師匠か、恩師か、はたまた一生のライバルか。相思相愛ならぬ「相師相愛」ともいえるふたりの姿を紹介する連載「相師相愛」。その貴重な対談の数々をまとめて振り返る。※2017年7月号、2019年3月号、7月号掲載記事を再編。固有名詞や肩書き、年齢等のデータは掲載時のまま
「波長の合うふたり」西川八一行×伊原木隆太 対談
西川 初めてお会いしたのは、天満屋の社長として展示会にお見えになった時でした。気さくで笑顔がたえなくて、でもビシッと質問する時はする。私も他の業界から来ましたから、いい波長を感じました。
伊原木 450年以上もの歴史ある会社に若くて元気な人が入られ、素晴らしいと思いました。周囲に聞くと、ご先祖は武将の佐々成政(さっさなりまさ)、お父上はテレビでよく拝見した元内閣安全保障室長の佐々淳行(さっさあつゆき)さんだと聞いてびっくりして。
西川 子供の頃から家で政治の話や防衛の話をよく聞かされていました。佐々家は武士道、片や西川家は商人道。ふたつの道を極めたところですから、どちらでも学びの日々でした。
伊原木 とにかく利益を出せばいい、自分の代だけ儲かればいい、という人とは違うな、と感じました。振り返ると、取引先関係の個別のお付き合いはほとんどない私ですが、西川さんはずっとお付き合いくださって。
西川 もうふたり加えた4人で、3、4カ月に一度、泊まり込んで、おいしいものを食べたり、ゴルフをしたり、いろんな話をする「経営研究会」で長くご一緒させていただきました。
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「超負けず嫌い」佐藤誠治×矢部延弘
銀行員らしくない、というのが第一印象でした。過去から今日よりも、今日から未来を考えている、という感じ。物言いがストレートなんですよ。慮おもんぱかったり、忖度したりしない。でも、私にはむしろ好感が持てました。ただ、「丸紅はここがダメだ」なんてことも平気で言ってきますから、こちらもカチンと来る(笑)。それで言い返したりして何度もやりとりしているうちに、すっかり親しくなりました。
しかも、ゴルフがちょうど同じくらいのレベルだったんです。こうなると、一緒に行って楽しいわけですね。これも巡り合わせかもしれないと思いました。加えて、ゴルフへの取り組み姿勢が180度違うんです。私は言ってみれば、感性でゴルフをする。だから、適当なんです。彼はいろんな本を読んで研究して、常にフォームを改造していたりする。まるで違う。
対戦成績は五分五分くらいですね。最近、また新しいドライバーを買ったらしい。でも、絶対に負けないですけどね、絶対に(笑)。
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「枠にとらわれないふたり」疋田直太郎×川端克宜 対談
彼は若いけどようやりよる、前任地でもすごく売り上げていた、という噂を聞いていて、会わせてもらったんです。その後、どんどん川端さんの評判が耳に入るようになった。悪く言う人は誰もいなかった。とにかく親しみがある。ええヤツやな、と僕も思いましたね。
それとお洒落なんですよ。ブティックなんかもよう知ってる。ある時、時計を見に行ったら、うちの家内も川端さんに何度も会ってるんで、「ここの時計をしてはったよ」と言うんです。そうしたら時計店の店長が「その川端さんって、アース製薬の川端さんですか? 」と言うわけです。世間って、狭いんですよ。洋服も、そんなの会社に着て行けるの? みたいな服を着て行っちゃうしね(笑)。僕も服は好きなので、男でそういうのは珍しいからウマが合った。東京の本社の社長室も印象的やったしね。赤をうまく使っていて。
だいぶ年下ですけど、彼とのお付き合いは心地いい。気を遣わない。ゴルフも楽しいんです。
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