PERSON

2021.07.25

りんたろー。「外見がちょっと変わるだけで、こんなにもメンタルが変わる」

美しくあることはプロ意識の表れであり、マナーである。また、何よりも自分を愛することで自信にもつながる。賢者たちの美容ライフはいかなるものか。

りんたろー。

美容は自分を愛せるようになるためのツール

デビューするや否や、ネオ渋谷系チャラ男漫才で大ブレイクしたEXIT。そのツッコミ担当で、ネタ作りも担うりんたろー。が、最近美容男子として注目されている。昨年から美容雑誌のWEB版で連載をスタートし、YouTubeではエステからメイクまで幅広いビューティ情報を発信。スキンケアやヘアケア製品のプロデュースも行うなど、もはや美容のプロともいえる活躍ぶりだ。

「美容、楽しいですね。歯の矯正から始めて、小顔矯正、痩身(そうしん)、レーザー治療、ネイルにマツエクなど、サロン系はかなり体験しましたし、化粧品も、プチプラからハイブランドまで試しました。専門家に教えてもらう機会も増えたので、今は、自分の肌に合った、必要なものだけに絞れるようになりました」

そう言ったあと、「化粧水を顔につける時ってガシガシこすっちゃダメなんですよね、肌にダメージ与えちゃうから。桃の皮を扱うように、優し〜くタッチしないと」と! この美容感度、さすがチャラ男代表と思いきや、りんたろー。が本格的に美容に取り組むようになったのは、2年ほど前からだ。

「ありがたいことにメディアの露出が増えて、客観的に自分を見る機会が多くなったら、気になるところがいろいろ出てきて。できる範囲でやってみようと試してみたら、成果が出て、どんどんハマっちゃったんですよ。『よっしゃ、クリアー! 次行こう!』的な(笑)」

マツエクは太い毛と細い毛をミックス

マツエクは太い毛と細い毛をミックスし、自然な仕上がりに。

芸人が美を追求することへのツッコミもあったというが、「それで笑いがとれるから、自分的には“おいしい”です」とりんたろー。は話す。

「それに最近は、イジられるより『教えて』モードが強くなっている気がします。男が美容に励むことが認知されてきたのかな。綺麗になりたいって気持ちに、性別も年齢も、置かれている状況も、もとの容姿も関係ないと思うんですよ。だから僕が、『芸人で、イケメンじゃなくて、30歳過ぎて始めたアイツでも変われるんだから』って、みんなの背中を押せる存在になれたら嬉しい。男性にとって美容が普通のことになり、究極、メンズメイクとかメンズコスメから、“メンズ”のワードがとれるようになるのが理想なんです」

とはいえ、美容に抵抗がある男性もいれば、外見を磨くことを「ナルシスト」と揶揄する傾向もまだゼロではないのが現状。

「ナルシストでもいいじゃないですか。僕なんて、めちゃ自分好きですよ。部屋に飾っているの、自分の写真ばっかりで(笑)。だって、自分のことを自分がちゃんと愛せてないと、他人も愛してくれなくないですか?」

セルフネイル

気分や季節に合わせてネイルアートを楽しむだけでなく、セルフネイルも!

美容は、「モテメイクという言葉に代表されるような“誰かに選ばれるため”から、“自分のため”に変わってきている」とも、りんたろー。は言う。

「美容って、自分に手をかけてあげることなんですよね。自分を愛する時間を確保すると、人生は豊かになる。僕はそれを実感しています。人見知りがなくなって交友関係も、仕事の幅も広がった。見た目のコンプレックスがなくなったら、見える景色が変わってきたんですよ。ワントーン上がったというか」

外見に自信がない頃は見られることが苦手で、伏し目がちだった。でも今のりんたろー。は、目をまっすぐ見て話をする。

「実は僕、これまで自分が前に出ることに躊躇(ちゅうちょ)があったんです。兼近(相方)という天才に、最高のパスを出すことが役目で、自分が前に出ても上手くいかないって。でも、最近ピンの仕事が増えて、『絶対ムリ』と思っていたことが、『もしかしたらできるかも』になって、『絶対できる!』に変わって、本当にできたりする。そうすると、もっといろんなことに挑戦したくなるし、不思議とチャンスもいただけるんですよね。外見がちょっと変わるだけで、人間、こんなにもメンタルが変わるんだって、自分で自分に驚いています」

「美容は誰かに選ばれるためじゃなく自分のためにするもの」

美容は、自分を愛せるようになるためのツールと、りんたろー。は言い切る。

「今、めちゃめちゃいいサイクルのなかにいるんですよ、僕。この感覚、もっとたくさんの人とシェアしたい!」

 

RINTARO

RINTARO
1986年静岡県生まれ。浜松大学卒業後、東京NSCに14期生として入学。2017年末に兼近大樹と、お笑いコンビ、EXITを結成。『イグナッツ!!』(テレビ朝日)などレギュラー多数。

TEXT=村上早苗

PHOTOGRAPH=滝川一真

HAIR&MAKE-UP=吉村 健

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