まれ持ったものじゃなくて、「他の人以上に右脳教育にコストを割いた」という話だと思います。
左脳経営者が「右脳仕事」をやると上手くいかない
ここからはチョット耳の痛い話かもしれませんが、「上手くいかない会社(あるいは上手くいかないプロジェクト)あるある」が、左脳の経営者が、セカンドステップで、「右脳仕事」をやっちゃう…ということ。
「世界観やストーリーが必要」という答えを割り出すところまではいいのですが、それを自分でやっちゃおうとするんです。
だけど、残念ながら、引き出しの量が少なすぎるから、「どこかで見たことのある世界観」なんです。
「競合と同じビジネスモデルで、どこかで見たことのある世界観」という、 RADWIMPS的に言うと、「差別化から一番遠い場所」で待ち合わせしてるんです。
会社って、恐ろしいもので、社員は社長に対して「ダサい」って言えません。
あと、社員も別に「デザイン」の勉強をしている人ばかりじゃないので、結局、左脳人間が集まって「どんな世界観にする〜?」みたいな会議をしちゃう。
日本の企業が特にそうだと思うのですが、ちゃんと、「デザイナーさんとか、物語や世界観を作れる人材を、会社の経営に近いところに参画させる」ということを積極的にやっていかないと、いろいろ立ち行かなくなると思います。
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会場によっては、まだ、チケットを発売してなかったりしますが、そのへんはご容赦ください。
講演会開催情報
よろしくお願いします。
西野亮廣/Akihiro Nishino
1980年生まれ。芸人・絵本作家。モノクロのペン1本で描いた絵本に『Dr.インクの星空キネマ』『ジップ&キャンディ ロボットたちのクリスマス』『オルゴールワールド』。完全分業制によるオールカラーの絵本に『えんとつ町のプペル』『ほんやのポンチョ』『チックタック~約束の時計台~』。小説に『グッド・コマーシャル』。ビジネス書に『魔法のコンパス』『革命のファンファーレ』『新世界』。共著として『バカとつき合うな』。製作総指揮を務めた「映画 えんとつ町のプペル」は、映画デビュー作にして動員196万人、興行収入27億円突破、第44回日本アカデミー賞優秀アニメーション作品賞受賞という異例の快挙を果たす。そのほか「アヌシー国際アニメーション映画祭2021」の長編映画コンペティション部門にノミネート、ロッテルダム国際映画祭クロージング作品として上映決定、第24回上海国際映画祭インターナショナル・パノラマ部門へ正式招待されるなど、海外でも注目を集めている。また「えんとつ町のプペル」は、ミュージカルや歌舞伎にもなっている。
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