年を重ねるのが楽しみになる美しく素敵な台詞の数々
以前に出演させていただいたドラマ『やすらぎの郷』『やすらぎの刻〜道』の脚本がすべて手書きだと聞いた時、ペンと身体だけで長い時間をかけて何百話も書かれた熱意や思いに心を打たれ、感動したことを今でも覚えています。倉本さんの脚本にはいつも愛情と魂が詰まっていて、草木や土の香りさえも感じ取ることができます。
脚本を書かれる際は、必ずモデルとなる場所に自ら足を運ばれます。景色や歴史を肌で感じ、しっかりと自分の記憶に焼きつけるため、カメラには残さないと仰っていたのが印象的でした。今現在も脚本を書き続け、新しいものを吸収していく探究心と、年齢を重ねてもご自身の信念を曲げず走り続けていらっしゃるその姿に、エネルギーをいただいています!
特に心に残っているセリフを挙げさせていただくなら『やすらぎの郷』で秀次さんが顔のシワについて語るシーンです。「シワは水道なんです。人生の苦楽が通過した後。そう考えると、シワは美しい。女は履歴書を隠そうとする。シワは履歴書ですよ。その人の人生のすべてを表すものですよ」と。私自身も年を重ねることが楽しみになるような美しく素敵な台詞でした。
ハットに薄めのサングラス、そして杖をどんと構える姿は、とってもお洒落でカッコいいのですが、周りから見ると少し怖そうな印象を持たれるかもしれません……。ですが、その印象がすべてひっくり返るくらいに、いつも優しい笑顔でお話ししてくださいます。
Nana Seino
倉本作品は、2017年のテレビドラマ『やすらぎの郷』、’19年『やすらぎの刻〜道』に出演。映画『キングダム2 遥かなる大地へ』(7月15日)、『異動辞令は音楽隊!』(8月26日)の公開が控える。
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