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2022.07.01

SDGsのキーパーソン対談!「大切なことは、地球を健康にするために勇気を持って行動すること」

地球環境の改善や社会システムの維持のため、企業には今まで以上のサステナビリティが求められている。そんな中、カガクでネガイをカナエル会社「カネカ」と日本を代表するホテルチェーン「東急ホテルズ」が絆を深めている。両者はどんな未来を描いているのか。カネカ代表取締役会長・菅原公一氏と東急ホテルズ代表取締役社長・村井淳氏が、社会を形づくる経営者として大切に思うことを語り合った。

左:カネカ代表取締役会長・菅原公一氏。右:東急ホテルズ代表取締役社長・村井淳氏。

カネカ×東急ホテルズ、異業種の“つながり”が時代を拓く

村井 各企業は未来に向けて、地球温暖化や海洋汚染などの環境問題についてより深く考え、地球を健康にする経営を実践していかなければなりません。東急ホテルズでは2019年にサステナブル方針を制定し、「地球にやさしいホテル・まちにやさしいホテル・ひとにやさしいホテル」という3つのサステナビリティの実現を目指しています。とはいえ、東急ホテルズの力だけでは、できることが限られてしまいます。そこで、志を同じくする企業と積極的に連携を図っていきたいと考えていました。その思いから、カネカとの“つながり”が生まれました。

菅原 かねてからカネカも、「カネカは世界を健康にする。KANEKA thinks “Wellness First”」というテーマを掲げ、私たちの技術をもっと世の中の役に立てたいと考えていました。そんな時に、東急ホテルズからカネカ生分解性バイオポリマー「Green Planet®」を使った歯ブラシを導入したいと声がかかったんです。こんなにうれしいことはありませんでしたね。東急ホテルズは数多くのホテルを運営されていますから、地球へいい影響をたくさん与えられるのではないかと。

村井 東急ホテルズでは現在、48軒のホテルを運営していて、部屋数にすると約12,000室。年間200万人以上のお客様がホテルで生活されています。「Green Planet®」を用いた歯ブラシの導入は、そのこと自体が環境にやさしいのはもちろん、ホテルを利用するお客様が地球環境について考えるきっかけになるのではないかと期待しています。

菅原 カネカという会社は化学製品だけでなく、食品や衣料品など、衣食住につながる多様な分野を仕事場にしています。その理由は、誰も見たことがないユニークな技術や製品を生み出すには、培ってきた技術の組み合わせやハイブリッド性が欠かせないからです。そうした新しい「絆」によって生まれた製品が、ほかの企業につながり、さらにお客様にもつながっていく。明るい未来を切り拓くには「絆」を広げていくことが欠かせないですよね。

40年の研究の成果「Green Planet®」

村井 今回、導入させていただいた歯ブラシの素材になっているカネカ生分解性バイオポリマー「Green Planet®」も、技術の組み合わせにより生まれたものなのでしょうか。

菅原 カネカではバイオポリマーの研究を40年ほど続けているんですよ。バイオポリマー「Green Planet®」は、見た目はプラスチックと変わりませんが、水や土の中に入れるとそこに棲んでいるバクテリアに生分解され、最終的に水と二酸化炭素になります。そうしてできた二酸化炭素を植物が摂取して、植物油が生まれます。その植物油を原料にして、「Green Planet®」を作ります。このような循環ができているんですよ。

村井 循環というサイクルがあるから、地球に負荷をかけないということですね。

菅原 そうです。循環するから、どこにも無駄が出ません。「Green Planet®」は奇跡のポリマーだと自負しています。

村井 バイオポリマーを製品化できるのは、カネカだけなのでしょうか。

菅原 現時点では、世界広しと言えども、「Green Planet®」はカネカだけの技術ですね。「バイオ」は微生物や発酵といった生物学的な技術に基づいたもの。一方、「ポリマー」は化学の分野のもの。この2つを掛け合わせることで、「Green Planet®」は誕生しました。

村井 まさにハイブリッドですね。様々な分野に強みをもつカネカであれば、今回の「Green Planet®」の歯ブラシに限らず、環境にやさしい未来のアメニティ用品がどんどん生まれていきそうに思います。

菅原 はい、いろいろなアイデアを持っていますよ。例えば、バイオポリマーでできたオムツとか。これからの時代、お年寄りのケア用オムツは確実にニーズが高まります。トイレに流すことができて、水の中で分解するようなオムツ。清潔ですし、地球にもやさしいと考えているんです。

村井 なるほど。カネカはアメニティ用品だけでなく、食や医療の分野にも幅広い知見をお持ちですよね。

菅原 今、力を注いで展開しているのが還元型コエンザイムQ10。人間の肝臓、腎臓、筋肉、脳といった代謝の活発な細胞には多くのミトコンドリアが存在していて、1つの細胞の中に1000~2000個のミトコンドリアが含まれています。このミトコンドリアが酸素を吸ってエネルギーを作り、体を動かしているんです。でも、老化やストレス、不眠などにより、ミトコンドリアの働きが弱まってしまう。その弱体化をくい止めるのが還元型コエンザイムQ10なのです。最近の研究によれば、免疫の老化を防ぐことも分かってきているんですよ。

村井 私もカネカの還元型コエンザイムQ10を試してみましたが、本当にいいですね。朝、目覚めたときに活力が湧いてくるのを実感するんですよ。

菅原 それはもちろんあるでしょうね。女性からは肌の調子がよくなったといわれます。あと、ヨーグルト、バター、チーズなど、乳酸菌を使った製品もカネカは豊富ですよ。乳酸菌は腸内環境を整え、免疫を活性化させることが知られていますが、カネカでは牧場の環境改善にも力を入れています。乳牛が乳が出そうになったら自分で機械の前へ進み、自動で乳を搾り取る。牛にやさしく、また搾乳にかかる人の負担を減らすことで人にもやさしい環境作りをしています。

村井 カネカとはこれから先、もっと「絆」を深めていきたい。カネカが有する高い技術力をお借りして、地球を健康にしていきたいですね。

菅原 私たちは東急ホテルズの発信力をお借りしたいと思っています。カネカでは、お客様と直に接する機会があまりないものですから。改めて、今回の「Green Planet®」の歯ブラシを採用していただいたことに、感謝を申し上げます。企業って、既存のシステムやルールを変えにくいでしょう。でも、東急ホテルズは勇気をもって変革に挑んでくれた。こうした変革の積み重ねが、社会をよくしていくはずです。お互い、これからも勇気ある行動を続けていきたいですね。

【対談元となった東急ホテルズの「大人の旅」を豊かにするWEBマガジン『COMFORTS』はこちら】

Kimikazu Sugawara
1947年生まれ。’70年鐘淵化学工業株式会社(現・株式会社カネカ)入社。カネカテキサス株式会社社長などを経て2006年取締役常務執行役員、‘08年株式会社カネカ代表取締役社長。’14年より現職。

Murai Jun
1963年生まれ。’85年東京急行電鉄株式会社(現・東急株式会社)入社。同社グループ事業本部第一部統括部長、取締役執行役員人材戦略室長などを経て2020年東急バス株式会社代表取締役副社長。’21年より現職。

TEXT=川岸 徹

PHOTOGRAPH=吉場正和

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