師匠か、恩師か、はたまた一生のライバルか。相思相愛ならぬ「相師相愛」ともいえるふたりの姿を紹介する連載「相師相愛」。その貴重な対談の数々をまとめて振り返る。※2016年9月号、2018年7月号掲載記事を再編。固有名詞や肩書き、年齢等のデータは掲載時のまま
「知人の結婚式で隣に座り、叱られた。明日、勉強しに会社に来い!」寺田和正×似鳥昭雄 対談
寺田 振り返れば2009年、出会いは共通の知人の結婚式でしたね。仕事はどうだ、なんて話から気づけば説教されて。
似鳥 はて、そうだったかな。
寺田 本気で怒られたんですよ。今のままではダメだ、泥船の船長だ、社員がかわいそうだ......。
似鳥 泥船はいい表現だったなぁ。あの時は自然に出てきた。
寺田 ショックでしたよ。会社やってて叱られることなんてありませんから。そのうえ、勉強しに会社に来い! と言われて。
似鳥 誰にでも言うわけじゃないよ。人なつっこいところがあったから。社長には苦言を呈してくれる人はいない。間違った方向に気づけない。僕は師匠がいて、徹底的にしごかれた。そういう存在がいないのは、かわいそうだとよく思うよね。
寺田 実際、伸び悩んでいる時期でした。
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「レジャーと音楽」加藤友康×中西健夫 対談
8年前、渋谷の映画館を再生して音楽劇場にできないか、と考えていた時、この人に相談しなさい、と紹介されたのが中西さんでした。日本のナンバーワンプロモーターだから、と。
以来、ハッとするアドバイスを何度ももらえただけではなく、いろんな方をご紹介くださって。みんな中西さんのことを「出会いの神様」って言うんです。自分の利益をまったく考えずに人をつなぐ。私にとってのエンタテインメントの師です。
最も印象深いのは、やはり東日本大震災後です。直後にふたりで飲む機会があって、今こそ音楽の力でできることをやらないといけない、とおっしゃって。それが布袋寅泰さんと吉川晃司さんのコンプレックスの再現であり、あのプリンセス プリンセスの再結成であり。絶対に中西さんにしかできないことだし、本当に多くの人に勇気を与えたと思います。その思いを、おそらく初めて聞いたのは私なんです。生き方が、本当にかっこいいんです。
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